
Baslerのace 2シリーズにIP67に準拠したカメラが登場しました。GigEインターフェースで、2.3MP~24.4MPまで14機種をラインナップします。また同時に、ケーブルやレンズハウジングなどの周辺機器一式も揃えているため、ワンストップでの防塵・防水ビジョンシステムが提供可能です。
カメラ本体をIP67仕様にすることで、小型化、軽量化が実現
Baslerではこれまで、IP67対応のカメラハウジングを提供することで、カメラに付加的にIP67性能を持たせておりました。そのため、全てのace/ace 2カメラをカバーできるといったメリットがある一方、カメラハウジングを使用する分、重量/サイズが大きくなるデメリットがありました。
これに対し新製品では、カメラ本体にIP67性能を持たせることで、73%の軽量化と31%の小型化を実現しました。また、コストは同等ですので、ニーズに応じて最適なソリューションをお選びいただけるようになっております。下表は従来品と新製品を比較したものです。

新製品IP67対応カメラのコンポーネント一式
新製品のIP67対応カメラは、専用の周辺機器一式をご用意しており、ワンストップでのご提案が可能です。カメラ本体の機構部分の変更点と、それに対応する専用機器についてご説明します。
まず、IP67カメラは、GigEケーブル用コネクタをイーサネットのRJ45から、ネジ止め方式に変更しております(画像①)。このコネクタ専用のGigEケーブルは、従来品と同じ5m/10m/15m/20m/25mの長さをラインナップしております。また、カメラマウント部に外側ネジを加工し、アダプターリング(画像②)を取り付けられるようにしたことで、レンズハウジング(画像③)をカメラに直接取り付けることができるようになりました。レンズハウジングは最大レンズ径75㎜まで対応しており、Baslerがラインナップする全てのレンズがご使用いただけます。
また、照明についてもIP67専用のものをリング、バータイプで計96機種ご用意しており、Baslerが提供する専用コンポーネント一式でIP67対応が完結します。



■カメララインナップ
※周辺機器についてはカタログ(https://linx.jp/download/catalog_basler/)をご参照下さい。
GigE対応 ヘッド分離型ボードカメラ dartシリーズ

BaslerのボードカメラdartシリーズにGigEモデルがリリースされました。
Sonyセンサーを搭載した3MP~12MPを16機種ラインナップしており、「低コスト、小型軽量、長距離伝送」を実現することで、より広く組み込みニーズに対応致します。
製品構成と特長
■製品構成
dart(GigE)は、センサーヘッドとインターフェースボードが分離型になっているため、ニーズに合わせて各種機器を組み合わせられます。以下に製品構成をご紹介致します。
・レンズマウント:S/CS/Cマウントから選択可能で、全てのマウントで樹脂製、アルミ製をご用意しており、IRカットフィルターの有無も選択可能です。
・CMOSセンサー:SonyセンサーをVGAから12MPまでラインナップしており、セキュリティー向け高速・高感度ローリングシャッターのIM676や、Sマウントカメラを最高画素化させたIMX900(詳細後述)などを搭載しております。
・中間ケーブル:折り曲げ耐性のあるフラットケーブルを、50㎜、150㎜、300㎜の長さでご用意しております。
・インターフェースボード:現状の1chに加え、2026年には2ch(1GB/s)、3ch(2.5GB/s)のスイッチングハブをリリースします。また、これに対応すべくネットワークカードについても新たに2.5GigE対応カードをリリースします。※カメラ3台接続時は速度が約84%になります。

