2023年6月2日(金)に開催した『LINX DAYS 2023』には、あいにくの雨となりましたが、多くの方にご来場いただき大盛況のうちに終了することができました。
エンベデットシステムソリューションのセッションでは、事業の紹介から開発事例の紹介、実際のお客様によるご講演、プロセッサメーカ様による招待講演と盛りだくさんの内容でお届けすることができ、ご参加いただいた方からは大変満足とのご評価をいただきました。
今回はそのLINX DAYSのセッションでご紹介した、カスタムカメラシステム開発事例について紹介します。
エンベデッドシステム事例 ⑤
■実現したこと:MIPIと独自I/Fのハイブリッドによる超ハイエンドカメラの取り込み
◎新システムにおけるカメラに対する要求仕様
- 10Mピクセル以上(従来システムでは数Mピクセル)
- 高いフレームレート(従来システムに比べ大幅に)
MIPIの転送速度の限界
新しく開発するシステムでは、超ハイエンドカメラの搭載が必須でした。
専属チームでそれぞれ検討を行い、要求仕様を満たすカメラセンサーを選定でき、光学構造設計も問題なし。しかしながら、超ハイエンドカメラであるために、MIPIの転送速度の限界を超えてしまっていることがわかりました。
量産コストの超過
最初の構想では、SoCのPCIeを活用した、フレームグラバーを開発することを検討しました。リンクスではフレームグラバーの設計・開発を行うこともできますのでこの点は問題なし、また、画像取り込みのI/FをMIPIからPCIeに変更することで転送速度の問題もクリアできました。
しかしながら、量産コストとしてフレームグラバー分の追加コストが必要となるため、お客様の求める量産コストを超過してしまうことがわかりました。
リンクスのエンベデッドシステムソリューション
■MIPIx2取り込み
- FPGA処理によりカメラ信号を2つに分割
- MIPIの2つのポートで受信
- キャリアボード側で1つの画像に結合
そこで、リンクスの独自I/Fの導入を構想しました。
まず、カメラからの信号をFPGAにより2つのMIPI信号に分割します。
次にその2つのMIPI信号を、SoCに標準搭載されているMIPIポートでそれぞれ受信します。
最後に、キャリアボード側で1つの画像に結合させて完了です。
この独自I/Fの導入によって、標準規格(MIPI)を最大限に活かすことができます。
リンクスの構想した特殊取り込みによりカメラの最高性能を引き出し かつ コストダウンを実現することができます。
カスタムカメラとカスタムSoCキャリアボードの組み合わせにより、お客様の要求仕様を完全に満たすことができました。
エンベデッドシステムのことならリンクスへ
今回紹介したエンベデッドシステム事例では、画像を2分割してMIPI CSI-2 x 2chで伝送する独自I/Fの導入によって、ローコストで高画素/高速センサーの取り込みを実現できることを紹介しました。このような構想ができ実現できるのは、リンクスが、カメラモジュールを作れること(カメラセンサー直結し信号処理ができる)、そしてキャリアボードを作れること、この2つができるからこそ実現できたソリューションです。カメラ専業メーカーには実現できず、キャリアボードなどの組み込み受託専業メーカーにも実現できません。
我々リンクスは、マシンビジョンに関する豊富なノウハウと、鍛え抜かれた組込機器開発技術を融合し、これからの時代に最適なエンベデッドシステムソリューションを提供します。
エンベデッドシステムについては、リンクスにご相談ください。
ご意見・ご感想募集
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