自動車製造業 塗装工程治具の測定自動化|Gocator導入事例
自動車製造の塗装工程における3DセンサーGocatorの導入事例をご紹介します。
C社は乗用車メーカーです。自動車の塗装工程では自動車ボディを車輪止めで固定します。車輪止めの固定用ピンの高さは、酸やアルカリによる腐食、高温焼成、機械的衝撃などの要因によって変化する可能性があります。ピンの高さが低すぎると、部分的に重力がかかり続け、車体の転倒やその他の重大な事故につながる恐れがあります。
Gocatorによる自動寸法計測を導入することで、固定用ピンの位置・高さ異常を事前に検知し、塗装工程の安全性が確保できるようになりました。
C社自動車塗装工程における位置決めの課題
C社では従来、塗装作業を一定期間稼働させる度に車輪止めを生産ラインから作業台に移動させ、手動で固定用ピンの測定を行っていました。
この方法では労働コストが高く、全体的な効率が低いため、100%の検査精度を確保したり、継続的に検査することが困難でした。車輪止めの位置決めは、自動車製造の他の工程にも影響するため高い信頼性が求められます。

Gocatorによる自動インライン検査工程の導入
この問題を解決するために、C社は1つの車輪止めに対して2台のGocator光切断プロファイルセンサーを導入しました。
固定用ピンの測定結果はPLCを介して既存の搬送設備に送信されます。
Gocator 2台 を組み合わせて大きな車輪止めを高精度に測定
車輪止めは2本の鉄骨梁を連結するように複数の鉄柱が接合され、その上に固定用ピンが取り付けられています。
2本の鉄梁の距離は1m近くありますが、固定用ピンの位置決めは0.1mm精度を確保する必要があります。
視野と精度の両方を確保するため、C社ではGocator2540 2台を各鉄骨梁に配置しました。
2台のセンサーはGocatorのバディシステム機能により同じ座標系に統合することで、離れた梁の上にある固定用ピンを0.1mm精度で計測することが可能となりました。

Gocator内蔵ツールの検査処理
取得した3Dデータに対してGocator内蔵の計測ツールで各種寸法計測を行います。
高さデータから固定用ピンを検出し、4つのピンの位置関係と高さを算出します。寸法ツールや特徴ツールを組み合わせることで、全ての測定項目をGocatorのセンサー本体内で算出することが可能になりました。

Gocator導入効果
スマート3DセンサーGocatorを導入することで手動で行っていた寸法計測が自動化され、塗装工程は時間とコストの両面で大幅に改善されました。
コントローラ機能内蔵のGocatorは他設備との干渉もなく、測定結果はセンサー本体から直接PLCに出力され、既存の搬送設備にシームレスに統合されます。
全てのインライン検査結果をデータベースに蓄積し、過去の測定結果からピンの摩耗状態の傾向を管理することで、予防保全にも活用可能となりました。
歩留まりの向上
メンテナンス性が向上
生産保全担当者のコメント
Gocatorを導入したことで塗装工程は大きく改善されました。高い計測精度と既設装置とのスムーズな統合により、作業効率が大幅に向上しました。
車輪止めは都度検査が行われることで、塗装工程の安全が確保され、製造設備の安定した運用が可能となりました。
