『TRITON』は、コストパフォーマンスに優れた高性能のハードウェアとチューニング済みのOSにソフトウェアPLC【CODESYS】をパッケージしたオールインワンのPLCです。
2023年1月の販売開始から大好評で、現在では実際の装置での本格評価、実導入いただくケースが増えてきています。
過去のLINX Expressでの 『TRITON』活用事例紹介号はこちら
① 自動包装機のインテリジェント化への『TRITON』の活用(不双産業株式会社様事例)
② 半導体モールディング装置のダウンサイジングへの『TRITON』の活用(TOWA株式会社様事例)
TRITONには、PLC機能をコアとして、様々な機能を活用することができます。
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これらひとつひとつのビルディングブロックから自由に選択、あるいはいくつかを組み合わせることで、やりたいことを実現することができます。
シンプルイズベスト!! 単機能にこそ『TRITON』を活用
TRITONの価値は、単機能を効率良く短期間にリーズナブルな価格で実現できることです。
TRITONのアプリケーション開発には、世界で最も使われている制御ソフトの標準プラットフォームである【CODESYS】を用います。CODESYSを使えば、必要な機能が1つに集約されているため、これまで個別に必要だった専用ソフトウェア、専用ハードウェアは不要になります。
機能が豊富で1つの統合プラットフォームだからこそ、やりたいこと、実現したいことにシンプルにお応えすることができます。
今回は、Motion制御についてご紹介します。
単機能にこそ『TRITON』を活用:Motion制御
■Motion制御 |
Motion制御で良く利用される、モーターの制御について紹介します。
モーター制御では、主に2つのプログラミング方法があります。
① ステッピングモーターに対して、PWMパラメータ(パルス幅、周期)、動作指示をLD、STなどでプログラミング
② サーボモーターに対して、Motion制御用FBを使用し、LD、STなどでプログラミング ※1
■※1)別途SoftMotionライセンスが必要(標準モデルには含まれていません)
制御する対象が、ステッピングモーターなのかサーボモーターなのかによって、①か②を選択することになります。しかしながらそれ以上に、別途SoftMotionのライセンスが必要なのですが、「② Motion制御用FBを使用し、LD、STなどでプログラミング」を選択されるケースがほとんどです。
CODESYSが提供する【PLCopen 準拠のMotion制御ファンクションブロック】が非常に有用であり、TRITONアプリケーションの開発が格段にやりやすく、早く出来上がるからです。
ライセンス追加で使えるSoftMotionライブラリの有用性
『TRITON』の標準モデルに、CODESYS SoftMotionライセンスを追加することで、SoftMotionライブラリを使うことができます。
このライブラリには標準規格PLCopen Motion Controlで定義されているファンクションブロックが含まれています。これを利用してCODESYS上で作成したMotion制御アプリケーションは、単一のフィールドバスやドライブメーカーに依存せず動作することができます。
また利用するフィールドバスやドライブが変わってもプログラム自体は書き換えることなく動作でき、ハードウェアに依存しないMotionアプリケーション作成が可能になります。
SoftMotion ライブラリ
Motion制御を行うことは、様々な状態遷移を繰り返していくと言えます。各状態に対して、Motion制御用ファンクションブロックが用意されており、これらを組み合わせてMotionアプリケーションを作成します。
状態遷移図
各ファンクションブロックでは、状態や状態遷移に合わせて、様々なパラメータを設定していきます。
Motion制御用ファンクションブロックが設定するパラメータ群の例
上図にあるように、Motion制御用ファンクションブロックが扱うパラメータ数は非常に多いです。SoftMotionライブラリがなければ、これらパラメータを自分で1つ1つ定義して、設定するプログラムを組み、かつ、EtherCATのメッセージに書き込む必要があるため、単純なMotion制御を行うのにも工数がかかってしまいます。
Motion制御用ファンクションブロックを使えば、1行で書けてしまいますので、どのようなMotionアプリケーションを作るかという本質の部分に絞って開発することができます。
