製品の小型化や高機能化に伴い、製造現場ではこれまで以上に微細な形状/高低差測定が求められています。ナノメートルレベルの精密測定が可能な3D顕微鏡は、測定に時間を要するため、生産ラインにおける全数検査への活用は依然として難しいのが現状です。
こうした課題を解決するのが、白色干渉方式の3Dエリアセンサー「heliInspect」と、共焦点方式の3Dラインセンサー「Gocator 4000/5000シリーズ」です。
本号では、半導体パッケージ、刃物の刃先、レンズといった難易度の高い対象物を撮影し、両センサーで取得した高さ画像を比較します。実際の撮影データを通して、それぞれの特長や、用途・要求精度に応じた活用イメージをご覧いただけます。
また、表面粗さ測定をインライン検査に活用するためのポイントをまとめた資料『インライン表面粗さ測定ソリューション』も公開しました。目には見えない不良のインライン検査実現に向けたヒントとして、ぜひご活用ください。
『heliInspect』と『Gocator 4000/5000』で変わる精密3D測定
白色干渉法は、非接触方式の中で最も高精度な3D計測原理です。ナノメートルレベルの高さ変化を捉えられるため、従来は主に3D顕微鏡や表面形状測定機などのラボ用装置に採用されてきました。
一方で、一般的な白色干渉計は、1視野の測定に数十秒を要します。高精度である反面、測定速度が遅く、振動対策も必要になるため、生産設備への組み込みは困難でした。
『heliInspect』は、独自の高速CMOSセンサー技術によって、この課題を解決しています。ワンショット数100msで高さ画像を取得でき、工場内でのインライン検査にも白色干渉法を利用できます。
▶ 白色干渉3Dエリアセンサー heliInspect 製品ページ

『Gocator 4000/5000シリーズ』は、3D顕微鏡にも使用される共焦点法を採用した3Dラインセンサーです。対象物を移動させながらライン毎にスキャンし、微細な3次元形状を高速に撮影できます。光沢のある金属や透明体、多層構造など、光切断方式では撮影が難しい対象物にも対応できます。
▶ 共焦点3Dラインセンサー Gocator 4000/5000 シリーズ 製品ページ

ミクロの世界の撮影データ比較
1.半導体パッケージ ― μmの高低差を鮮明に可視化
半導体QFNパッケージをheliInspect H8 x2とGocator 5504で撮影しました。どちらも表面の微細な形状を鮮明に取得できています。約2μmのわずかな高低差も、明確な高さ変化として捉えられています。
一方、光切断方式では、パッケージ全体の形状は取得できるものの、微細な凹凸の再現性には明らかな差が見られます。

heliInspectは、対象物を静止させた状態で、1視野を数100msで面計測できます。Gocator 5504は、対象物を搬送しながらラインスキャンで連続撮影でき、今回の撮影条件では秒速25mmでのスキャンが可能です。
2.刃物の刃先 ― 光沢のある傾斜面も撮影可能
刃物の刃先は、光沢が強く、さらに急な傾斜を持つため、一般的なカメラでは撮影が難しい対象物です。
heliInspect H8 x4とGocator 5504では、いずれも刃先の真上から撮影し、先端部を捉えることができました。heliInspectの対物レンズを20倍に替えると、さらに刃先の傾斜面まで捉えられているのが確認できます。

特にheliInspect H8Mは、最大0.12μmのXY方向の画素分解能を選択できます。高倍率の光学系を使用することで、刃先の先端形状や微細な加工痕まで高精細に観察でき、刃先の幅や角度、丸み、欠けなどを定量的に評価したい用途にも有効です。
3.レンズ ― 透明体の表面形状も安定して撮影
透明体は、光が表面を透過するため、一般的な光切断方式ではデータ抜けや不要な反射が発生しやすい対象物です。
heliInspect H8 x4とGocator 5504ではどちらも、透明なレンズ曲面の3次元形状を安定して捉えることができました。

また、高解像度のheliInspectを使用すれば、レンズ全体の曲面形状だけでなく、表面に形成された微細な凹凸も取得できます。そのため、形状測定に加えて、レンズ表面の粗さ評価にも活用できます。
白色干渉と共焦点はどう使い分ける?
heliInspectとGocator 4000/5000シリーズは、どちらも光切断方式では捉えにくい微細形状、光沢面、透明体の高精度な3D撮影に適しています。一方、測定方式や得意とする検査には違いがあります。
| 製品 | 測定方式 | 撮影方法 | 特徴 |
|---|---|---|---|
![]() heliInspect | 白色干渉 | エリアスキャン | 1視野を数100msでワンショット撮影。ナノメートルレベルの高さ変化や粗さ測定、微細な表面形状の測定に適する。 |
![]() Gocator | 共焦点 | ラインスキャン | 搬送中の対象物をサブミクロンレベルで連続撮影。光沢面、透明体、多層構造のインライン検査に適する。 |
![]() Gocator | 光切断 | ラインスキャン | 比較的広い視野を高速撮影。ミクロンレベルまでの一般的な形状・寸法検査に適する。機種が豊富で広い用途に利用可能。 |
heliInspectは、微小な範囲を極めて高い解像度で測定したい場合に適しています。一方、Gocator 4000/5000シリーズは、対象物を連続搬送しながら高速かつ高精度に検査したい場合に適しています。
表面粗さ測定も「ラボ」から「製造工程」へ
heliInspectとGocator 4000/5000シリーズの用途は、段差や寸法の測定だけではありません。取得した高精細な3次元データを利用することで、表面粗さの測定にも活用できます。
表面粗さを測定することで、接着前処理の状態、研磨・研削のばらつき、摩耗の進行、コーティングやフィルム表面の異常などを定量的に評価できます。
表面粗さ測定をインラインで実現するためのポイントや適用事例については、資料『インライン表面粗さ測定ソリューション』で詳しく紹介しています。ぜひ以下よりダウンロードしてご覧ください。
| インライン表面粗さ 測定ソリューション ダウンロード | ![]() |
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サンプルワークをお借りしての計測評価やデモ機のお貸出しも随時承っております。
計測評価では、計測精度・視野・速度・コストの観点からどの計測手法・機種が最適かを実際に計測してご提案します。Gocatorはデモ機のお貸出しにも対応しています。
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