オールインワンの画像処理ソフトウェア「MERLIC」の最新版バージョンMERLIC 5.7が先日、4月3日にリリースされました。実行環境がアップデートされ、Linux対応やコンポーネントの統合で、現場での活用の幅がさらに広がります。また、昨年HALCON24.11に搭載された分布外検出機能が追加され、MVTec社の最先端技術がMERLICユーザーにも届けられます。
MERLIC 5.7は「MERLIC5」のライセンス所有者は追加費用無しでご利用いただけますので、ぜひダウンロードしてお試しください。
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LinuxでGUI表示機能も実行可能に。現場設備の選択肢が拡大
MERLIC 5はWindows環境で動作可能でしたが、今回のアップデートでGUI表示機能の「Frontend」がLinux環境に対応しました。画像処理アルゴリズムの構築やGUI作成はWindows PCで行いつつ、現場の検査PCとしてLinuxを選択いただくことができます。
Linuxに対応したことで、Raspberry PIのような小型・低コストのデバイスでコード読み取りや寸法計測アプリケーションを構築することも可能です。また、Jetsonシリーズなどを使用することで組み込みPCでディープラーニング検査システムを構築することも可能になりました。セキュリティやアップデートの管理でWindowsよりもLinux PCの使用を希望するユーザーにとってもMERLICが選択しやすくなっています。
通信機能「Communicator」が実行環境「RTE」に統合
これまでPLCや外部ソフトウェアとの入出力の設定には「Communicator」という内部ソフトが起動していました。今回のアップデートでこのComunicatorが現場実行時の内部ソフト「RTE」に統合されました。
これによりユーザビリティの向上やプログラムファイルの管理が簡素化されました。
通信設定時は、これまで同様にRTEセットアップの通信タブで設定できますので、使用方法等は変わらずメンテナンス性が向上しています。
ディープラーニング:画像分類の分布外検出(OOD)機能
ディープラーニングを用いた画像分類に分布外検出(Out of Distribution Detection = OOD検出)の機能が搭載されました。この機能はHALCON 24.11に搭載された機能で、MERLICにも今回新機能として搭載されました。
画像分類は、学習したデータセットに対しては精度高く判定が可能ですが、未学習の対象物に対しては対応が難しいという課題がありました。例えば、リンゴとレモンを学習したデータセットに対して、きのこを判定させると、学習したリンゴかレモンのどちらかに無理やり分類します。画像分類では「信頼度」という確からしさの度合いも出力できますが、今回のような未学習の対象物には有効に機能しないケースがありました。
今回搭載された分布外検出機能では、学習したデータセットと、どれくらい特徴量に差があるかを数値化することで、未知の対象物に対する検出を可能にします。想定していない対象物を判定する場合も、この機能を使用すれば誤った分類をしてしまうリスクを減らすことが可能です。
その他のアップデート
その他にもMELRIC5.7には次のアップデートが含まれています。
● Dorckerfilesに対応、サンプルを用意
● Creator内にメモ機能を搭載
● ディープラーニングを使用するレシピで起動時間が最大3倍高速化
MELRIC 5.7にも45日間無償トライアルが用意されています。MELRIC 5シリーズを初めてトライする方は下記よりディープラーニングを含めたフル機能をお試しいただけます。
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アップデートされたMELRIC5.7で、ぜひ現場への画像検査アプリケーションの適用を加速してください。
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