
半導体、自動車などの産業分野では、製品性能の高度化に伴い、加工表面の品質管理も着目されています。特に、研削・研磨・切削などの加工によって形成される表面の微細な凹凸は、摩擦特性や密着性、光学特性などに影響を与えるため、製品性能を左右する重要な要素です。
こうした背景から、ISO規格に基づいて定量的に評価した「表面粗さ」が品質管理に活用されています。しかし従来の粗さ測定は、接触式粗さ計や顕微鏡による測定が中心であり、多くの場合はオフライン評価として運用されてきました。
本号では、白色干渉3Dセンサー『heliInspect』を活用し、インラインで表面粗さを測定する新しい品質管理手法について紹介します。
製品の性能を左右する『表面粗さ』
半導体や電子部品をはじめ、製品の高精細化・精密化が進む中で、品質保証の重要性はますます高まっています。従来は、凹みや異物といった外観異常の検査を自動化することが主な目的でした。しかし現在では、視覚的な情報だけでは判断できない品質要素への対応も求められるようになっています。その代表的な例が「表面粗さ」の管理です。
表面粗さとは、旋盤加工や研磨加工などによって形成される加工表面の状態を、定量的な指標として表したものです。人の目や触覚で感じられる「デコボコ」「ざらつき」「ツルツル」といった感覚は、この粗さの違いによって生じます。
これらの指標はISOやJIS規格として定義されており、多くの製造現場で品質管理の基準として利用されています。

例えばフィルム製品では、表面状態が密着性や滑り性といった重要な性能に影響します。しかし、画像として見た場合には良品と不良品がほぼ同じように見えることも多く、視覚情報だけで判別することは困難です。このような視覚に直接現れない品質要素を、表面粗さという数値指標として管理することが可能です。

表面粗さ測定の課題
表面粗さ測定では一般的に、測定した表面プロファイルから Ra(算術平均粗さ) や Rz(最大高さ) といった粗さパラメータを算出します。従来の接触式粗さ計では、スタイラス(触針)を表面上で走査し、得られたプロファイルから粗さを算出していました。近年普及している3D顕微鏡では、光学的手法により面データとして表面形状を取得し、面粗さパラメータ(Sa、Szなど)を算出することも可能になっています。

しかし、これらの装置には共通する課題があります。
・測定に時間がかかる
・振動対策が必要
・生産設備への組み込みが難しい
そのため、多くの場合は研究開発における性能評価や、生産工程での抜き取り検査などオフライン評価として利用されてきました。速度や設置環境の制約から、生産ラインでの全数検査は困難とされてきたためです。
「接触式や3D顕微鏡によるオフライン粗さ検査を、非接触かつインラインで実現したい。」
白色干渉3Dセンサー heliInspect は、この課題を解決する新しい測定アプローチを提供します。
非接触・インライン粗さ測定を実現する heliInspect
heliInspectは、白色干渉法を利用した高精度3Dセンサーです。ナノメートルレベルの高さ分解能を備え、ワンショット数100msで3Dデータを取得することができます。
生産設備への組み込みを前提とした3Dセンサーとして設計されており、従来は難しかったインラインでの表面粗さ測定が可能になります。
実際に、先進的な製造現場では既にインライン粗さ管理が導入され始めています。
heliInspectによる粗さ測定の実例|レンズの粗さ測定
| 光学レンズの製造では、ガラスを研磨することで高い透明度と光学性能を実現します。しかし、見た目の「ツルツル」といった感覚だけでは、研磨状態を正確に評価することは困難です。 そのため、光の散乱に影響を与えるガラス表面の状態を 表面粗さとして数値化し、研磨工程の最適化や品質管理に活用します。 | ![]() |
本例では、研磨状態による表面凹凸の大きさを評価するため、面粗さパラメータの中でも広く使用される Sa(算術平均粗さ) を用います。Saは測定面における高さ(Z)の絶対値、すなわち平均面からの高低差の平均値を表す指標です。
レンズは製品性能への影響が大きいため、研磨品質のばらつきを防ぐために全数検査が求められる場合もあります。
heliInspectで非接触かつ高速に表面粗さ測定を行い、インラインでSa値に基づいた検査を行います。


heliInspectを活用することで、「インラインで粗さを測定する」という新しい品質管理のアプローチが可能になります。
オフラインでの粗さ測定に伴う工数の削減や、生産ライン上でのリアルタイムな品質管理をお考えの場合は、heliInspectによるインライン表面粗さ測定を是非ご検討ください。
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