この度、iRAYPLEから超ハイエンド市場向けに、Gpixelセンサを搭載した152MPグローバルシャッターのカメラが新たにリリースされます。
本号では、Gpixelがすでに変化を起こしているローエンド、ハイエンド市場のトレンドを振り返りながら、今後、超ハイエンド市場でも起こるトレンドについて解説します。また、新製品が既存製品と比較し、性能面、コスト面でどのような優位性があるのか紹介いたします。
全方位で価格破壊を起こすGpixelセンサ
産業用カメラは価格や用途に応じて大きくローエンド、ハイエンド、超ハイエンド市場の3つのカテゴリーに分類することができます。
まず過去のLINXExpressでも取り上げさせていただいた、ローエンド、ハイエンド市場のトレンドについて振り返り、超ハイエンド市場のトレンド予測について解説します。
産業用カメラ市場のカテゴリー
ローエンド・ハイエンド市場の振り返り
ローエンド市場では、LINX EXPRESS Vol.495 でお伝えした通り、iRAYPLEがGpixel2.4MPグローバルシャッターの『GMAX4002』を搭載したカメラを衝撃的な低価格帯でリリースしました。これにより、低解像度のローリングシャッターカメラを使用しているユーザーは、性能向上とコストダウンを実現できるためローリングシャッターカメラの採用意義が薄れています。また、グローバルシャッターカメラを使用しているユーザーは、性能を維持しつつ大幅なコストダウンが可能になり、ローエンド市場でのGpixelセンサー搭載カメラの普及が拡がっていくことが予想されます。
ハイエンド市場では、約10年前にリリースされた12MPのCMOSIS CMV12000のセンサを搭載したカメラや、25MPのOnsemi VITA25kのセンサを搭載したカメラが長い間広く普及していました。
しかし、Gpixelは、このハイエンド市場にも26MPの『GMAX0505』や65MPの『GMAX3265』といったコストパフォーマンスに非常に優れた新たなセンサを投入したことにより、Onsemi VITA25kを搭載したカメラとGpixel 『GMAX0505』を搭載したカメラを比較すると約50%ものコストダウンがなされています。
下図の通り、26MP『GMAX0505』は12MP CMV12000と同価格帯で入手可能で、65MP『GMAX3265』は25MP VITA25kと同価格帯で入手可能です。この強力なコストダウンを背景に、10年間市場で使われ続けたハイエンドカメラのデファクトスタンダードがすでに置き換わりつつあります。
ハイエンドカメラ市場の標準はGpixelへ移行済み
Gpixelが同等性能以上のセンサーを低コストでリリースし、ハイエンドの標準を塗り替えた
超ハイエンド市場のトレンド予測
超ハイエンド市場でも、今後ローエンド市場と同様のトレンドが起ころうとしています。
これまでは、産業用向けのセンサで最高クラスの画素数を誇る151MPローリングシャッターのSony IMX411が、超ハイエンド市場の中で価格が手頃なため、FPDやウエハ、自動車部品などの超高精度な検査用途で重宝されていました。
しかし、iRAYPLEが152MPグローバルシャッターの『GMAX32152』を搭載したカメラを、Sony IMX411を搭載したカメラの価格を下回る価格でリリースしたことで、コスト重視で仕方なくローリングシャッターを採用する必要はなくなり、カメラユーザーにとっては選択肢が拡がっていくと予測されます。
超ハイエンド向け新製品の優位性
今回リリースするGpixel『GMAX32152』を搭載したカメラは、IMX411搭載カメラと比較し、動体撮像が可能なグローバルシャッターなため、検査ラインと止める必要がなくなったことに加え、フレームレートも約3倍向上したことから、検査ラインの更なる高速化が実現できます。また、性能面だけでなくコスト面でも優位性があり、IMX411搭載カメラと比較し10%のコストダウンを実現しています。
新製品ラインナップ一覧
今回新たにラインナップに加わる製品は、下記の計4機種です。
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