iRAYPLEでは、2025年6月にCマウントカメラの新シリーズとして、圧倒的な価格優位性を誇る「AEシリーズ」と、トップクラスの機能を実現した「AHシリーズ」をリリースしました。
各シリーズの詳細は LINX EXPRESS Vol.558 にてご確認いただけます。
https://linx.jp/linx_express/irayplecamera_558.html/
これらの新製品の中でも特に注目すべきは、AE・AH両シリーズにラインアップされた5MPのSmartSensセンサー搭載カメラです。
セキュリティセンサー市場から参入したSmartsensと、元々高い価格競争力を持つiRAYPLEカメラが組み合わさることで、5MPで4万円を下回る圧倒的なコストメリットを実現しています。
さらに、画質においてもSony製第二世代センサーと比較して遜色のない性能を発揮し、マシンビジョン用途でも十分な品質と性能を備えています。
本稿では、このSmartsensセンサーの特徴と性能について詳しく解説します。
セキュリティセンサー市場で
トップシェアを誇るSmartsens社
Smartsensは、2017年に設立された中国・上海に本社を置くイメージセンサーメーカーです。
特にセキュリティ向けイメージセンサーでは、グローバルでトップクラスの出荷シェアを誇ります。
近年では、VGAから12MPまでの解像度帯を中心に産業用イメージセンサーの開発を進めており、セキュリティセンサー市場で培った圧倒的な量産規模を背景に、高いコスト競争力を武器として産業用センサー市場への本格参入を進めている企業です。

5MPグローバルシャッター、驚きの4万円!
市場価格の半額を実現
解像度5MPクラスのグローバルシャッターカメラの市場価格帯が大きく変化しつつあります。
現在、5MPグローバルシャッターカメラの市場価格はおおむね8万円〜10万円超ですが、今回Smartsensセンサーを搭載したiRAYPLEのAEシリーズでは、4万円を下回る驚きの価格を実現しています。
※1 AHシリーズは価格が異なります。詳細はお問い合わせください。
※2 商流によっては若干の価格差が生じる可能性があります。
この圧倒的な価格メリットにより、下図に示す通り、すでに5MPクラスのカメラをご使用中のユーザーは、約半額という大幅なコストダウンが可能です。
また、5MP未満のカメラを使用しているユーザーにおいても、同等コストで高画素化を実現できるほか、解像度によってはコストダウンと高画素化を同時に実現することも可能です。

また、Smartsensセンサー搭載モデルは、5MP以外にも以下のラインナップを展開しています。

マシンビジョン用途で十分なSmartsensの画質性能
リンクスでは、Smartsensセンサー搭載カメラの画質性能を確認するため、同等スペックであるSonyセンサー搭載カメラと感度・標準偏差・ダイナミックレンジの比較評価を行いました。
カメラの仕様・EMVA値の比較は以下の通りで、解像度をはじめ、センサーサイズ(2/3インチ)、ピクセルサイズ(3.45µm)、フレームレートなど、いずれも同等のスペックとなっています。

■評価条件
・使用カメラ
AE5508MG000E:Smartsensセンサー搭載の5MP GigE モノクロカメラ
AE7500MG000E:Sony IMX273センサー搭載の5MP GigE モノクロカメラ
・カメラパラメータ:露光時間7 msec(140fps相当) / Gain1.0 / Gamma1.0
・レンズ:MH0628SP
・照明
可視光照明:LeImac社 IFPA-400/400AWHV
NIR光照明:ユーテクノロジー社 UDB-90IR90-850(主要波長850nm)
・撮像対象:グレースケールチャート
※今回、カメラの設計が同等であることを仮定し、間接的にセンサーの仕様比較を行っています。
■評価項目
感度:一定の光量でカメラが表現できる画像の明るさ
標準偏差:画像の輝度値のばらつき
ダイナミックレンジ:カメラが表現できる最も明るい画素と最も暗い画素範囲
同じカメラで比較する場合、感度はセンサーの仕様である飽和容量が大きいと多くの電荷を必要とするため感度が低くなり、さらに量子効率が高ければ感度は高くなります。またダイナミックレンジは電荷が多いと明暗の表現幅も広くなるためトレードオフの関係があります。さらに標準偏差は、画素の輝度値のばらつきを表すためノイズ量を示す指標となり、通常明るい画像を取得する場合、ゲインを上げる必要がありノイズ量も多くなるため、感度とトレードオフの関係があります。
■感度比較結果
・可視光
下図は、2機種のカメラでカメラパラメータおよび可視光照明(IFPA-400/400AWHV)の条件を同一にして、グレーチャートを撮像した比較画像です。
撮像条件は同一であるが、センサー仕様の違いにより画像の明るさが異なり、Sonyセンサーの方がSmartsensセンサーに比べて明るくなっていることがわかります。
この感度差の主な要因は、「量子効率」と「飽和容量」の違いにあると考えられます。
仕様比較表の通り、SmartsensはSonyに対して量子効率が約1.25倍高い一方で、飽和容量は約1.5倍大きいことがわかります。
一般に、量子効率が高いほど感度は高くなりますが、飽和容量が大きいほど感度は低下する傾向があります。
今回の比較では、飽和容量の差が量子効率の差を上回ったため、Smartsensの方が相対的に感度が低くなり、実際の撮像結果にもその傾向が表れ、最も明るい箇所ではSmartsensの感度はSonyと比較し80%程度の結果となっています。

