「サブミクロン高さ計測をインラインで」heliInspect 進化の歴史
本号リリース日である2023/12/13からちょうど10年前、2013/12/13のLINX Express Vol.191はheliInspectシリーズの取り扱い開始を取り上げたものでした。それから10年が経過した今まさに、heliInspect に対するニーズは大きな盛り上がりを見せています。
「白色干渉のサブミクロン高さ計測をインラインで」をキャッチコピーに登場したこのユニークな製品はリリース当時も大きな反響を集め、従来不可能とされてきた様々なアプリケーションを実現しましたが、センサーの解像度などの技術的なネックがあり、適用できるアプリケーションの範囲は限られていました。そこから10年が経過した現在では、heliInspectの技術も飛躍的に進化し、高精度計測の領域において群を抜く性能/ラインナップを有しています。
本号では改めてheliInspectの魅力をお伝えするとともに、最新モデルとなる「heliInspect H8M」を詳しく紹介します。過去heliInspectシリーズを検討されたことのある方は、その性能向上・適用範囲に驚かれることと思います。本号をご一読いただき、この機会にぜひ再度検討ください。
![]() | heliInspect 最新情報 アプリケーション事例 ダウンロード |
白色干渉計の常識を覆した『heliInspect』の魅力
heliInspect は白色干渉計を原理とした3次元センサーです(白色干渉計の計測原理はこちら)。白色干渉は、少しずつ対象物とセンサーの距離を変えながら撮像(Z軸走査)しつつ、最もピントが合う位置を画素ごとに求める合焦点法に似た手法です。通常の撮像画像を用いる合焦点とは異なり、白色干渉では特殊な光学系を用いて干渉縞(数100nmの高さ変位ごとに現れる等高線のようなもの)を観測することで、ナノオーダーでピントの合う高さを求めることが可能です。しかしながらナノオーダーでピントの合う位置を見つけるために、Z位置を数10nm変える毎に撮像する必要があります。そのため、たった1㎜程度の高低差を計測するのにも10000枚以上の画像を撮像しなければならず、計測には数10秒を要していました。
heliInspectの製造開発元であるheliotis社は、①1秒間に100万回シャッターを切ることを可能とし、②センサーの各素子上で白色干渉法に必要なピーク算出の演算を実施する、という2つを同時に実現したCMOSセンサーを開発することでこれらのボトルネックを取り払い、白色干渉を100倍以上高速化することに成功しています。今から10年前にこの技術を形にしたのがheliInspectですが、10年経った現在においても市場において圧倒的な速度性能であり続けています。
最新モデル「H8M/H9M」シリーズ
heliInspectは世代を追うごとに、その解像度/視野/精度を向上させてきました。下記の表は最初のシリーズとなった「H3」から最新の「H8M/H9M」シリーズまでの主要な仕様を並べて比較しています。
heliInspectの最大のボトルネックになっていたのがセンサーの解像度不足からくる視野の狭さでした。下図は各シリーズにおけるモデルを視野/分解能ごとにプロットしたものです。リリース当時281×293ピクセルだった解像度は、世代を追うごとに281×293 → 512×542 → 1024×1102ピクセルと高解像度化を遂げており、1回の測定で取得できるデータ点数は10年前と比較して14倍までに増加しました。また、広い視野の光学系にも対応することで、最大視野は3×3mmから25×25mm角まで拡張されており、最新モデルでは10年前のモデルの80回分の視野を1回で撮像することが可能です。また、ラインナップも現在では視野/解像度別に13機種を揃えており、豊富な選択肢から適切なモデルを選ぶことができます。
精度に関しても光学系/駆動系の改良により劇的に向上しています。下記はVLSIスタンダード社製の標準段差片(150µm段差)を25回繰り返し計測した結果をプロットした表です。25回測定の平均値と真値との差はわずか5nm、25回の標準偏差も19nmに収まっており、正確性/精度ともにインライン全数検査で可能と思われている計測精度の域を超えています。
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* 25回の静的繰り返し測定の平均/分散/分散 |
下記は同じくVLSIスタンダード社製の200nmの標準段差片をH8で測定したデータです。わずか200nmの段差を明確に捉えていることが視覚的に確認できます。
この精度と速度をもって、例えば従来レーザー顕微鏡のような測定機でしか計測できない面粗さも、インライン/オフライン問わず実現することが可能です。
heliInspect の用途
全数検査
対象物が視野に収まってさえしまえば、heliInspectは市場において最速かつ最高精度のセンサーであり、インラインでの全数検査用途でも多くの実績があります。
レビュー検査
視野に収まらないようなある程度サイズのある対象物の全数検査においても、前段の2D検査で欠陥と疑わしい箇所さえ特定できてしまえば、後段で欠陥候補箇所のみをheliInspectが高速かつ高精度に測定し、真に欠陥か否かを定量的に判定します。
抜き取り検査の自動化
抜き取りでレーザー顕微鏡を用いて手間と時間をかけて計測するようなケースにおいては、heliInspectでの自動化が有効です。一般的なレーザー顕微鏡を導入する場合と比較して、同等以上の測定精度でありながら、コストと速度の両面において比べるまでもなく有利です。
展示会デモ機の様子
12月6日~8日に開催された国際画像機器展で最新のheliInspect H8を出展しました。
そのデモ機の様子を動画でご紹介します。6mm角の視野で高精細な3次元形状を高速にスキャンしています。
高さレンジ0.6mmをワンショット約0.33秒で撮像可能です。
3Dマシンビジョン ならリンクスへ
3Dマシンビジョンサイトでは本号のような、生産ラインの検査自動化における課題を3Dマシンビジョンで解決する「3次元インライン検査」の最新情報を紹介しています。
自動車製造業界、食品製造業界、半導体業界など3Dセンサーの業界別適用事例もご覧いただけます。
サンプルワークをお借りしての計測評価やデモ機のお貸出しも随時承っております。
計測評価では、計測精度・視野・速度・コストの観点からどの計測手法・機種が最適かを実際に計測してご提案します。Gocatorはデモ機のお貸出しにも対応しています。
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