3DセンサーGocatorは3Dスキャン、計測/検査、コントロール機能を内蔵したスマートセンサーです。その中でも光切断方式(レーザー変位計)のGocator2000シリーズには複数センサーのデータを合成できる「バディシステム」機能が搭載されています。
近年このバディシステムを活用した導入が増えています。センサー1台では1つの面の凹凸しか撮像できないため用途が限られますが、複数台を組み合わせることで360度3Dスキャンも可能になります。人手では全周検査が可能でも、自動化となると一部の検査に限定されるケースが多々ありました。
本号では3DセンサーGocatorを複数台を組み合わせることで、難易度の高い計測や検査の自動化に成功した導入事例とバディシステムのポイントについてご紹介します。
Gocator バディシステムとは
バディシステムは複数のGocator2000シリーズのデータを結合する機能です。
解像度を維持しつつ視野を広げる用途の他、複数センサーで異なる角度から撮像し、360度スキャンを可能にしたり、進行方向の死角をカバーする用途など様々な問題を解決し、その利用用途を広げることが可能です。
バディシステムの種類
バディシステムは組み合わせるセンサーの位置関係から大きく4つの使い方があります。
ワイドレイアウト センサーを複数並べて配置することで広い視野を高精度に計測することができます。センサーをハの字に角度をつけて配置すると対象物の側面を撮影することもできます。 ![]() ![]() | リングレイアウト 3台もしくは4台のセンサーを中心に向くように配置することで、円柱側面1周分の断面データを取得することができます。 ![]() ![]() |
対面レイアウト 2台のセンサーを向かい合わせに配置し、対象物の上下面を撮影します。凹凸の激しい対象物でも正確に「厚さ」を計測できます。 ![]() ![]() | リバースレイアウト 光切断法はレーザー光の反射を斜め上からカメラで捉えるため、突起物の影となる箇所は死角となって映りません。2台のセンサーを向かい合わせに配置することで死角をカバーしデータ抜けを軽減します。 ![]() ![]() |
Gocator だけのワンクリックアライメント機能
光切断法(レーザー変位計)自体は昔からある計測手法で国内外に複数のメーカーがあります。しかし、3台以上のセンサーをワンクリックで位置合わせできるのはGocatorのみです。また複数センサーを合成した時の気になる点もきちんとサポートされています。
ターゲットを見せてワンクリック Gocatorのアライメント手順はセンサー台数が増えても同じです。寸法が既知であるキャリブレーションターゲットを各センサーが見えるように配置し、アライメントボタンをクリックするだけでセンサー同士の位置関係が算出されます。 | ![]() ![]() |
最大24台のセンサーを同期接続 電源ハブMaster810(最大8台接続)やMaster2410(最大24台接続)を使用することで、エンコーダーや外部トリガーの同期をとることができ、シンプルな構成で制御できます。 | ![]() |
他レーザーの干渉も心配なし
デバイスマルチ露光機能を使用することでレーザーラインが重なり合うセンサーのスキャンタイミングをμs単位でずらすことができ、他センサーの干渉を気にせずスキャンできます。
Gocator バディシステムを活用した導入事例
複数センサーを組み合わせたからこそできた計測/検査自動化のGocator導入事例を紹介します。上から撮るだけでは難しい課題も3Dセンサーを複数組み合わせることで解決できました。
自動車塗装工程における車輪止めの位置決め
自動車メーカー様で塗装工程における車体固定用ピンの測定にGocatorを導入しました。
車輪止めに取り付けられた4か所のピンの位置・高さを0.1mm精度で計測します。4つの固定用ピンは距離が離れているため精度の高いGocator2540を2台ワイドレイアウトに配置し、統合された座標系でピンの位置を算出しました。
詳細は導入事例紹介ページをご覧ください。
建材パネルのインライン寸法測定
建材メーカー様で建材パネルの寸法測定にGocatorを導入しました。
4台のGocatorを建材パネルの上下左右にリングレイアウトで配置し、パネルの全周をスキャンします。4つのセンサーの座標系を統合することで、厚みやたわみなど3次元的な寸法の自動測定が可能になりました。
詳細は導入事例紹介ページをご覧ください。
他業界も Gocator アプリケーション集で紹介しています!
他にも様々な業界・用途でGocatorのバディシステムが活躍しています。食品、鉄鋼、物流業界など全8種類の業界別アプリケーション集を用意しています。
3Dセンサー Gocator 業界別アプリケーション集はこちら |
例1 加工食品業界:食肉の自動スライス
食肉の体積や断面積を事前に計測し、同じ体積になるように厚さを調整しながら自動スライスします。
3Dセンサー×3台で囲むように配置することで食肉全体の形状が計測可能です。
例2 鉄鋼業界:鉄鋼スラブの幅計測
撮像距離1.5mを確保できるGocator2670×2台で両サイドから挟みこむようにスキャンし、高温の熱間材の形状をリアルタイムに測定します。
3Dマシンビジョン ならリンクスへ
3Dマシンビジョンサイトでは生産ラインの検査自動化における課題を3Dマシンビジョンで解決する「3次元インライン検査」の最新情報を紹介しています。
自動車製造業界、半導体業界、食品製造業界など3Dセンサーの業界別適用事例もご覧いただけます。
サンプルワークをお借りしての計測評価やデモ機のお貸出しも随時承っております。
計測評価では、計測精度・視野・速度・コストの観点からどの計測手法・機種が最適かを実際に計測してご提案します。Gocatorはデモ機のお貸出しにも対応しています。
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