過去に配信したiRAYPLE製のコードリーダ特集では、ラインナップ/読み取り性能/機能面といった要素に焦点をあててご紹介してきました。しかしながら、いかに優れた読み取り性能を誇ったとしても、コードリーダというのはある種「読めて当然」という様に見られるモノであることも理解しています。これだけ成熟・普及したコードリーダ市場にこのタイミングでリンクスが参戦を決めた理由は、その性能面もさることながら、価格の観点でコードリーダ市場の常識を覆せると考えたからです。本号では、iRAYPLEのコードリーダの原点に立ち返って、そのコスト優位性を紹介します。
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iRAYPLEコードリーダのコスト構造
「iRAYPLE」は、監視カメラで世界トップクラスのシェアを誇る「dahua Technology社」が、産業用カメラやコードリーダといったマシンビジョン領域を専門で取り組むために立ち上げた子会社です。従来の固定式コードリーダ市場ではトップメーカーでも数10万台/年の出荷台数でしたが、iRAYPLEを含むグループ全体のカメラ系製品の年間出荷台数は5,000万台にも上ります。この圧倒的な生産数のスケールメリットを背景に、世界のトップメーカーからCMOSセンサーやFPGA等のコンポーネントを低コスト / 短納期で調達し、同社が開発する産業用カメラや監視カメラと内部部品の多くを共通化することで、真似のできない超低価格を実現しました。
今までマシンビジョンメーカーだけが戦っていたこのニッチ市場に、監視カメラという圧倒的なスケールメリットを背景に持ったメーカーが参入することで、大きな地殻変動がもたらされつつあります。すでに中国はもちろん、韓国市場でもiRAYPLEカメラの急速な普及が始まっており、日本市場でも同様の動きが始まろうとしています。
iRAYPLEの固定式コードリーダの価格は、市場の同性能帯の製品に対して「半額」程度を実現しています。『もしもお使いのコードリーダのコストが「半額」になったら?』ということを考えてみてください。数10台のコードリーダを使っているとすれば、今まで使った数10台分のコスト分がそのまま浮いていたはずです。あるいは、コストが合わず導入できなかったケースが再検討できるかもしれません。そのような実例を1つご紹介します。
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採用事例:物流センターにおける荷物の6面読み取り
小包の識別情報は、物流のプロセス全体を通じてトラッキングする必要があります。それらをいかに効率的に記録するかは、物流会社の共通の要件です。
中国の物流会社である Best Express は 2007 年に設立され、現在では中国に 678 のオペレーション センター、4 億 2,000 万平方メートル以上の倉庫と配送センターを構える企業です。 iRAYPLE は 2017 年末から Best Express と協力し、彼らの物流センターにコードリーダを用いた荷物管理ソリューションを提供することで、大きな価値をもたらしました。
配送センターのような物流現場では、個々の箱の向きもバーコードが貼り付けてある位置もバラバラの状態で流れてくるのが珍しくありません。こちらの物流センターでも、こうしたランダムな荷物の流れに対してハンディコードリーダでオペレータが1つ1つ荷物のコードを読み取る運用が為されていました。
こうした現場に対して、iRAYPLEは自社のコードリーダやラインスキャンカメラを併用した6面コード読み取りソリューションを提案しました。荷物がどんなサイズでも、どのような向きを向いていたとしても、どこにラベルが貼られていたとしても、自動で全てのコードを読み取る本システムにより省人化に大きく貢献しました。
深い読取りレンジでサイズの異なる荷物に対応
キーコンポーネントとなったのは、20Mピクセルの解像度を持つ高性能コードリーダR7000シリーズです。上面および左右の3面は、荷物のサイズ違いに対応する必要があるため、コードまでの距離やコードが映るサイズに最も変動が生じます。より深い深度や高い解像度が要求されるこの3面においては、レンズも取替式で深度がカスタマイズしやすく、市場で最高クラスである20MPの解像度を誇るR7000シリーズが担っています。
また、荷物が流れてくるため深度方向の要求の低い前後の2面に関しては、よりコスト面に優れたR5000シリーズが担います。1.6MPの解像度で90コード/秒の読み取りレートを実現するこの機種は、照明・レンズも内蔵で簡単にセットアップすることを可能にしています。
下面に関してはコンベアの隙間から8kのラインスキャンカメラがのぞいており、全周をくまなくカバーしたこのシステムですが、見ての通りコードリーダが5台使われたリッチな構成になっています。そのため、コードリーダのコストが重要な観点になってくるのですが、前述の通りそのコストは市場価格のほぼ半額です。Best Expressでは600台以上のコード読み取りシステムを既に導入しており、その多くが下面を除く5面読取のシステムを採用しています。3000台近くのコードリーダを導入するにあたって、他メーカーを採用するのに比べてコストを半分で済ますことができたことは大きなメリットになりました。
人手不足 / コスト削減 / 処理能力 の問題を一挙に解決
削減できたコストはそれだけではありません。このシステムは人間の作業を置き換え、大幅な労力を軽減することに成功しています。 結果として、各荷降ろしエリアで作業していた 6~7名のオペレータを1~2名に減らすことに成功しています。必要な労働力が 110,000 人から 30,000 人に減少し、約 70% の労働力が節約されました。
また、荷降ろしエリアは効率のボトルネックですが、人間の操作よりも高速でエラーの少ないこのシステムはベルト速度が 1.5m/s まで対応します。これは荷物の量としては 3000 個/h の処理に相当し、従来の 2 倍の処理能力を実現しました。
固定式コードリーダならリンクスへ
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