建材製造業インライン寸法測定|Gocator導入事例

建材製造業インライン検査における3DセンサーGocatorの導入事例をご紹介します。
B社は建材のメーカーです。同社が製造するALC建材は物流センターや高層ビルの外壁、仕切り壁、屋根および床など様々な建築部位で使用されています。
ALC建材の生産数は膨大ですが用途は多岐にわたり、施工先によって製品サイズが異なります。製品寸法が規格内に入っているか、B社ではこれまで人手で検査を行っていました。
Gocatorによる自動寸法計測を導入することで、インライン検査が可能となり、効率化を実現しました。

B社ALC建材製品の寸法測定における課題

B社で行っている寸法測定の項目は、厚み・幅・長さだけでなく、反りやザグリ穴の位置など多岐にわたります。
施工先によって製品サイズを変える必要があるため、1時間に数回設備のセット替えが行われます。従来は変更の都度、コンベックスによる手計測を行っていました。
また計測箇所も多いため、以下のような課題を抱えていました。

  • 1枚当たりの計測に60秒程かかるため、抜き取り検査を余儀なくされていた。
  • 不良が見つかった場合、以前良品と判断された個体までさかのぼって検査を行う必要があった。
  • 製品毎にサイズや形状が異なるため、人為的ミスが発生しやすい。

以上のことから、工数削減・品質安定の両面において、寸法測定の自動化による全数検査の実現が強く望まれていました。

Gocatorの自動寸法計測を導入したインライン検査

この問題を解決するために、B社は4台のGocator光切断プロファイルセンサーを導入しました。4台のGocatorを対象物の上下左右に囲むように配置し、全周計測を可能にしました。スキャンされた各面のデータは1つの全周データに統合され、幅や厚み、反りといった数値データが算出されます。

Gocator2490×2台、2440×2台の計4台で全周計測

製品の最大サイズは、幅610mm、厚み150mm、長さ2500mm、計測精度は±0.5mmが必要です。ラインの搬送速度は30m/分になりますが、これを0.5mm間隔で計測するためには、1秒間に1000回、つまり1kHzで計測する必要があります。

この仕様を満たすセンサーの選択肢は複数ありますが、オーバースペックにならない適切なセンサー機種の組合せから上下面はGocator2490で、左右面はGocator2440が選択されました。
Gocator2490で視野幅1mをスキャンする場合のX解像度は0.5mm、Gocator2440はX解像度0.1mmで細かい凹凸も捉えることができます。

複数センサーを合成するバディシステム

Gocatorには複数センサーの撮像データを1つに結合するバディシステムという機能が搭載されています。Gocator 4台分のデータを同じ座標系に合成することで、板の厚みや反りを3次元的に算出することが可能となります。
この場合、4台のセンサーの位置関係をキャリブレーションする必要がありますが、Gocatorではキャリブレーションターゲットを配置してアライメントボタンをクリックするだけで簡単に設定することが可能です。

Gocator内蔵計測ツール

取得した3Dデータに対してGocator内蔵の計測ツールで各種寸法計測を行います。
上下面の差分から厚みを算出し、辺のエッジを抽出して幅・長さなどの寸法を計測します。穴ツールでザグリ穴にマッチングさせ、ザグリ穴の中心位置や半径などを算出します。
得られた計測値はPCに格納され、検査画面に判定結果と併せて表示されます。

Gocator導入効果

スマート3DセンサーGocatorを導入することで手動で行っていた寸法計測が自動化され、ALC建材の生産が全体的に改善されました。測定検査結果は現場作業員がすぐ確認でき、全ての寸法測定値はPCに蓄積され、製品の品質向上に活用できるようになりました。

全数検査が可能となり
エンドユーザーからの
信頼性が向上
都度不良を検出することが
でき歩留まりの向上
人的ミスがなくなることで
完成品の品質向上
施工先切替えにかかる
工数の削減

生産技術担当者のコメント

Gocatorシリーズの広いラインナップから予算内で必要な性能を満たす最適な機種を選ぶことができました。
悲願であった全数自動検査が可能となり品質向上・工数削減の効果が得られています。

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