iRAYPLEは2025年6月、トップクラスの性能を実現したCマウントカメラ「AHシリーズ」をリリースしました。従来のAシリーズと比較して、低消費電力のプラットフォームへと刷新され、さらに多彩な独自機能も搭載しています。
本稿では、AHシリーズの特長に加え、実際の活用シーンを想定しながら、AHシリーズの機能を活かした具体的な実用事例を3つピックアップしてご紹介いたします。
従来のAシリーズとの位置づけについては、以下の LINX PRESS Vol.558 で確認いただけます。
https://linx.jp/linx_express/irayplecamera_558.html/
刷新されたプラットフォームと豊富な独自機能を搭載 ― AHシリーズの実用事例
機能実用事例①:低消費電力なプラットフォーム
産業用カメラを使用するアプリケーションでは、カメラの発熱が課題となるケースがいくつか存在します。例えば、カメラ内部のセンサー近辺の温度上昇による画像のダークノイズの増加や、高倍率で被写界深度が浅いレンズを使用した場合に熱がレンズや治具に伝わることでピントがずれてしまうなどの例が挙げられます。
「AHシリーズ」では最新のFPGAを搭載し、従来のAシリーズと比較して最大20%以上の消費電力削減を実現することで、前述の発熱に伴う課題を解消できる新たなプラットフォームとなっています。
以下の画像は、高倍率のレンズを使用し、被写界深度が0.1mm以下と非常に浅い条件でカメラ稼働直後と稼働から1時間後の撮像結果を比較したものです。稼働から1時間後にはカメラの発熱が大きくなり、その熱がレンズに伝わることでピントがずれている様子が確認できます。
今回LINXでは、このようにカメラ本体からレンズへ熱が伝わることで生じるピントずれについて、低消費電力プラットフォームを採用したAHシリーズではどのような効果が得られるのかを検証しましたのでご紹介します。
■評価内容
AシリーズとAHシリーズの温度計測を行い、各カメラで撮像する画像の比較を行う
■温度計測箇所
カメラ筐体・レンズのCマウントの温度を計測(室温25℃)
■使用機材
- カメラ:
A7500MG000E (Aシリーズ) 消費電力3W
AH7500MG000E(AHシリーズ) 消費電力2.5W - レンズ:VS-THV2-110/S (テレセントリックレンズ 倍率2倍)
- 照明:透過型照明
- テストチャート:透過型テストチャート
■温度比較結果
まず、レンズに伝わる熱の影響を確認するため、従来のAシリーズとAHシリーズの筐体温度およびCマウント部の温度を測定・比較しました。
以下の図は、横軸を経過時間(分)、縦軸を温度としてプロットした結果です。AHシリーズは、筐体温度・Cマウント温度ともに従来比で約3〜4℃低いことが確認できました。
さらにサーモカメラによる計測結果からも、AHシリーズはレンズへの熱の影響が抑えられていることが確認できます。
■画像比較結果
続いて、各カメラで「開始直後」と「開始から90分経過した熱平衡時」の画像を取得し、コントラストを比較しました。
下記の表は、倍率2倍のテレセントリックレンズ(被写界深度:0.07mm程度)を用いた場合の結果です。
熱平衡時において、Aシリーズでは画像のピントが合っていないことが確認できます。また、画像内に設定した赤線上のコントラストを比較したところ、Aシリーズは開始直後の輝度差「70」が「60」へと低下していたのに対し、AHシリーズでは輝度差に変化は見られませんでした。
この結果から、AHシリーズは低消費電力設計によって発熱を抑え、レンズや画質への熱影響を大幅に軽減できていることがわかります。
機能実用事例➁:画像補正機能
AHシリーズは、最新のFPGAを採用し、従来より容量を拡張することで、多彩な独自機能を搭載しています。
その一つである画像補正機能は、カメラ内部のFPGAでシャープネス補正やノイズ低減(Denoising)といった処理を実行できる機能です。
下記画像は、チャートを撮像し、画像補正機能のオン/オフによる効果を示したものです。赤枠の拡大部分を比較すると、画像全体でノイズが低減されているだけでなく、黒いバーに生じていた偽色の抑制や、数字「2」のコントラストが強調できていることも確認できます。
![]() | 効果1.ノイズ低減2.偽色低減3.コントラスト強調 |
例えば、下記の例では錠剤に数字で「250」と印字されていますが、数字部分のエッジのコントラストが弱い画像をそのまま文字認識の処理にかけると「50」と誤認識してしまいます。このようなケースでは、正しく文字を認識するために、コントラスト強調などの前処理が必要となります。
その場合、一般的にはCPUで前処理を行いますが、CPUに大きな負荷がかかります。さらに、今回の12MP解像度のケースでは、画像補正機能と同等のアルゴリズムをCPUで実装すると、1枚あたり47msecもの処理時間を要してしまいます。
一方、AHシリーズの画像補正機能を活用すれば、カメラ内部のFPGAでノイズ除去などの前処理を実行できるため、CPUでの処理は不要となります。その結果、従来CPUで47msecかかっていた処理時間を実質0に短縮することが可能です。
その結果、アプリケーション内では他の処理に時間を充てられるだけでなく、CPU負荷の大幅な低減にもつながり、システム全体の効率化に貢献します。
機能実用事例③:ピクセルスケーリング
ピクセルスケーリングでは、一般的な整数倍でのビニングだけでなく、下記の通り小数の係数でのビニングが可能で任意のピクセルサイズに合わせることができます。
具体的な活用場面としては、カメラのディスコン時に代替機種を導入するケースが挙げられます。
市場には解像度やピクセルサイズが全く同一のカメラが存在しないことも多く、その場合、視野の変化や輝度値ヒストグラムの差異といった課題が生じます。
こうした課題に対し、ピクセルスケーリング機能を活用することで、置き換え時の差を吸収し、スムーズな代替運用を実現することが可能です。
ここでは、解像度2MP・ピクセルサイズ4.5µmの e2V製 EV76C570のセンサー搭載カメラを、5MP・3.45µmのSony製 IMX264に置き換えるケースを想定し、ピクセルスケーリング機能を用いて視野と輝度値ヒストグラムを比較しました。
下記の表は、左から順に
1.Sony製 IMX264カメラ(ピクセルスケーリング前)
2.e2V製 EV76C570カメラ
3.Sony製 IMX264カメラ(ピクセルスケーリング後)
の視野、輝度値ヒストグラムの結果を示しています。
比較の結果、ピクセルスケーリング前のSony製カメラとe2V製カメラでは視野とヒストグラムが異なることが確認できますが、ピクセルスケーリング後のSony製カメラは視野、輝度値ヒストグラム共にe2V製カメラと同等の結果が得られていることが確認できます。
ピクセルスケーリングは、ピクセルサイズが異なるカメラ間での置き換えにおいて、調整や再設計にかかる工数を最小化できる有効な機能です。
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