・NIR光
下図は照明を主要波長が850nmのNIR光照明へ変更した場合の比較結果となります。
可視光の感度結果とは異なり、Smartsensの方がSonyより明るくなっていることがわかります。その理由としては、850nm付近の量子効率の差が考えられ、Smartsensが37%に対し、Sonyは20%のため、NIR光時には感度が可視光とは逆転する結果となっていることがわかります。

■標準偏差比較結果
続いて、2機種のカメラについて、露光時間と照明条件を同一に設定し、下記①〜⑪の各グレーチャートの輝度値をゲインを調整して同じ値にした画像が下図です。
明るさを同等にするため、下表の通り、Sonyのゲイン値1に対して、Smartsensは1.2〜1.3に設定しています。

以下が2種類のカメラで、①〜⑪の各輝度値で標準偏差を比較したグラフです。
標準偏差の値が小さいと輝度のばらつきが少なくノイズが少ないことを意味しています。
SmartsensはSonyと比較して感度がやや劣っているため、ゲインを上げて明るさをSonyと同等に調整しています。
それにもかかわらず、各輝度値における標準偏差はSonyと同等か、それ以上の性能を示していることが確認できます。

■ダイナミックレンジ比較結果
最後に、ダイナミックレンジの簡易比較を行いました。
2機種のカメラでカメラパラメータを同一に設定し、グレーチャート端部の2つの領域が同じ輝度となる照明値を確認しました。
また、グレーチャートの明部および暗部でも同様の撮像を行い、各カメラにおける照明の最大値と最小値を下記表にまとめています。
さらに、照明の最大値・最小値とグレーチャートの明部・暗部の透過率を考慮し、それぞれのダイナミックレンジ値も算出しています。
結果を確認すると、SmartsensはSonyに比べて照明最大値が大きく、白飛びしにくい傾向が見られました。
これは、EMVA値の比較でも示されているように、Smartsensの方が飽和容量が高く、より多くの電子を蓄積できるため、明暗の表現幅が広くなった結果と考えられます。

■まとめ
今回の評価結果より、Smartsensセンサーを搭載したカメラは、現在市場で最も普及しているSony第二世代センサー搭載カメラと比較して、感度はやや劣るものの、ゲインを上げて明るさを同等にした条件下でもノイズが少ないことが確認できました。
さらに、NIRの感度やダイナミックレンジにおいてはSonyよりも優れた結果が得られています。
これらの結果から、Sony第二世代センサーの性能で対応可能なアプリケーションにおいては、Smartsensセンサーは高いコストパフォーマンスを発揮する、次世代の有力な選択肢であると言えます。
【まもなく終了!】
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現在、業界トップクラスの性能を誇るiRAYPLEカメラ「AHシリーズ」を、新規案件の検討や既存装置のコスト見直しなど、さまざまなシーンで手軽にお試しいただけるよう、期間限定で標準価格から最大半額となる特別キャンペーンを実施しています。
まもなく終了予定ですが、本記事をご覧の方に限り、キャンペーン期間を延長してご案内いたします。
また、下記のおすすめカメラNo.1は、今回ご紹介したSmartSensセンサー搭載モデルです。
現在、キャンペーン特別価格として約2万円でご購入可能となっております。
ぜひこの機会にお試しください。


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