『TRITON』は、コストパフォーマンスに優れた高性能のハードウェアとチューニング済みのOSにソフトウェアPLC【CODESYS】をパッケージしたオールインワンのPLCです。
2023年1月の販売開始から大好評で、現在では実際の装置での本格評価、実導入いただくケースが増えてきています。
過去のLINX Expressでの『TRITON』活用事例紹介号はこちら
① 自動包装機のインテリジェント化への『TRITON』の活用(不双産業株式会社様事例)
② 半導体モールディング装置のダウンサイジングへの『TRITON』の活用(TOWA株式会社様事例)
シンプルイズベスト!! 単機能にこそ『TRITON』を活用
シンプルイズベスト!!シリーズでは、シンプルな機能を実現するために、
PLCを使うにはコストが…
マイコンで開発するには工数が…
といったときにこそ『TRITON』を使っていただきたい、ということで、『TRITON』の単機能を紹介しています。
TRITONには、PLC機能をコアとして、様々な機能を活用することができます。
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過去のLINX Expressでの『TRITON』の単機能紹介号はこちら
▶ シンプルイズベスト!!単機能にこそ『TRITON』を活用(Motion制御編)
今回は、IO制御についてご紹介します。
シンプルイズベスト!! 単機能にこそ『TRITON』を活用
『TRITON』でのIO制御では、Ethernetポート、シリアルポート、内蔵DIOポートの3つの方法が利用できます。
DIOポートによるIO制御
TRITONの内蔵DIOでは、入力あるいは出力として合計4ポートを使用することができます。各DIOポートを入力として使用するか、出力として使用するかは、ユーザが自由に設定することができます。
■X50:DIOポート仕様
- 入出力DIOポート数 合計4ポート
- 出力電圧 24VDC
- 出力電流容量 500mA以下(ポート全体で)
- 入力電圧 24VDC
- 入力側ハイインピーダンス 38.7kΩ
フィールドバスによるIO制御
■フィールドバス |
『TRITON』では、システムの仕様や制御対象機器に応じて、各種フィールドバスを選択することができます。
対応フィールドバス
- X40:RS485/CANポート
-Modbus Serial Master / Slave
-CANopen Manager / Device
-J1939 - X20:LAN2ポート(eth0)
-EtherCAT Master
-PROFINET Controller / Device - X21:LAN1ポート(eth1)
-EtherNet/IP Scanner / Adapter
-Modbus TCP Master / Slave
※Ethernetポートについての注意事項
X20:リアルタイム性が必要なフィールドバス用に調整されたEthernetポートです。
X21:汎用のEthernetポートです。リアルタイム性が必要でないフィールドバスで利用できます。
X40:RS485/CANポートでのModbusを利用したIO制御
リンクスでは、『TRITON』のオプションユニットとして、Modbus Remote Digital IOユニット『PLX-MRU-DIO16A』(入力8ポート/出力8ポート)を販売しています。サンプルコードも提供しているため、簡単に使用することができ、多くのお客様に、『TRITON』とセットでご活用いただいています。
X20:LAN2ポートでの【EtherCAT】を利用したIO制御
本ポートはリアルタイム性が必要なフィールドバス用に調整されています。
ここでは、フィールドバスとして【EtherCAT】を利用する場合を例にとり、仕様要件と使用方法を紹介します。
TRITONから制御するEtherCATデバイスの仕様要件としては以下を満たしている必要があります。
- デバイス仕様要件
-EtherCAT規格に準拠していること
-次のプロトコルを持つこと: CoE/SDO、EoE、SoE、FSoE、FoE、VoE
-ESIファイルがあること
TRITONを EtherCAT Master として使用するために、以下の準備を行います。
- EtherCATデバイスを使用するための準備
- EtherCAT Master の追加
TRITONにダウンロードするプロジェクトの中に EtherCAT Master を追加 - EtherCAT Master の設定
