HALCONのバーコード・2次元コード読取機能は、世界中の主要なコードを、簡単・高速・高精度に読み取ることができ、多くのお客様に活用いただいている実用性の高い機能です。本号では、HALCONでコード読み取りを行うメリットと、簡単な実装方法の解説、そして、各バージョンで施された機能進化について紹介します。
コード読取にHALCONを使う理由
専用のコードリーダーを利用すれば楽なのに、なぜわざわざHALCONを使ってコード読み取りを行うの?そういった疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。HALCONを使ってコード読み取りを行う理由は、大きく分けて2つあります。
①既存のハードを流用できる
位置決めや検査用途にカメラやPCをすでに導入している場合、その環境を利用してコード読み取りを行えるかもしれません。それが実現できれば、新たにコードリーダーを取り付ける手間とコストを抑えることができます。ただ、既存の環境を流用する場合、低解像度であったり、照明環境を整えられなかったり、コードの出現位置が不定であったりすることも多いです。
HALCONのコード読み取り機能を使えば、そういった読み取り難易度が高いコードに対しても、安定した読み取りが可能です。
また、HALCONが備える様々な画像処理機能を組み合わせ、例えば位置不定のコードの位置を特定したうえで読み取る、そういった処理も可能になります。
②高度なコード読取を実現できる
また、コードリーダーでは対処できない、難易度の高いアプリケーションでも、HALCONのコード読み取り機能であれば実現の可能性が高まります。例えば、超高速で流れる部品の全数記録などにも、HALCONのコード読み取り機能が活用されています。
また、複数種類のコードが混在している状況や、条件によって読むコードの種類や位置が変わったりする場合にも、柔軟に対応することが可能です。加えて、コードの印刷品質をチェックする、グレード検査機能を活用できるのも、HALCONが求められる理由の一つとなっています。
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PCビジョンでも簡単実装
コードリーダーを使うのと比べて、HALCONを用いてコード読み取りプログラムを書くのは大変、と考える方もいらっしゃるかもしれません。ですが、コード読み取りプログラムの実装は意外と簡単です。例えば、データマトリックスを読み取るのであれば、
①create_data_code_2d_model:データマトリックスを検出するモデルを生成する
②open_framegrabber:カメラと接続する
③grab_image:カメラ画像を取り込む
④find_data_code_2d:画像上のデータマトリックスを検出し読み取る
という、このシンプルな処理で、2次元コード読み取りを実現できます。
弊社ホームページで公開しているトレーニングサイト「画像処理マスターへの道」の
「HALCON自動認識」をご覧いただければ、ノートパソコンに搭載されているカメラを使って、データコードを読み取るプログラムを、HALCONで作成する流れを具体的に解説していますので、どうぞご活用ください。
HALCONコード読取機能の継続的な進化
HALCONの開発元であるMVTec社は、コード読み取り機能の改善に継続的に開発投資しており、世界最高レベルの読み取り性能を提供し続けています。
この高い読み取り性能と継続的な進化が評価され、例えば、大手メーカー様のコードリーダーの内部で、HALCONのコード読み取り機能が使われたりしています。こういった形で、機能を限定したOEM提供も行っておりますので、ご興味持っていただける方はぜひ弊社までお問い合わせください。
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