新年明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、厚くお礼申し上げます。
昨年リンクスは「世界の天才たちの夢を、ビジネスに。」というミッションを掲げ、コーポレートアイデンティティを一新し新たなスタートを切りました。
「工場から人を消す」、つまり究極の生産効率を皆さまにお届けするため、テクノロジープロバイダとしてこれからも製品、サービスを提供していきます。
新たな年のスタートにあたり今号では、現状の日本の製造業が抱える課題とリンクスが提供するソリューションについて、改めてご紹介させていただきます。
理想工場を実現するための現実解
あらゆるものが高度にオートメーション化され、人々はより付加価値の高いクリエイティブな仕事をする、そんな理想工場を実現するためには、日本独自の進化をしながら欧米の良さも取り入れていく必要があります。
しかしながら生産現場を一気に全て変える事は簡単なことではなく、まず今変えていかなければいけないことが沢山あるとリンクスは考えます。そんな理想工場化を進めるため「画像処理」「エンベデッドビジョン」「ロボット」「IIoT」といった4分野に分けてリンクスが提供する「現実解」をご紹介します。
画像処理
HALCONにディープラーニングの機能が搭載され4年が経ち、製造業マシンビジョンへの導入に対して様々な課題が見えてきました。
例えば、不良品画像の入手が困難でトレーニングがうまくいかない、判定根拠がブラックボックス化されていると困る、といった課題があります。これらに対し、HALCONは良品のみでのトレーニングを可能にするアノマリー検出や、ヒートマップによる判定根拠の可視化をするといった機能を搭載し、多くのお客様にディープラーニングをマシンビジョンに適用できるよう環境を整えてきました。
更に、HALCONを開発するMVTec社ではディープラーニングを活用できるよう様々な基礎研究を積極的に行っています。これからの続報にもご期待ください。
また、Baslerも続々と最新センサーをカメラに搭載し、全領域に最適なカメララインナップを拡充しています。カメラの他レンズ、ケーブル、照明といったアクセサリも網羅し、あらゆる方にベストなコストパフォーマンスを提供します。
エンベデッドビジョン
過去にGigEやUSB3といった民生技術がマシンビジョン業界に持ち込まれたように、今度はスマートフォンやテレビなどで使用されていたSoCが持ち込まれ、エンベデッドビジョンの世界が始まろうとしています。
GigE Visionの登場でアナログカメラがデジタルカメラに一気に置き換わったように、このSoCの登場により今マシンビジョン業界の中では確実な変化が起き始めています。
PCが組み込みボードになることで、従来システムよりコストが下がり、システムも小さくなります。そうなると今までよりもカメラを増やす事ができ、見たくても見られなかった、見られると思っていなかったところが見えるようになり、装置の価値を高める事が出来ます。
リンクスは、ここにエンベデッドビジョンの真の価値があると考えます。
エンベデッドビジョンに関してはリンクスがメーカーとして、経験、知見を積んできました。
それにより、フルカスタムではなくセミカスタムでもお客様に必要なものをご提供できるようにもなってきました。エンベデッドビジョンにトライをしたい方はぜひリンクスへご相談ください。
ロボット
無軌道AGVや協働ロボットの登場により、ロボットの世界でもオートメーションのレベルが上がってきました。しかしながら、これらは柔軟に使える半面、産業用途に適用するためには制御の複雑さや速度、堅牢性といった面で様々な課題が残っています。
そこで、Navitec社のAGVナビゲーションソフトウェアを提供し、無軌道AGVを使うことで複雑化していくAGVの動きに対応することができるようにしました。また、Synapticon社のサーボドライブ技術を提供することでより協働ロボットをより高速、堅牢に産業用途に求められるレベルで使用できるよう環境を準備しました。
IIoT
工場制御の世界において、日本ではラダー言語が深く根付いておりラダー一辺倒になっていますが、もはや職人芸の域に達しており、エンジニアの減少が進む中で限界を迎える日が近づいています。そして世の中はハードウェア指向からソフトウェア指向に移行しており、欧州では汎用PLCから産業用PC(IPC)ベースのシステムへの移行が今まさに旬を迎えています。
このように国際標準言語への対応が求められる中で、国内でもソフトウェアPLC CODESYSの導入事例が増えて来ています。
国内メーカーの方々にはぜひ今後を見据えて工場制御をIPCとソフトウェアPLCに集約し、ソフトウェアドリブンなシステム設計にアップデートしていくことをご検討いただければと考えています。
またもう少し上の階層設計において、日本はSCADAが浸透しなかった非常に珍しい国です。
SCADAを使わずPLCやHMIに溜めている方もいますが、オートメーションが進みデータが膨大になっていく中でもっと多くのデータを溜めようと思ったらSCADAに溜めるのが一番適しています。
そこでIIoT Software Platform zenonといったツールを使い、縦方向をデジタルに繋ぎ、データを活用できる環境を整えることが大事だと我々は考えています。
また、ここまでは設備情報に特化した話でしたが、IIoTを実現するためには位置情報や製造物情報の管理も必要になります。
そこで昨年KINEXON社のReal Time Location System(RTLS)の提供を開始しました。すでに大手自動車メーカーのBMWでは2500個所を超える工場で導入されており、ツールコントロール、工程監視、ヤードマネジメントといった分野で成果を上げています。
またAlitheon社のFeature Print Systemにより、データコードが付与できない物を画像データで認識しトレーサビリティもできるようになりました。
これにより設備データだけでなく、作った物や位置情報を関連づけさせることで工場内のオートメーションのレベルをさらに上げていく事が出来ます。
理想工場を実現するために必要なこと
ここまでお伝えした通り、理想工場を実現していくためには、理想工場を見据えそれに合わせた階層設計、ソフト・機器選定が重要になっていきます。
オートメーションの更なるレベル向上は既存技術の延長では実現しなく、新たなシステムを積極的に取り入れていく必要があります。その中で、上手く汎用ツールを使いこなしていただき、皆さまにはぜひ差別化できるポイントに注力していただきたいと考えています。
リンクスは理想工場を実現するために、伴走型技術支援を皆様にご提供していきます。
お困りごとがあればぜひリンクスにご相談ください。