『TRITON』によるステージ搬送(サーボモーター制御)
展示会に出展するデモ機に使用するXステージの制御を『TRITON』で行ったシンプルなMotion制御の例を紹介します。
Xステージの制御に『TRITON』を使用
XステージのMotion制御としては、以下の4つの制御を設定しました。
▶XステージのMotion制御
- モーター励磁命令
- 原点復帰と、次以降のケースで使用する速度・移動位置情報の設定
- 原点→正方向移動(目標地点に到達)
- 目標地点→逆方向移動(原点に到達)
CODESYS開発画面
■型宣言
XステージのMotion制御に必要な型を宣言しています。
MC_Power、MC_Home、MC_MoveAbsolute がMotion制御用のファンクションブロックです。
■プログラム
Xステージを、シンプルに、A点(原点)とB点(目標地点)の間で連続的に往復移動させるプログラムです。
▶Case文によるXステージのMotion制御の切り替え
0 : モーター励磁命令
10: 原点復帰と、次以降のケースで使用する速度・移動位置情報の設定
20: 原点→正方向移動(目標地点に到達)
21: 目標地点→逆方向移動(原点に到達)
※20と21を繰り返す
例えば、サーボモーターをオンにしているのが以下の一文です。
また、XステージをA点⇔B点移動させているのが以下の一文です。
このように、簡潔にプログラムを書くことができます。
XステージをA点⇔B点移動させるというMotionアプリケーションを30行程度の型宣言、50行程度のプログラムで実現することができています。
■『TRITON』によるXステージのMotion制御 動画
シンプルイズベスト!! 単機能にこそ『TRITON』を活用
IIoT化、見える化、工場の隅々までオートメーションフィールドバス対応、OPC UA対応など、装置に求められる機能、装置メーカ様に求められることは増加の一途です。それぞれの対応のために異なるソフトウェアを使いこなす、あるいは、再利用性が低いためにその都度開発を行う、ということをいつまでも継続することはできません。
なぜなら、不採算だからです。
高機能を低価格で実現した『TRITON』を活用すれば、世界で最も使われている制御ソフトの標準プラットフォームである【CODESYS】により、要求機能に応じてソフトウェアで自由に組み合わせ・選択が可能です。
装置のダウンサイジング、装置のインテリジェント化には、『TRITON』が最適です。
そして、単機能にこそ『TRITON』を活用してください。単機能のために、いろいろなソフトウェアやハードウェアを使い分けることはありません。【CODESYS】という1つの統合プラットフォーム上で、用途に応じて、様々な機能を短時間に実現することができます。
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10/25~27名古屋スマート物流EXPO でTRITONとiRAYPLEコードリーダーを組み合わせたデモを展示
10月25日(水)~27(金)でポートメッセなごやにて開催される「名古屋スマート物流EXPO」のLINXブース(第3展示館 Hall3 23-24)に、『TRITON』と『iRAYPLEコードリーダー』を組み合わせたソリューション展示を行います。
また、『TRITON』の他にもLINX製品である『Gocator』、『iRAYPLE AMR』、『iRAYPLE コードリーダー』といった物流の課題を解決するソリューションを多数展示します。
・3DセンサーGocatorを搭載した『荷物サイズ計測ユニット for コンベア』
ベルトコンベア上を流れる荷物をGocatorで瞬時に計測し、iRAYPLEのコードリーダーでバーコードを読み取り、荷物情報と関連づけるシステムの様子を直接ご覧いただけます。
・iRAYPLEの棚搬送型AMR
iRAYPLE AMRのフリーロケーションデモを展示します。倉庫作業の自動化にお役立ちできるソリューションを直接ご覧いただけます。
・iRAYPLEのコードリーダー
豊富なラインナップ・豊富な機能を安価に提供し、物流・生産工程を改善します。様々なユースケースをご覧いただけます。
名古屋スマート物流EXPOへの皆様のご来場をお待ちしております。
是非、弊社ブースにお立ち寄りください。
ご意見・ご感想募集
LINX Expressに関する要望やご感想を募集しております。下記フォームよりお気軽にご投稿いただけましたら幸いです。
いただいたご意見については今後の運営の参考にさせていただきます。皆様のご投稿お待ちしております。