HALCON Progress Editionは、半年ごとに新しい画像処理機能が追加される、進化を続けるソフトウェアパッケージです。11月12日にリリースされた最新版の25.11では、少ない画像枚数でも追加学習が可能な継続学習機能や、ルールベース画像処理で最も重要な形状ベースマッチング機能の性能向上など、実用性の高い新機能が搭載されています。本号では、この25.11の新機能について紹介します。

HALCONの全方位進化については、11月20日(木)に虎ノ門ヒルズで開催される【LINX DAYS 2025】でさらに詳しく紹介します。皆様のご参加をお待ちしております。
ディープラーニング新機能:継続学習
HALCONのディープラーニング機能の一つ、クラス分類機能は、多くのお客様にご利用いただいている実用性の高い機能です。今回、このクラス分類の拡張機能として、継続学習機能が追加されました。こちらを用いることで、①少ない枚数の画像で学習ができ、②後から新しい画像だけで追加学習できたり、③後から新しいクラスを追加したりすることができます。
少ない枚数で継続的に学習できることから、処理能力がそれほど高くない現場のPCやスマートカメラなどで、状況の変化に応じた学習を随時行うことが可能になります。

また、継続学習以外にも、Deep OCRの大幅な性能向上、Deep 3D Matchingの高速化、NVIDIA Blackwellアーキテクチャで構成された最新GPUやIntel NPUへの対応など、ディープラーニングに関する多くの改良がHALCON 25.11には施されています。
形状ベースマッチングの進化:スコア可視化
HALCONの形状ベースマッチング機能は、ルールベース画像処理の中でも最も重要な機能の一つです。この形状ベースマッチングの使い勝手をさらに向上させるべく、HALCON 25.11では、スコア可視化機能が搭載されました。これにより、モデルのエッジのうち、スコアカウントに使用されたエッジ、そうでないエッジを確認できるようになり、モデルの品質向上に向けたフィードバックを得ることができます。

また、歪んだ表面に印刷されたQRコード読取性能の向上、印刷品質検査の標準規格更新への対応など、業界で求められる実用的なルールベース画像処理機能が搭載されます。
バックエンドの強化:ますます安心して使っていただけるソフトウェアに
HALCON 25.11では、NVIDIA Toolkitの最新版に対応しました。これにより、Blackwellアーキテクチャ(RTX 50シリーズなど)のパフォーマンスを最大限発揮できます。また、Intel OpenVINOの最新版にも対応し、最近のパソコンに多く搭載されているNPU、Intel Core UltraでAI処理の更なる高速化を実現できます。
また、MVTecは、HALCON 25.11から、自身を構成するソフトウェアの部品表(SBOM)を提供します。これは、近く法的義務となるサイバーセキュリティ要件を満たすための重要な構成要素です。HALCONを利用するお客様は、画像処理機能に関するSBOM作成、脆弱性の監視、修正と更新対応をMVTecに任せることが可能となります。

HDevelopEVO:高い完成度を確認できるプレビュー版を搭載
HALCON 25.11には、新しい開発環境HDevelopEVOの最新プレビュー版が搭載されます。従来のHDevelopのスクリプト(hdevファイル)をEVOで読み込めるようにするScript Converterや、HALCONスクリプトをアプリケーションから直接実行できるScript Engineなど、様々な機能が導入されています。
また、ChatGPTをはじめとするLLMと連携して、インタラクティブなチャット、自動コード補完、サンプルプログラム自動作成などを行うAIエージェント機能が提供されます。

HALCON Progress Edition導入をご検討されている方へ
このように進化を続けるHALCON Progress Edition、こちらを評価してみたいというお客様向けに、1か月無償でご利用いただけるHALCON Trial Kitをご用意しております。皆様がお抱えの画像処理の課題を新技術で解決するために、是非ご活用ください。
体験キット HALCON Trial Kit
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また、11月20日(木)に開催される【LINX DAYS 2025】では、HALCON Progress最新バージョンについて詳しく解説します。最新技術と、その具体的な活用方法について幅広く知れるイベントとなっておりますので、是非ご参加をご検討ください。











