HALCON Progress Editionは半年ごとに新しい画像処理機能が追加される、進化を続けるソフトウェアパッケージです。5月20日にリリースされた最新版の26.05では、AIの活用によるオブジェクト検出性能の大幅な向上や運用の効率化が図られています。また、形状ベースマッチング機能やコード読取機能に改善が施され、幅広いユーザーのお役に立てるものになっています。本号では、この26.05の新機能について紹介します。

進化したAIオブジェクト検出機能
HALCONのAIオブジェクト検出機能に最新の高性能モデルが搭載され、従来のモデルに比べて処理スピードが最大5倍へと高速化、さらに検出精度も大幅に向上しました。 部品が複雑に重なり合っていたり、光の反射で陰影が変わったりする環境でのピッキングやコンベア上の製品カウントなど「これまでの自動化では難しかった物体検出」に対して大いに活躍します。背景の複雑さや対象物の変動に強いだけでなく、より小さな物体に対する検出力も強化されたため、これまで導入をあきらめていた過酷な環境においても、より高速かつロバストなシステム構築を実現します。

AI学習を効率化するデータ拡張機能
製造現場にAI検査システムを導入する際に、撮像環境が自社に無い、不良品が発生しない、等の理由から「学習用の画像データを十分に集められない」といった課題に直面されることも多いかと思います。今回の最新バージョンにはこういった課題の解決につながるデータ拡張機能が追加されました。AI学習に必要となる画像データを内部的に増やすことが可能になり、データが十分に集められない状況でもAIの適用範囲を拡大することができます。

形状ベースマッチングモデルの自動最適化
実際の画像から形状ベースマッチングモデルを作成する場合、登録範囲が適切でないと表面のざらつきや光の反射などで不要な部分もモデルとして登録されてしまうことがあります。最新バージョンでは複数画像から共通で現れる形状を把握し、最も安定している箇所をモデルとして登録できる機能が搭載されました。特に表面の反射がランダムになりやすい金属部品のマッチングを行うシーンで大きな効果を発揮します。また設定を行うエンジニアの技量の差も解消できるため「誰が設定しても安定したマッチング」の実現にもつながります。

コード検出および文字読み取り性能の向上
マシンビジョンの重要なニーズであるコード読み取り機能の安定性がますます高まりました。曲面に貼られて歪んだ2Dコードの読み取り性向上、エンコードの自動化に加え、より人間に感覚に近い文字の読み取りなど様々な改善が実施されています。以下は「より人間の感覚に近い」という部分でDeepOCRの機能改善の一例です。従来は文字の部分だけを読み取っていたためスペースの無い詰められた文字列が出力されていましたが、新バージョンでは空白を読み取ってスペースもある状態で結果が出力されています。これにより後処理がシンプルになりシステム構築の効率化につながります。

新たな開発環境HDevelopEVOの機能拡充
画像処理アプリケーションがより複雑になる一方でエンジニア不足が課題となっている近年。このような課題の解決に大きく貢献できるAI連携が可能な次世代開発環境HDevelopEVOの対応範囲が拡大します。HDevelopEVOでは画像処理アルゴリズムを実行ファイルから直接呼び出せるScript Engineを使用してアプリケーション化を行いますが、今回のバージョンアップによりこちらが.NETに対応致します。加えてユーザの皆様へオペレータや標準サンプルを提案するMVTec管理のLLM「HALCON Search」も新たに搭載され、HALCONが持つ非常に多くの機能をより余すことなくご活用いただけるようになります。HDevelopEVOの製品版のリリースは2026年11月となっていますが、今回リリースされるプレビュー版でその開発効率を体験いただけます。

HALCON Progress Edition導入をご検討されている方へ
HALCON 26.05は、HALCON Progress Edition開発ライセンスの年間契約期間内であれば、追加費用なしでご利用いただけます。新規導入をご検討されるお客様向けには、約1か月無償でご利用いただける評価ライセンスも準備されており、弊社ホームページからダウンロードいただけます。導入にあたってのサポート依頼やご注文に関しては、以下までお問い合わせください。










