
国内でのCODESYSの広がりは大きく、コントローラや装置メーカ様だけでなく、自社生産ラインのPLC、HMI、エッジゲートウェイなど、様々なところで利用されています。
CODESYSはどの様に使い始めればいいのか、何を揃えればいいのか、CODESYSのご利用をご検討されている方、ソフトウェアPLCが気になっている方、手軽にお持ちのPCでご利用できるCODESYSアプリケーションベースライセンス(CODESYS ABL)をご紹介します。
CODESYSアプリケーションベースライセンスとは
CODESYS利用に必要な4つのアイテム
CODESYSを利用するには、CODESYS統合開発環境、デバイス(所謂PC)、CODESYSランタイム、そしてライセンスの4つが必要になります。
この4つ目のライセンスがCODESYSアプリケーションベースライセンス(以降、ABL)で、CODESYS社で運営しているWebストアで購入できるライセンスです。
しかし、ユーロ建ての支払いということ、サポートが有償になるため、日本のお客様の殆どはCODESYSの国内独占代理店であるリンクスから円建てでご購入いただいています。CODESYSを熟知したリンクスですので、無償でサポートも行ってきています。
以前は自分のPCで使用するライセンスはWindowsPCやARM/Linuxボードなどデバイス向けのライセンスでした。近年のCPU等の性能向上は目まぐるしく、比較的安価なCPUでも高性能の制御を行えるようになってきましたし、高性能なPCで簡単なIO制御をするニーズも増えてきました。するとデバイスに依存したライセンス体系ではユーザーメリットが薄れてきます。制御機能や通信も多彩になってきているため、ハードウェアに依存せず、使用する機能に準じたライセンスを利用することでコントローラを最適化出来るのが『CODESYS ABL』の最大の特徴で、価格も7,000円くらいから使い始められます。
ABLは以下の表のように、ベースライセンスとオプションライセンスで構成されています。
- ベースライセンス:PLC機能として必ず1つを選択
- オプションライセンス:HMI、OPC UA通信、モーション制御といった付加機能を使用する場合に選択
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CODESYSアプリケーションベースライセンス(ABL)
実行エンジンとなるランタイムはCODESYSが標準ランタイムを無償で用意しており、サポートされている代表的なデバイスは次の4つです。
- CODESYS Control Win SL:CODESYS統合開発環境をインストールすると同時にインストールされます
- CODESYS RTE SL:Windows環境でリアルタイム性を必要とする場合に使用します
- CODESYS Linux SL:Debian系Linux/X86CPU環境で使用します
- CODESYS Linux ARM SL:Debian系Linux/ARM環境で使用します
ここからはライセンスの選定方法、特別な機能、オプションライセンスについて概要を解説していきます。
ライセンスの選定方法
一見複雑なライセンス体系に見えるかもしれないため、選定方法を一例として紹介します。
ベースライセンスの選定には次のことから決めていきます
- 使用するフィールドバスとそのインスタンス数
- I/Oの使用点数
- プロジェクトコードのサイズ規模
- パフォーマンス、リアルタイム性
オプションライセンスの選定は、次の付加機能を使用する場合に選択します
- Visualization機能(HMI機能)
- Communication機能(OPC UA通信)
- SoftMotion機能(EtherCATモーター制御等)
- SoftMotion Axis Group/CNC機能(軸グループ、CNC制御、補間制御等)
始めてABLを利用してCODESYSを使ってみたい、という場合にはStandard Lを推奨します。
一般的にPCではEthernetポートは複数ありますので、イーサネットベースのフィールドバスが2つ使えるのは便利です。また、Task Gr. Assignment(後に説明)も利用できるため、とりあえずの1本に最適です。評価が進み、台数を増やしていく場合には最適化していけばいいのです。機能が足りなければアップグレードも可能です。
そしてライセンス管理方法を選択します。ご利用のPCにライセンスを紐づけするソフトウェアドングル方式、CODESYS Keyを使うUSBドングル方式の2種あります。こちらもご利用開始段階ではUSBドングル方式がPCを替えて使えるので便利です。
CODESYSでのプログラムを作成済みの場合は、プロジェクト内から必要なライセンス情報を確認することができます。デバイスツリー内のPLCデバイスをダブルクリックし、「ライセンス決定に使用するソフトウェアメトリック」タブの「メトリックを計算するコードを生成」をクリックするとライセンス選定に必要な情報を算出します。また、画面上部の「ライセンスを表示」をクリックすると、プロジェクトに必要なライセンスを表示しますのでお見積り依頼にそのまま使えます。
ソフトウェアメトリック
ベースライセンスで使用できる特別な機能
ABLのベースライセンスはPLC機能、フィールドバス通信機能をご利用いただけます。また、後述するVisualization機能、Communication機能(OPC UA通信)はそれぞれ125Tag、512Tagが全てのベースライセンスに含まれていますので、トライアルとしてご利用いただけます。
ここで、一部のベースライセンスで使用できる特別な機能を2つ説明します。
Task Group Assignment
CODESYSプログラムの動作設定単位である「タスク」についてタスクグループを設定し、タスクグループをどのCPUコアで動作させるか設定することができる機能です。
SoftMotionでのリアルタイム制御や、EtherCATでの高速制御を使用される場合にご利用いただける高付加価値機能です。Standard L以上のベースライセンスが必要です。
Dynamic C Code(C言語拡張機能)
CODESYS統合開発環境で使用するファンクションブロックをC言語で自作・実装するためのLinux向けランタイム専用の機能です。
PCに独自通信を行うためのカスタムハードウェアを搭載している場合、他のアプリケーションとの連携用APIコードがある場合、C言語で作成済の既存資産を活用したい場合等にご利用いただけます。Standard S以上のベースライセンスが必要です。
なお、こちらはCODESYS統合開発環境におけるC言語でのプログラミング機能ではありません。

