画像処理ライブラリHALCON Progress Editionの最新バージョン24.05が、明日5月16日にリリースされます。アップデート内容として、形状ベースマッチングのパラメータ調整を効率化する機能が新たに追加されます。その他、各種ディープラーニング機能の使い勝手向上、三次元機能向けCADデータのサポート範囲の拡張など、様々なコア機能の改善が行われます。本記事では、HALCON最新機能をピックアップしてご紹介します。また、サブスクリプション製品であるProgress Editionをご導入いただくことによるメリットについてもお伝えします。
最新バージョン 24.05 Progress 最新機能をハイライト!
形状ベースパターンマッチングのパラメータ調整を支援
HALCON最新バージョンでは、形状ベースマッチングの一部のパラメータを自動で決定することができるようになります。使用方法は、モデルの作成時に、テンプレート画像またはエッジ情報に加えて、事前に数枚のサンプル画像を準備しておき、画像内でマッチングしてほしい場所をティーチングするだけです。
パターンマッチングは、位置決めや有り無し検査といった様々なシーンで活用され、今日においてもマシンビジョンにおいてニーズの高い機能です。中でも、形状ベースマッチングは、ロバストかつ1,000分の1秒のオーダーの実行速度を実現する、HALCONのコア機能です。高ノイズかつ低コントラストな条件のような高難易度な画像や、また、マッチング対象が頻繁に変更されるようなタスクにおいて、専門知識のない方でもパラメータのチューニングが容易になります。
三次元機能向けにSTEP形式のCADデータを新たにサポート
サーフェスマッチングやCADマッチングなどの三次元機能を利用する際に必要とされるCADデータに、STEP形式が新たにサポートされます。STEP形式は、CADソフトからの出力形式として、昨今広く使用されている形式です。HALCONは様々なCADデータ形式をサポートしてきましたが、STEP形式への対応により、マシンビジョンアプリケーションに三次元機能がより導入しやすくなります。
ディープラーニング推論処理を高速化するOpenVINOが最新世代のハードウェアで利用可能に
ディープラーニングの推論処理を高速化するためのフレームワーク、OpenVINOプラグインの最新バージョンがサポートされます。これにより、第14世代までのIntel製CPUを始め、多数の最新デバイスを新たに活用できるようになります。ディープラーニングの高速処理にはGPUが欠かせませんが、マシンビジョンシステムに利用されるPCにおいては、コストの制約から推論処理にはCPUが使用されるケースがあります。推論速度は一般的にCPUよりもGPUのほうが高速ですが、OpenVINOは、ディープラーニングのモデルを主にCPUなどのデバイス向けに最適化することで、推論の速度を向上させることができます。
サブスク版HALCON ”Progress Edition”の価値
HALCON Progress Editionは、旧来の買い切り方式(現Steady Edition)に加わる新たな購入形態として2017年より販売を開始した、サブスクリプション方式の製品です。その大きな特徴は、半年に一度にバージョンアップが行われるという、リリースサイクルのスピードです。これにより、ディープラーニングのような日々進歩する最新のマシンビジョン技術を、いち早く産業界に導入することができます。
Steady Editionをご利用の場合、最新バージョンは1年半前にリリースされた22.11です。ここで、それ以降にリリースされたProgress Editionで追加された特徴機能をいくつかご紹介します。
Deep Counting
ディープラーニングの活用により、少量のテンプレート登録のみで、個体差のある物体の個数をカウントします。
マルチラベル画像分類
ディープラーニング画像分類が複数クラスに対応しました。1枚の画像内に複数のクラスが混在していても一つのモデルで分類可能です。
形状ベースパターンマッチングの大幅な高速化
並列演算命令セットに対応したCPUの利用時に、形状ベースマッチングが最大で50%高速化します。追加の設定は不要で、ソフトウェアのバージョンアップのみで適用可能です。
ほか、以下のような多数の機能追加・改善が行われています。
– DeepOCR文字検出モデルの追加学習への対応
– 3Dグリッピングポイント検出の追加学習への対応
– グローバルアノマリー検出の学習済みモデルの性能向上
– 縞投影による3次元形状復元
– etc
これらの魅力的な機能を含むバージョンアップは、Progress Editionの年間契約期間内であれば、すべて追加の費用なしでご活用いただけます。導入時の年間のライセンス費用は、買い切り方式のSteady Editionと比較して、最大で約4分の1の価格となっています。Progress Editionは、ディープラーニング機能を含めた全ての機能を使用いただくことが可能ですので、ディープラーニング機能の評価およびアプリケーションへの導入にも最適です。
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HALCON Progress Editionの導入をご検討の方へ
HALCONは、1か月限定で最新バージョンのすべての機能をご使用いただける、Trial Kitをご用意しています。こちらのフォームよりお申込みいただけますので、Progress Editionをご検討されている方は、この機会にぜひ一度お試しください。その他、Progress Editionの導入にあたってのご不明点がございましたら、弊社サポート窓口までお問合せください。
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