鉄鋼製造業界への適用事例
鉄鋼製品はサイズや重量が大きく、搬送するだけでも多くの手間がかかります。また、建材として使用されることが多く、寸法や強度のばらつきが建造物の安全性に影響するため、寸法測定や外観検査は欠かせません。
また、鉄鋼製品の上流工程では、高温の熱間状態で検査が必要となるケースも多く、離れた位置から測定できることや、過酷な周辺環境に耐えられることも重要です。
こうした大型の対象物を効率よく測定・検査するため、広い視野をカバーできる3Dセンサーが、鉄鋼製品のさまざまな製造工程におけるインライン検査に活用されています。
事例1 熱間スラブ表面の外観検査
連続鋳造の炉から出てきた鉄材を容器に流しこみ、直方体のインゴットを生成してコンベアに押し出します。
その際、急激な温度変化や錆により製品にヒビが発生することがあります。また、温度下降時に発生したスケール(黒皮)が後工程に影響する場合があります。
表面にヒビやスケールが残っていないか外観検査を行いますが、冷えてからは熱間圧延加工ができません。鋼材が熱いうちに検査することで再加工が可能となります。
赤く光る熱間材は青色レーザーの機種を使用することで撮像可能です。撮像距離1.5mを確保できるGocator2670を2台斜め上から撮るように配置し、高温の熱間材の表面を捉えます。

事例2 厚板表面 切削加工の位置決め
幅数mに及ぶ金属スラブからビル用の建材ブロックを切り出すため、厚板の位置・寸法を計測します。
複数台のデータを合成できるバディシステムを使用することで、最大視野幅2mの機種を複数台並べて撮影し、幅5mを超えるような大型の対象物も、1つの3次元データとして扱うことができます。広い範囲をシームレスに結合したデータを取得し、厚板全体の寸法と厚さを正確に計測することで、素材の無駄なく、規定の厚さになるように切削加工位置を正確に算出します。

事例3 薄板製品の寸法測定
厚板を圧延して任意の大きさにのばし、指定の長さにカットします。
従来は人手でカットされた金属板をサイズ測定していましたが、製品長さは数m級のものもあり、長さ測定だけでも多大な労力を要します。また、2Dカメラでは背景や外乱光の影響を受け精度良く計測ができませんでした。
広視野の3Dセンサーで計測することで、背景に依存せず外乱光の影響を受けずにノイズレスな高さ画像を取得できます。
寸法測定はセンサー内蔵の計測ツールで自動的に計測します。幅や厚さといった基本的な寸法計測だけでなく、「平面補正後に辺エッジを抽出し、エッジ交点同士を結ぶ対角線の長さ。」といった複雑な条件の計測も内蔵の測定ツールでマウス操作だけで簡単に設定できます。

事例4 薄板の端部測定による蛇行検査
多段圧延機で製造された薄板は、裁断機で所定の幅に切断された後、コイル状に巻き取られます。薄板の幅は最大2mを超え、ライン速度は分速600m(秒速10m)以上に達します。
薄板が大きく蛇行すると、正しい寸法に切断できません。そのため、端部の位置や板幅を測定し、その結果を製造設備へリアルタイムにフィードバックします。
10kHz以上の高速測定に対応するGocator 2550で薄板の端部をスキャンし、内蔵の寸法測定ツールを使用して、断面プロファイルから端部の位置や板幅をリアルタイムに測定します。

事例5 薄板のうねり・表面状態の検査
多段圧延機で厚板を圧延して薄板を製造する際に、圧延の圧力が強過ぎると波打ち形状が発生し、歪みやうねりにつながります。
圧延工程では高速に薄板が製造されますが、品質要求の高い製品では速度を落として確認する必要がありました。
視野の広いGocator2670で高速に製造される薄板をインラインで全面スキャンし、高さ1mm以下のうねりを検出します。
うねりが検出された場合はPLCに即座に通知され、製造ラインにフィードバックします。

事例6 棒鋼断面の360度形状計測
棒状に加工された鉄鋼材の断面寸法を測定します。本数量が多くこれまで抜き取り検査しかできていなかった工程をGocatorで自動計測することで全数検査に対応します。
Gocator4台を向かい合わせるように配置することで360度囲んだ状態で鋼棒1周分の断面形状が計測可能です。内蔵計測ツールの歪円ツールを利用することで断面円の歪率や直径を簡単に計測できます。
また連続的に断面円の中心座標を算出することで、棒鋼全体の曲がりも測定することが可能です。