オプションライセンスで使用できる機能
Visualization:HMI機能
PLCランタイムが動作する環境でHMI機能を実現します。単一ハードウェアでPLCとHMIの両機能を実現し、更にはWebブラウザ経由でのHMI操作・閲覧も可能です。ライセンスは使用するTag数で選定します。
Communication:OPC UA通信
SCADAシステムなどの上位機器との通信でデファクト化されつつあるOPC UA通信を実現します。
OPC UA Server、OPC UA Client通信をする場合に必要なオプションライセンスです。配信および取得設定を行ったタグの総数によりライセンスを選定します。
SoftMotion Axes:ソフトモーション機能
モーション機能を付加するためのオプションライセンスで、SoftMotion軸オブジェクト数に応じたライセンスをご利用いただけます。
標準規格 PLCopen Motion Control のファンクションブロックの利用が可能で、EtherCAT、CANopenで通信するCiA402規格に対応したドライブを制御可能です。
電子カムエディタを統合開発環境に内包しているため、カム動作のプロファイルを作成し、動作させることが出来ます。
CODESYS統合開発環境内のカムエディタ
SoftMotion Axis Groups/CNC Interpolators:軸グループ、CNC機能
ロボットやCNC制御アプリケーション向けのSoftMotion拡張機能です。ロボット制御用のキネマティクスとCP(Continuous Path)制御による直線・円弧補間制御、およびGコードを用いたCNC補間制御が利用できます。
前述のSoftMotion Axesも併せて必要となります。

CODESYSの多彩なライセンス
ソフトウェアPLC CODESYSには他にも多くの機能、それらのライセンスがあります。特にご利用の多いIIoT Libraryを紹介します。
- IIoT Library
IIoT化に重宝するライブラリをまとめた製品です。
コミュニケーションに特化したライブラリ群
Web Client (http, https)、MQTT Client (MQTT)、Mail Service (POP3, SMTP)、SMS Service (SMS)、SNMP Library (SNMP)、SNTP Service (SNTP)、AWS IoT Core Client (MQTT)、Azure IoT Hub Client (MQTT, https)、JSON Web Token、Web Socket Client SL
データ構造を読み書きするためのライブラリ群
CSV Utility、INI File Utility、JSON Utilities、XML Utility SL
MQTT Client
CODESYSのプログラミングを習得
ABLの様に簡単にCODESYSを自身のPCで利用するにも、プログラミングに慣れていく必要があります。
前回の記事では、あなたのCODESYS利用をサポートするポイントを紹介しました。
CODESYS基本トレーニング開講:Vol.590 2026.03.11
- CODESYS基本トレーニング
- CODESYSプログラミングの習得(TRITON_CODESYSユーザーズマニュアル)
- CODESYS Chatbot
- CODESYSインテグレーションパートナー
中でもCODESYS基本トレーニングはCODESYSの国内独占代理店の講師のガイドに沿って手を動かしながら実践的に理解を深めていただくコースです。是非、ご利用をご検討ください。
【開催概要】
場所:株式会社リンクス本社オフィス(東京都品川区上大崎2丁目24-9 アイケイビルディング5F)
参加人数:最大6名様
費用:1名様あたり3万円(税別)
※参加者にはWindows PCでの事前準備(インストール)を実施いただき、持参していただきます。
【トレーニングプログラム】
- CODESYS概要理解
- CODESYS統合開発環境の基本的な操作方法の実践
- PLCプログラム、I/O、フィールドバス、OPC-UA、ビジュアライゼーションなど、実際にCODESYSでのプログラミングを行いながら学んでいただきます
【開催日】
- 2026年4月17日(金)13:00~17:00 受付〆切済み
- 2026年5月22日(金)13:00~17:00 受付〆切済み
- 2026年6月19日(金)13:00~17:00
- 2026年7月17日(金)13:00~17:00
- 以降、毎月開催を予定
産業用コントローラは、専用から統合へ
CODESYSを搭載したコントローラや装置を製品化する企業様が増えております。他にも、自社設備のPCにCODESYSを利用されたいという生産技術担当者様からのお問い合わせも多くいただきます。
CODESYSを活用することで、コントローラとして必要な機能は1つに集約され、圧倒的な開発効率とパフォーマンスを実現します。専用ソフトウェア、専用ハードウェアは不要になります。

- CODESYSを組み込んでコントローラ、装置コントローラを開発したい
- CODESYSをより簡単に自社IPCに活用したい
- CODESYSを簡単に使用できるTRITONを活用したい
- CODESYSを組み込んだコントローラを利用したい
様々なCODESYSの利用方法があります。ご興味のある方は是非ご連絡下さい。
お問合せ先 sales_3s@linx.jp
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ご意見・ご感想募集
LINX Expressに関する要望やご感想を募集しております。下記フォームよりお気軽にご投稿いただけましたら幸いです。
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