
Teledyne DALSAのTDIカメラの中でもトップハイエンドシリーズであるLinea HS2に、128段 × 3アレイのセンサーを搭載し、最大384段の加算が可能なモデルが追加になります。市場にあるTDIカメラの中で、最も多いTDIステージを搭載した本カメラの特長とLinea HS / HS2のラインナップの広がりをご紹介します。
TDIカメラの高感度化への取り組みの変遷

BSIによる量子効率の向上での高感度化
Teledyne DALSAではTDIカメラの高感度化の一手としてBSI(Back Side Illumination)構造のTDIセンサーを自社開発し、2023年に市場で最も早くカメラとして提供を開始しました。
BSIに進化することで、従来と比較して量子効率が格段に向上し、より明るい画像が取得可能になっています。特に、TDIが必要となるような高分解能な検査において高倍率なレンズと組み合わせて使用する場合は、解像力を出すために短波長の照明を使用するケースが多いと思いますが、DALSAのBSIセンサーは短波長側でも十分な量子効率を維持できるように設計されており、明るさと解像力を両立したビジョンシステムの設計を可能にします。

TDIの段数増加での高感度化
Teledyne DALSAによるTDIカメラの高感度化の次なる一手はTDI段数の増加です。Linea HSシリーズでは、128段と64段の段数の異なる2つのTDIセンサーアレイを搭載することによって様々な機能を実現してきました(LINX Express 463号、LINX Express 466号)。
今回リリースになるLinea HS2の各モデルでは、上図に示すように128段のTDIセンサーアレイを最大3つ搭載し、それぞれのアレイ間での電荷の積算を可能にすることで最大384段のTDIとして動作可能です。
BSI化により、従来のカメラと比較して上述のように大きく感度向上を実現しましたが、TDI段数が3倍になることによってさらなる感度向上を実現しています。以下の画像は、同じ対象物を同じ撮像条件で撮像した際のTDI段数の違いによる明るさを比較した2枚の画像です。TDI段数の増加による効果を一目で理解いただけると思います。

また、Linea HS2に搭載しているセンサーは高い飽和容量(FWC:Full Well Capacity)を有していることも特長です。他社TDIセンサーの飽和容量が約15-16ke-ほどであるのに対し、Linea HS2は約2倍の30ke-となっています。飽和容量を大きくすることの狙いには、微細な輝度差を検出しやすくする、というものがあります。
以下2枚の画像は、Linea HS2と他社TDIセンサーの明るい環境での撮像結果の比較です。画像を比較すると他社TDIセンサーに比べて、Linea HS2の方がノイズ、ざらつきが少ないことがわかります。標準偏差で比較すると、Linea HS2が1.39、他社TDIセンサーが2.03で40%以上の差があります。

例えば、半導体ウエハやフォトマスク、アドバンスドパッケージ用の基板などで小さな欠陥の検査を行うようなケースでは、金属配線部や光をよく反射する材料などの部分は画像の輝度値が明るくなりますが、微細な欠陥は僅かな輝度差でしか現れません。飽和容量が小さいと、この微細な欠陥の僅かな輝度差が光ショットノイズの影響で埋もれてしまう可能性があります。一方で飽和容量が30ke-もあれば、明るい部分でより高いSN比を維持できるため、欠陥の僅かな輝度差が検出可能になるというのがLinea HS2の狙いです。
Linea HS2のラインナップの拡充
上記では16kを軸として3アレイモデル、2アレイモデルのご紹介をしました。Linea HS2は16kからリリースをしてきましたが、8kモデルもラインナップに加わります。8kでは、128段のTDIセンサーアレイを1つ搭載し1MHzを実現するモデルと、2つ搭載したモデルをラインアップします。
解像度、TDIセンサーアレイの数別にLinea HS / HS2のラインナップをまとめると下図のようになります。Linea HS2では、速度面だけでなく感度面でも性能向上を果たしたことで、速度と感度のトレードオフになってしまっていたような場面においても、速度を犠牲にすることなく明るい画像を取得することを可能にしました。

Linea HS2のラインナップ
今号でご紹介したカメラの正式リリースは近日を予定しています。LINXではまだリリース前ですが、Linea HS2各モデルのデモ機のご用意がございますので、ご興味をもっていただいた方はお気軽に下記フォームよりお問い合わせください。
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