超小型サーボドライブSOMANET Nodeシリーズ
LINX Express Vol.398ではSynapticon社のSOMANET Circuloシリーズについて特集しました。(Circuloシリーズの特集記事はこちらからご覧いただけます)。
今回同社製品のSOMANET Nodeシリーズの特徴について詳しく解説します。
高速且つ高精度な位置決めが要求される製造装置には多くのサーボモータが利用されています。また産業用ロボットやAGVといった製品においてもサーボモータの利用が不可欠です。
SOMANET Nodeシリーズはこうした様々な用途に利用いただける高性能かつ小型でハイパワーなサーボドライブです。SOMANET Nodeのサイズは名刺サイズ以下のわずか70mm×40mm※1 しかありません。一方で出力は定格出力で1.2kW※2 もの出力が可能です。
これは従来の同タイプのサーボドライブと比べて約1/4程度~1/5以下のサイズです。SOMANET Nodeをご利用いただくことで、従来よりもよりスマートで先進的な装置開発やロボット開発、AGV開発が可能になります。
※1…高さ方向:23mm
※2…Node2000の定格出力(製品により定格出力は異なります)
SOMANET Nodeシリーズ
サーボドライブの小型化がもたらす価値①(装置/ロボット編)
従来型の製造装置開発や産業用ロボットの開発では、サーボドライブを制御ラックやキャビネット内部に配置し、そこからケーブルを駆動部、すなわちモータ近傍まで引き回すことが一般的です。これは装置内部やロボットアーム内にサーボドライブを配置するための十分なスペースが無いことに起因しています。
一方でこのようにシステムを構成した場合、サーボドライブとモータを接続するためのケーブルは各軸毎で必要になります。言い換えると制御ラックと装置内部を接続するケーブルの総量はモータの軸数に比例して多くなります。
この問題はハーネスそのもののコストだけでなく、様々なコスト(ハーネスの設計コスト、実装コスト、顧客先での設置コスト等)が増える要因となっています。
こうした課題に取り組まれるお客様にとってSOMANET Nodeは最適な解を提供します。モータ近傍にサーボドライブを配置することができるようになると、システム全体の省配線化につながります。
その結果、装置全体の組み立て易さが飛躍的に向上します。更にお客様先での設置時間も大幅に短縮できます。
従来型のシステム | SOMANET Nodeを用いたシステム |
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サーボドライブの小型化がもたらす価値②(AGV編)
サーボドライブの小型化がもたらす効果は製造装置や産業用ロボットだけに限った話ではありません。
今後の成長が期待されるAGV市場にとっても非常に大きな効果が期待できます。AGVの内部はモータを駆動/制御するサーボドライブだけでなく、AGV全体を制御するメインコントローラや車輪を駆動するためのモータ、位置を高精度に把握するためのセンサ、バッテリ等、様々なキーパーツから構成されます。限られたスペースの中にこれらのキーパーツを配置していくことはAGVの開発者にとって非常に難しい課題です。
SOMANET Nodeをご採用いただくことで、こうした課題を解決できる可能性が高まります。
SOMANET Nodeを組み込んだAGV(イメージ図)
小型でありながらハイパワーで低消費電力
SOMANET Nodeの優れた部分は『小型』という側面だけではありません。小型でありながら非常にハイパワーでその上低発熱です。定格出力で400W~1200Wの出力が可能で、最大出力は2000W※1 以上の出力が可能です。中小型のモータから大型のモータまで幅広いモータを駆動することができます。
その一方でSynapticon独自の制御アルゴリズム(モデル予測技術)を採用することにより、一般的なサーボドライブと比較して約1/2程度の低消費電力を実現しています。
AGV等にSOMANET Nodeを採用することで従来よりもバッテリーの充電回数を低減することが可能になります。
※1…Node2000の最大出力
従来技術とSynapticonの独自の制御技術におけるスイッチング周期の比較(イメージ)
モータやエンコーダを選ばない汎用的なサーボドライブ
SOMANET Nodeをご採用いただくメリットの一つに接続できるモータを選ばない点が挙げられます。
適合するモータ仕様を満たせば世の中にあるどんなモータ※1 でもその特性を最大限引き出すための様々な機能が搭載されています。コミュテーション機能や、コギング補正機能、ゲインスケジューリング機能等、モータを高速に且つ安定して動かすための様々な機能が搭載されており、これらの調整のはGUIベースのソフトウェアから実行できます。
またエンコーダポートも2ポート入力でき、様々なエンコーダフォーマットに対応しています。メインコントローラとのIFにはEtherCATを採用。Node間をディジーチェイン接続することができるので、システム全体の省配線が実現可能です。
※1…3相のブラシレスモータに限る(モータにエンコーダが付属している場合、エンコーダの種類によっては動作しない場合があります)
世界最高水準の安全機能も搭載
SOMANET NodeにはTUV認証を取得した最高レベル(Ple/SIL3)の安全機能が搭載されています※1。
この安全機能を用いることで装置やロボットAGVの電源を遮断することなく、従来よりも柔軟で且つ安全なシステムを構築できます。安全モードはSTO、SBCに対応しており、モータの動力を安全に遮断し、且つ安全ブレーキにより完全に停止させることができます。
※1…オプション
オプションの安全モジュール
展示会出展のご案内
以下の展示会に出展しております。SOMANET Node製品の他、同製品を使ったデモ機も展示しております。
またSOMANET Circuloの展示も行っております。是非ご来場ください。(各バナーをクリックすると各イベントサイトへジャンプします)
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