2023年6月2日(金)に開催した『LINX DAYS 2023』では、あいにくの雨にも係わらず、多くの方に来場いただき、大盛況のうちに終了することができました。本号では、LINX DAYSに来場頂けなかった方や、コードリーダのセッションに参加されなかった方向けに、LINX DAYS 2023でのiRAYPLEのコードリーダのセッションでご紹介したiRAYPLEコードリーダの「読み取り性能」の部分について着目して特集します。
固定式コードリーダの活用シーン
産業用コードリーダは、製造現場におけるトレーサビリティや、物流現場の仕分けなど、様々な現場で利用されています。この中でも固定式コードリーダは、こうした分野の自動化設備にはなくてはならない存在で、近年その利用は増加傾向にあります。一方で、固定式コードリーダは通常自動化設備の中に組み込んで利用されるため、高い読み取り性能が求められます。例えば湾曲面に張り付けられた歪のあるコードや、低照度といった高ノイズ環境でも安定した読み取り性能が求められます。
読取性能特長:AIアルゴリズムを用いた高性能読み取りの実現
iRAYPLEのコードリーダはこうしたニーズに対応するため、100万枚以上のデータからから学習したAIアルゴリズムを搭載しています※1。更に高性能のチップを搭載することで高速に読み取り処理を行います。
※1・・・AI機能はR4000以上のモデルに搭載
従来の読み取りアプローチとの違い
iRAYPLEのコードリーダは読み取りにAIアルゴリズムを採用するだけでなく、その読み取りアプローチにも特徴があります。具体的には2種類のAI機能を搭載することで強力に読み取りを行います。
上は一般的なコードリーダの読み取りアプローチで、下がiRAPYLEの読み取りのアプローチです。一般的なコード読み取りのアルゴリズムは、まずコードの位置をルールベースもしくはAIを用いてで検出し、そのあとデコード処理を行います。これに対して、iRAYPLEは2種類のAIを搭載し、位置検出だけでなく、その後のモジュールやエレメント検出にもAIを活用しています。これにより検出したコード内に欠陥があっても強力に読み取りを行うことができます。
2つのAIエンジンが搭載されていることのメリット
先に述べた2つのAIエンジンが搭載されていることのメリットを、以下の例を用いて紹介します。
一つ目はマーカ内に欠陥がある例です。この例ではQRコードのファインダパターン上に欠陥がありますが、従来のルールベースだけでこのパターンを検出することは困難です。これに対して、iRAYPLEのAIは、この欠陥箇所を復元しながら検出を行うことで、安定して読み取りを行うことができます。もう一つは、高ノイズに環境における読み取りです。DPM(ダイレクトパーツマーキング)等の場合、このサンプル画像のように背景部分にノイズが多く含まれますが、ここでもAIを用いることで、ノイズを除去して正しく検出することができます。このように2つのAIを用いることで、iRAPLEのコードリーダは様々な厳しい環境に対して、ロバストに読み取りを行うことができます。
その他の活用シーンと実力
iRAYPLEのコードリーダは、先に述べたシーン以外の環境に対しても高いロバスト性を持っています。例えば低照度環境の場合で、背景の輝度値が0で、コードの最大輝度値が14といった非常に低照度で、ノイズが乗る環境でも読み取りを行うことができます。また背景に濃淡差がある場合も読み取りが可能です。これはコードの背景にグラデーションがかかっている状態で、このグラデーションの明るさの幅が約100階調あっても読み取りを行うことができることを示しています。ワークの光沢ムラがあるようなシーンで有効です。更にクワイエットゾーンが1pixelの状態でも読み取りを行うことができます。その他、欠け・よれ、コードの湾曲、周辺にテクスチャのあるいった環境に対しても、強力に読み取りを行うことができます。このようにiRAYPLEのコードリーダは、現場で発生しうる様々なシーンに対してロバストに読み取りを行います。
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