
ノーコード画像処理ソフトウェア「MERLIC」がバージョンアップを遂げ、最新バージョン 26.10 が10月15日にリリースされました。MERLICは、世界最先端の画像処理ライブラリ「HALCON」を開発するMVTec社が、30年にわたる知見を凝縮して作り上げたソフトウェアです。高度な画像処理アルゴリズムを、プログラミング不要のノーコードで直感的に構築できるのが最大の特長です 。
今回のアップデートでは、使い勝手の強化に加え、セキュリティに関してのアップデートも多く用意され、より多くのお客様が、安心して最新の画像処理技術を導入できるソフトウェアへ進化を遂げています 。
| MERLIC 26.10の 無償トライアルはこちら | MERLIC 26.10の 御見積依頼はこちら |
セキュリティ強化
MERLIC内部通信の暗号化
製造現場におけるマシンビジョンシステムは、上位のIT/OTネットワークや他の生産設備と接続されるケースが急速に増加しています。これに伴い、通信データの暗号化やネットワークアクセス制御といったセキュリティ要件が不可欠となっています。
MERLIC 26.10では、新しい通信アーキテクチャが採用され、セキュリティと効率性を両立した通信基盤へとモダン化されました。
- TLS暗号化ネットワーク通信: コンポーネント間の通信データをTLSにより暗号化し、盗聴やデータの改ざんリスクから保護します。
- Unix-Domain Sockets (UDS) によるローカル通信: 同一端末内のコンポーネント間通信にはUDSを採用し、低い通信オーバーヘッドを実現するとともに、ポート設定の手間を解消しました。
- WebSockets (WS/WSS) によるリモート通信: 複数サービスやインスタンスで同一ポートを共有できるため、必要な通信ポート数を削減し、マルチインスタンス環境でのファイアウォール設定を大幅に簡素化します。
- Secure by Default (デフォルトで安全なアクセス制限): リモートアクセス機能は初期状態でローカル接続のみに制限されており、明示的に設定しない限り外部接続を拒否する安全な運用が可能です。
これらの機能は、MERLIC 26.10で追加されたMERLIC Directory Agentによって提供されます。MERLIC Directory Agentは、PC内のMERLICプロセスの追跡を行い、それらを外部へ公開する際の門として機能します。
複雑なネットワーク設定を追加することなく、将来的なウェブベース環境でのアプリケーション運用を見据えた堅牢なセキュリティ基盤を提供します。

SBOM (ソフトウェア部品表) の提供
欧州のサイバーレジリエンス法(CRA)をはじめ、製造業向けソフトウェアや機器に対するセキュリティ標準・コンプライアンス要件が世界的に強化されています。
MERLIC 26.10では、標準化された機械読取可能なSPDXフォーマットのSBOM(Software Bill of Materials)が提供されます。これにより、MERLICに含まれるソフトウェアコンポーネントや依存ライブラリの透明性が飛躍的に向上します。
システムインテグレーター様や装置メーカー様は、脆弱性分析やコンプライアンスプロセスの迅速化・効率化を図ることができ、自社製品・システムのセキュリティ適合性を容易に証明・管理いただけます。

画像処理開発機能の追加
グルーピング機能の強化
開発環境「MERLIC Creator」での操作性が向上し、ツールフローの構築とメンテナンスがよりスムーズになりました。
従来はグループ化したツールの内部を確認・修正する際にグループ解除を行う必要がありましたが、MERLIC 26.10ではグループを保持したまま内部ツールの閲覧やパラメータ編集が行えるようになりました。また、グループの外部インターフェースに対するパラメータの追加・削除も直感的に操作が可能です。
複雑になりがちな画像処理フローのカプセル化・整理整頓と、迅速なパラメータ調整の両立を実現します。

ROI 可視化の改善
MERLIC CreatorでのROI作成・編集時に、ピクセル位置(X/Y座標)、矩形の幅・高さ、円形ROIの半径、回転角度などの数値情報をリアルタイムで確認可能になりました。

アプリケーション実行・管理の強化
単一PC内で複数の検査システムを並列駆動するマルチインスタンス構成に向け、「システムセレクター」機能が新たに追加されました。
- マルチインスタンス制御の統合: 端末上で稼働している任意のMERLICインスタンスをフレキシブルに選択・アクセスできます。暗号化セッションの通信ステータス表示や例外処理機能もブラッシュアップされ、接続時の安全性を一目で把握可能です。
- MERLIC Instance Directory (HTML基盤の集中管理インターフェース): 標準搭載されたウェブ仕様ポータル(Instance Directory)経由で、セットアップ済みのMERLICプロセス(FrontendならびにRTE Setup)を一覧化し、ダイレクトに起動できます。
ゼロからの新規プログラミングを行わずに、各生産ラインの運用環境へ柔軟に適応・カスタマイズ展開が可能です。
MVAppをレシピとしてダイレクトインポート
実行環境のセットアップを行う「RTE Setup」において、MERLIC Creatorで作成したVision Appファイル(*.mvapp)をレシピ(Recipe)として直接インポートできるようになりました。
従来のように別個のレシピファイル(*.mrcp)を生成・管理する必要がほとんどのユースケースで不要となり、プロジェクトの展開やレシピ登録・更新の手間が削減されます。これにより、現場へのアプリケーション展開がより高速かつシンプルになりました。
1つのVision Appファイルに対し、複数の入力パラメータのプリセットを使用したい場合は、従来通りのレシピファイルでの管理を行うことができます。

その他のアップデート
その他にもMERLIC 26.10では次のアップデートが含まれています。
- MERLICのバックエンドとして動作するHALCONを26.05へ更新
- カメラ接続インターフェースのバージョン更新
- RTE Setupでのレシピインポート時に開くフォルダダイアログで、直近のフォルダが開くように改善
- OpenVINO/TensorRTライブラリの更新
新しいMERLIC 26.10で画像検査アプリケーションの開発にトライしてください。
| MERLIC 26.10の 無償トライアルはこちら |
| MERLIC 26.10の 御見積依頼はこちら |