EtherCATにて使用するEthernetポート(eth0:X20・LAN2)を設定 - CODESYS統合開発環境にESIファイルを登録
CODESYS統合開発環境に、EtherCAT Slaveデバイスの情報となるESIファイル(EtherCAT Slave Informationファイル、xml形式)を登録 - EtherCAT Slave (制御対象)の追加
プロジェクトの EtherCAT Master に、EtherCAT Slave を割り付け
- EtherCAT Master の追加
次に、EtherCAT Master に登録した EtherCAT Slave のIOマッピングに変数を割り付ければ、IOの入出力、設定、パラメータ変更が可能となります。
- EtherCATによるIO制御
-IOマッピング
-接続の確認
IOマッピング
EtherCAT Slave の「I/Oマッピング」タブをクリックして、IOマッピング画面を表示します。
変数列に、プログラム内の変数を登録して EtherCAT Slave の PDOマッピングと対応させます。下図の例では、出力【Out Port0】と入力【EB Port0】が EtherCAT Slave のPDOマッピングとして用意されています。
- 出力したい場合:【Out Port0】に出力データとなる変数をマッピング
- 入力したい場合:【EB Port0】に入力データとなる変数をマッピング
PDOマッピングに登録されたデータ型単位もしくはbit単位で変数の登録が可能です。
データ型の単位で登録する場合
データ型の単位で登録する場合、変数の項をダブルクリックし、「…」ボタンを表示させます。
「…」ボタンをクリックすると「入力アシスタント」ダイアログが表示されます。入力アシスタント内から登録したい変数を選択し、「OK」ボタンを押します。通常では、プロジェクトのプログラム内部の変数を扱いたい場合、「Application」の中にプログラムは登録されています。
bit単位でマッピングする場合
bit単位でマッピングする場合は、「+」マークを展開し、bit単位の表示にした後、それぞれbit単位で登録します。変数の登録は、データ型単位の際の方法と同じ手順で行います。
これまでの手順で、プロジェクトに、EtherCAT Master と EtherCAT Slave を設定し、スレーブのIOマッピングを設定し、プロジェクトの変数と割り付けられました。
接続の確認
その他のプログラム等の用意ができたら、TRITONにプログラムをダウンロードし、接続の確認を行います。
プログラムのダウンロードと実行を行い、EtherCAT Masterが正常に起動すると、EtherCAT MaslterとEtherCAT Slaveの左側に緑色のマークがつきます。このマークが確認できれば、EtherCAT Slaveを使用可能です。
CODESYS統合開発環境は無料
『TRITON』を様々な用途に適用することを可能にするのが、CODESYSです。その統合開発環境は無償で提供しているため、開発者が何名であっても、開発ライセンスの費用を考慮する必要がありません。また、開発環境があれば、実機での検証以外のことはすべてのテストを行うことができますので、複数名で並行して開発を進めることも可能です。
無償のCODESYS統合開発環境を使って、今回紹介したような様々なIO制御を開発し、『TRITON』を皆様の装置の一部にお役立ていただければ幸いです。
シンプルイズベスト!! 単機能にこそ『TRITON』を活用
IIoT化、見える化、工場の隅々までオートメーションフィールドバス対応、OPC UA対応など、装置に求められる機能、装置メーカ様に求められることは増加の一途です。それぞれの対応のために異なるソフトウェアを使いこなす、あるいは、再利用性が低いためにその都度開発を行う、ということをいつまでも継続することはできません。
なぜなら、不採算だからです。
高機能を低価格で実現した『TRITON』を活用すれば、世界で最も使われている制御ソフトの標準プラットフォームである【CODESYS】により、要求機能に応じてソフトウェアで自由に組み合わせ・選択が可能です。
装置のダウンサイジング、装置のインテリジェント化には、『TRITON』が最適です。
そして、単機能にこそ『TRITON』を活用してください。単機能のために、いろいろなソフトウェアやハードウェアを使い分けることはありません。【CODESYS】という1つの統合プラットフォーム上で、用途に応じて、様々な機能を短時間に実現することができます。
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