■製品特長
dart(GigE)の主な特長は以下の5点です。
(1). 小型、軽量で長距離伝送が可能ため、幅広い組み込み用途に対応
(2). センサーヘッドとインターフェースボードが分離形状をしており、より限られたスペースにおいても柔軟なレイアウトが可能
(3). ace 2シリーズBasicモデルと同等の機能を搭載しており、 一例としてバーストモード機能を使用することで、帯域を超える転送が一時的に可能
(4). GigEのリセンド機能と、dart(USB)にはなかったフレームバッファの搭載により、パケットロスやPC処理遅延による取りこぼしを低減し、データ転送の安定性が向上
(5). インターフェースボードを使用することで、PCを介さずPLC機器との接続が可能なためレイテンシも抑制
少し補足しますと、2つ目の特長については、分離型にすることで装置内に設置されるセンサーヘッド部の厚みを最大限抑えることができ、加えてセンサーヘッドとインターフェースボードを繋ぐ中間ケーブルに柔軟性があるため、それぞれ(のコネクタ部)の向きを気にせず、余スペースに逃がすことが可能です。
また、5つ目については、ボードカメラ自体の電源要件は5Vですが、インターフェースボードがオプトカプラーを採用した24Vまで対応しており、電圧変換器が内蔵されているためPLC機器との接続が可能なことも分離型のdart(GigE)ならではの特長となっております。
またこれらのdart(GigE)の特長について、他カメラシリーズと比較したものが下表です。より幅広い組み込みニーズに対応できるdart(GigE)の他、ニーズに応じて最適なソリューションをお選びいただくことが可能です。

世界最高画素のGlobal Sutter Sマウントカメラ
■Sony IMX900を搭載することで、従来比2倍の3.2MPに高画素化
dart(GigE)の中でも画素数が3.2MPのSony IMX900を搭載したモデルはGlobal Shutter世界最高画素のSマウントカメラです。その内容を下図にて説明致します。まず、従来の3.2MPのセンサーはピクセルサイズの関係でセンサーサイズが1/1.8インチとなり、イメージサークルをオーバーしますので、Sマウントでは採用できません(図左)。そのため、図中央で示す通り、Sマウントでは1/2.9インチ、1.6MPが上限となります。これに対し、図右の通り、IMX900はピクセルサイズを小型化したため、Sマウントのイメージサークルに収まる1/3.1インチで3.2MPを実現することができるようになり、Sマウントカメラの応用の幅が広がりました。

■Sマウントカメラの高画素化によるメリット
Sマウントカメラの高画素化によりご提供できるメリットについて、結論から先に申し上げますと「小型化、軽量化、低コスト化」になります。下図を元にご説明しますと、3.2MPの製品構成でサイズ、重量、コストを比較しており、左側はSony第二世代センサーを搭載したaceシリーズカメラとレンズを組み合わせたもので、右側はIMX900を搭載したdart(GigE)にSマウントレンズを組み合わせた製品構成です。双方を比較しますと、緑色部分に示す通り、IMX900を搭載したdart(GigE)は、奥行方向が80㎜から38㎜に50%小型化しており、重量については179.5gから26gに86%軽量化しております。またコストについても50%低下しているため、Sマウントカメラの高画素化により、小型化や軽量化のみならず低コスト化のニーズにもお応えできるようになりました。

■カメララインナップ
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「国際画像機器展2025」出展のお知らせ
リンクスは、2025年12月3日(水)よりパシフィコ横浜で開催される「国際画像機器展2025」に出展します。
本展示会は、マシンビジョン・ロボットビジョン業界を中心に画像処理の最先端技術が集まる展示会です。
リンクスのブースでは、画像処理ライブラリ、産業用カメラ、スマートセンサー、エンベデッドシステムの展示を予定しております。
本号で紹介した、IP67準拠ace 2シリーズのデモ機も展示します。ぜひ実機でその性能をご確認ください。
■出展概要
会期:2025年12月3日(水)~12月5日(金) 10:00~17:00
場所:パシフィコ横浜 展示ホールD
小間位置:【1】
展示予定:
・画像処理ソフト MVTec Software(HALCON / MERLIC / DeepLearningTool)
・産業用カメラ iRAYPLE/Basler/Teledyne DALSA
・スマートセンサー LMI Technologies(Gocator)/heliotis/Chromasens/iRAYPLEコードリーダ
・エンベデッドシステムソリューション
また、会期中には会場にてセミナーを実施します。こちらもご参加をお待ちしております。
▼リンクス講演
「画像処理の最新技術トレンドと実際の活用事例~技術の祭典 LINX DAYS 2025 ダイジェスト~」
日時:12月3日(水)~5日(金) 各日13:10~14:00※内容は3日間同一です
会場:アネックスホールF202
▼Basler社講演
「マシンビジョン最前線~検査を変える最新トレンドと活用ソリューション」
日時:12/4(木)16:10~17:00
会場:アネックスホールF202
各セミナーの詳細は展示会サイトセミナーページにてご確認ください






