リンクスでは計測原理やスキャン方式ごとに様々な3次元センサーを取り扱っています。下図は横軸にZ精度、縦軸に計測範囲を取って原理別に各製品をマッピングしたものですが、種類も多いため、どのセンサーがどういった用途に最適なのか、パッと見ただけではわかりにくいかもしれません。そこで本稿では代表的な3次元センサーの用途と紐づけて各センサーの特長を紹介します。
用途別!リンクス取り扱い3次元センサーの位置づけ
“寸法計測” は Gocator 2000/3000
部品/製品の寸法が規定サイズに収まっていることを保証するために、マイクロゲージ/ノギス/検査治具などを用いた手作業による測定が行われてきましたが、これらは3次元センサーでの自動化が急激に進んでいる領域です。省人化はもちろん、個人差や測定条件による誤差の低減、近年ではトレーサビリティ/DX化の観点で自動化を進める動きが加速しています。
寸法計測は最も3次元センサーの導入が進んでいる用途であり、必要な精度/速度を満たす選択肢が市場に既にあります。必要な精度/速度を満たした上で、センサーの選択にはさらに下記の要素が重要視される傾向にあります。
- 安価であること
- 容易に扱えること
- 簡易なシステム構成であること
この用途で最も用いられているセンサーがGocator 2000/3000シリーズです。Gocatorはセンサー単体でスキャンからOK/NG判定、外部機器との通信までを実現する3次元“スマート”センサーであり、PCやコントローラも不要なため圧倒的に低コストかつシンプルなシステムを構築することが可能です。計測ソフトウェアツールも付属しており、プログラムレスで誰でも簡単にOK/NG判定ロジックを構築することが可能です。
“外観検査” は 3DPIXA
外観検査は画像処理の永遠の課題です。画像検査装置を導入したものの、過検出/未検出が発生し、結局目視検査から脱却できなかった、といったことはよくある話です。そこで、過検出/未検出を防ぐ手立てとして、従来の2D検査に加えて、2Dでは検出できないフクレや緩やかな凹みといった欠陥を高精度に検出することを目的として3次元センサーの導入が進んでいます。
ここで求められる要素は下記のようなものが挙げられます。
- 目視検査レベルの欠陥をとらえられる高分解能(10µm以下)
- かつ検査に必要な現実的な視野を確保できること(100mm以上)
- 3Dだけでなく質の高い2D情報も取得できること
この用途で高い費用対効果を発揮するのが3DPIXAです。3DPIXAは2Dカラー情報と3D情報を同時に取得できるラインスキャン方式のセンサーです。高解像度のラインセンサ(15k)を搭載しており、10µm以下の高分解能のモデルでも100mm以上の視野幅を確保することが可能です。カラー情報も同時に取得できることで、凹みやフクレ、キズ、変色といったあらゆる欠陥情報を1台で可視化することが可能です。
“レビュー検査” は HeliInspect
画像検査でNGと判断されたものが本当にNGなのかを詳細に確認したり、抜き取りで時間をかけて超微細な計測/検査を実施したりするときに顕微鏡や接触式測定器での測定が実施されています。人手と時間のかかるこれらの測定を自動化し、あわよくば全数検査に落とし込みたいという要望があります。
この用途に必要とされる要素としては下記が挙げられます。
- サブミクロンのZ精度
- サブミクロンのXY分解能
- 顕微鏡/接触式に比べての圧倒的な高速性
この用途に最適なセンサーが HeliInspect です。HeliInspectは非接触方式で最も精度の高い計測原理である白色干渉法を用いた3次元エリアセンサーです。通常白色干渉方式は1視野あたり数10秒の計測時間を要しますが、特別なCMOSセンサ技術によりワンショットあたり数100msでナノオーダーの計測を実現しています。1メガピクセルの高解像度センサーが搭載されており、最大で25㎜角までの範囲を一回で計測することが可能です。これにより顕微鏡や接触式と同等レベルの測定をインラインで実現することが可能です。
3Dマシンビジョン ならリンクスへ
本号のような、生産ラインの検査自動化における課題を3Dマシンビジョンで解決する「3次元インライン検査」の情報を皆様に広くお伝えするため、この度「3Dマシンビジョン・ソリューション」のWEBサイトを開設しました。合わせて下記をご覧ください。
サンプルワークをお借りしての計測評価やデモ機のお貸出しも随時承っております。
計測評価では、計測精度・視野・速度・コストの観点からどの計測手法・機種が最適かを実際に計測してご提案します。Gocatorはデモ機のお貸出しにも対応しています。
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