特許技術搭載の共焦点ラインセンサー
世界中でご活用されている3次元センサーGocatorシリーズを販売しているLMI Technologies社から、新たな方式の3次元センサー FocalSpec LCIシリーズの販売が始まりました。
LCIシリーズはライン共焦点という特許技術を搭載したセンサーです。独自の二軸光学設計で、共焦点法をラインセンサーとして実現しました。これにより、高解像度かつ高速な3次元計測を可能にし、インラインでサブミクロン精度の計測ができます。
ラインスキャン共焦点技術
共焦点光学系では、受光素子手前にピンホールがあることにより焦点位置以外からの光がカットされ、通常の光学系に比べZ解像度の高い画像を取得できます。Z方向に走査しながら複数の共焦点画像を撮像することで、Z解像度の高い断層データを取得でき、3次元形状を復元することができます。
共焦点ラインセンサー FocalSpecでは、白色光を虹色に分けて対象物に当て、反射した波長に応じて高さ情報を計算します。虹色の光で一度に高さ方向の情報を取得することでZ方向の走査が不要となり、共焦点方式でのラインスキャンを実現しています。
*計測のイメージは最後の動画もご参照ください。
FocalSpec LCIシリーズのラインアップ
LCIシリーズでは最高分解能2umの高解像度計測、最速16kHzの高速スキャンが可能です。繰返しZ精度がサブミクロンのレベルながら、計測レンジが最大5.5mm取れる点も、他の3次元計測の原理とは異なるメリットとなっています。
適用事例
スマートフォンのディスプレイやレンズの計測
FocalSpecではスマートフォンディスプレイのエッジのような、湾曲したガラスの3次元計測が可能です。正反射光を捉えられる光学系により、透明や鏡面な素材に対しても3次元形状を取得できます。ガラスディスプレイとフレームという異なる素材間のギャップ及びオフセットを正確に計測します。
また、FocalSpecは透明体の断層データを取得することが可能です。スマートフォンの有機ELディスプレイやレンズなど積層状態を可視化することができます。
FocalsSpecは1回の撮像で、表面3次元形状、断層データ、2D強度画像のデータを同時に取得可能です。
BGAの高さ計測
最高2umの高解像度計測が可能なFocalSpecで、BGAの高精度計測が可能です。
ICチップに高密度に配置されたボール形状を3次元計測し、高さ・直径・位置の計測をします。FocalsSpecは鏡面体などの反射率の高いものでも傾斜20度まで計測できるため、BGAの光沢の強いボール形状でも、データ抜け少なく撮像できます。(不透明なマットな表面は傾斜80度まで計測可能です。)
直径50um未満のボール形状も高解像度のFocalSpecでは寸法情報をサブミクロン精度で正確に計測可能です。
インライン表面粗さ計測
FocalSpecでは、インラインでの表面粗さ計測が可能です。
LCI1220では最速16kHzで撮像が可能なため、送り方向をX解像度と同じ6.7umピッチで計測した場合では、107.2mm/sの速度で対象物の搬送が可能です。送り方向のピッチを変更すれば、より高速に計測していくこともできます。
これまで他の手法ではタクトが合わず抜き取り検査をしていた対象物も、インラインでの全数計測が実現できます。
共焦点ラインセンサーがGocatorシリーズへ
今回ご紹介の共焦点ラインセンサーの技術もGocatorシリーズとして発売を予定しています。FocalSpec LCI1220、1620相当の仕様の機種がGocator5512、5516として2022年にリリース予定です。(発売日は未定)
視野や分解能など基本的な仕様に大きな変更はありませんが、スキャン速度の向上とGocatorプラットフォームの使用が可能となります。これまで以上に操作性に優れたGocatorのソフトウェアが使用可能となり、より使いやすい共焦点ラインセンサーが誕生します。
ファームウェアも新しく刷新された、超高速・超高精度の全く新しい3次元センサーGocator5500シリーズにもご期待ください。
FocalSpec LCIシリーズの評価計測は随時受け付けております。評価依頼や製品に関するお問い合わせは下記フォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。