半導体の製造工程では、非常に微細な加工が必要とされます。そのため、検査工程においても、サブミクロン、時にはナノメートルレベルの高い精度が要求されます。
3次元計測においては、サブミクロン以下の高さを計測できる白色干渉法や共焦点法が以前から存在していました。しかし、製造ラインで活用するには、インライン計測に対応できる「速度」が必要不可欠です。
本稿では精度と速度を両立し「3Dインライン精密検査」を実現する2つの3Dセンサー、「heliInspect」と「Gocator」をご紹介します。
また、Gocatorシリーズで好評のアプリケーション集の精密計測3Dセンサー版として、「半導体製造アプリケーション集」をご用意しました。ウェハ製造からパッケージ検査まで、様々な半導体製造工程における3Dセンサー適用事例を、導入のポイントと併せてご紹介しています。ぜひダウンロードしてご覧ください。
精密計測3Dセンサー 半導体製造 アプリケーション集 資料ダウンロード |
ナノメートルレベルのインライン高さ計測『heliInspect』
半導体製造は年々微細化が進み、各工程の自動化や検査においてもナノメートルレベルの精度が求められるようになってきました。2次元の撮影では、高解像度カメラと高倍率レンズを組み合わせることで分解能を上げることができますが、3次元形状測定では計測手法が限られています。
heliInspectは、非接触方式で最も精度の高い計測原理である白色干渉法を用いた3次元エリアセンサーカメラです。従来の白色干渉計は1視野あたり数十秒の計測時間を要しましたが、heliInspectは特別なCMOSセンサー技術により、1ショットあたり数百ミリ秒で撮影が可能です。
鏡面・透明体で安定した測定が求められる半導体製造
半導体製造では、鏡面のように研磨されたシリコンウェハに微細な回路を生成していきます。ナノメートルレベルの高精度計測が必要とされる一方で、光沢表面や透明膜越しの撮影など、一般的な光学機器では難しいとされる対象物もあります。 白色干渉法を採用しているheliInspectは、センサーレベルの特殊ハイダイナミックレンジ(HDR)処理により、反射率の大きく異なる対象物を同一視野に捉えて計測できます。鏡面や透明体、ゴムのような低反射素材まで、あらゆる対象物表面の形状を高精度に計測することが可能です。 |
ICチップの高速製造ラインに追随する共焦点ラインセンサー『Gocator 4000/5000 シリーズ』
半導体製造の後工程では、ウェハからダイシングされたチップのボンディングやモールド状態の検査を行う必要があります。半導体製造は時間との勝負であり、半導体製造装置によって超高速にボンディングやモールディングが行われます。そのため、検査も高速に処理されなければなりません。
共焦点ラインセンサーGocator4000/5000シリーズは、サブミクロンレベルの高精度高さ計測が可能なラインセンサーで、最大速度10kHz以上の高速スキャンが可能です。製造ラインを高速に流れるチップやパッケージをスキャンし、微細な凹凸形状を捉えることができます。
精密計測3Dセンサー『半導体製造』アプリケーション集
白色干渉エリアセンサーheliInspectと共焦点ラインセンサーGocator4000/5000シリーズを半導体製造工程に適用したアプリケーション集が公開されました。微細な凹凸形状計測とインライン検査を可能とする速度を兼ね備えた3Dセンサーの活用事例とその活用ポイントについてまとめています。
以下、アプリケーション集の事例の一部をご紹介します。
ウェハプローブ痕の計測
プローブカードで電気的特性を検査する際に、プローブピンがウェハにタッチすることでプローブの痕ができます。
ナノメートルレベルの高さ計測が可能なheliInspectで深さ1μmにも満たないプローブ痕の深さや幅・形状を精密に計測します。
ウェハバンプ高さ計測
ウェハバンピングでは、半導体をチップ個片に分割する前のウェハの状態ではんだバンプ(突起)を形成します。
ウェハバンプの形状検査では、直径・高さとも15μm程度と微細なため、高分解能な3D計測が必要です。
金属光沢面と透明な絶縁膜が混在した表面を一度にスキャンして正確に凹凸データを取得します。
ワイヤーボンディングの外観検査
ワイヤーボンディング工程では、チップとリードフレームまたは基板との間をワイヤー(金、銅、アルミ)で接続します。ボンディングされたワイヤーに高さや位置のばらつきがないか、またワイヤーの切れや曲がりがないかなどの欠陥を検査します。
ワイヤーは太さ20μm程で光沢もあり画像検査が難しい対象物ですが、光沢斜面が計測可能なGocator4010でチップ面とワイヤーの両方をワンスキャンで捉えて検査します。
最小測定ピッチ1.9μmの高解像度センサーで細径ワイヤーにも対応します。
続きは「半導体製造 アプリケーション集」をチェック!
半導体製造アプリケーション事例集では本号で紹介した事例の他に、ウェハバンプ高さ計測やダイシング溝の深さ測定など全部で17件のheliInspect、Gocator適用事例を導入ポイントと併せて紹介しています。
下記リンクボタンよりダウンロードできる「半導体製造アプリケーション集」を是非ご覧ください。
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