Basler ace2シリーズでは、インターフェースとしてGigE/USB3.0/5GigEをラインナップしてきましたが、新たにCoaXPress2.0(以降CXP-12) 1chインターフェースを搭載したカメラ16機種を追加しました。今回の新製品では、更なるフレームレートの向上を実現し、より多くの市場ニーズに応えるとともに、高速性が求められるチャレンジングな検査タスクをお抱えのお客様にも最適なソリューションとなっています。
Baslerがace2のインターフェースにCXP-12をラインナップした背景
はじめに、Baslerがace2シリーズにCXP-12を追加した理由について市場動向を背景にご説明します。
現在市場では、SONY第二世代のセンサーが広く普及しています。第二世代のセンサーはピクセルサイズが3.45μmであるため、Cマウントに収められる最大画素数は12.3MPまでです。これに対してSONYの最新シリーズである第四世代のセンサーは、裏面照射にすることによって、市場に広く普及している第二世代のセンサーの性能を維持しながらピクセルサイズを2.74µmまで小型化し、同じセンサーサイズで24.4MPまでの高画素化を実現しています。
Baslerは一般的なマシンビジョンの用途においては、画素数は25MP、フレームレートは30fpsまでで市場ニーズの8割に応えられると考えており、第四世代の登場によって、Cマウントの小型カメラで画素数については、このニーズに応えられる状況になりました。
一方で、30fpsを出すには従来のインターフェースであるGigEでは3.2MP、USBでは12MPが画素数の上限であり、12MP以上のセンサーと組み合わせて30fpsを実現するためにはより高速なインターフェースが必要でした。そこでBaslerは、5GigEインターフェースを搭載することで、16MPで34fps、20MPで27fps、24.4MPで22fpsを実現し、一般的なマシンビジョンの用途においてはほとんどの市場要求に応えられるようにしましたが、20MP以上のカメラにおいては30fpsに到達することができていませんでした。
今回、ace2にCXP-12インターフェースを搭載することで20MP、24.4MPにおいても30fps以上を実現しました。更に16MP以下においてもより高速化を実現し、チャレンジングな検査タスクを抱えるお客様のさらなる高速化ニーズにも応えられるようになりました。
■ラインナップ
Baslerオリジナルセンサーを搭載した25MP(1.1インチ)カメラ
近年、ハイエンドマーケットを中心としてGpixelの25MPセンサーであるGMAX0505が広く市場に普及しました。Baslerは、独自技術によってGMAX0505に対してピクセル設計はそのままに、より画質性能を向上したセンサー E2525A を搭載したカメラをご提供しております。
下図は、2つのセンサーの分光感度特性を比較したグラフです。グラフからご覧いただけるようにE2525Aは量子効率が高く、500nmではE2525AがGMAX0505の1.3倍の量子効率を実現しております。
下記表では、量子効率に加えダークノイズ、SN比などの比較データを示しています
E2525AではGMAX0505と比較して、ダークノイズを約32%低減しています。そのためSN比もE2525AがGMAX0505と比較して1.3倍と非常に高く、暗出力不均一性(画素間のムラ)はGMAX0505が22e-なのに対しE2525Aは0.3e-と、99%近い改善率です。また、感度のバラつきである感度不均一性においてはGMAX0505が2%あるのに対してE2525Aは0.7%と非常に小さく、安定した画質を実現できるセンサーであることが分かります。
E2525Aは、上図の分光感度特性で比較する通りGMAX0505に対して量子効率(QE)が高いため、短時間露光が可能であり、暗い環境での撮影において大きな威力を発揮します。
例えば、非常に低い照度条件である1ルクスにおいて撮像した時、E2525AはGMAX0505の4分の1の露光時間でSN比1を得られます。また同様の照度で露光時間(20msec)を固定した試験においてはGMAX0505はSN比1未満であったのに対して、E2525AはSN比4.2を確保しております。この結果は量子効率が高いことに加えダークノイズの低さがカメラの画質性能向上に寄与しています。
■ラインナップ
CXP-12(2機種)を始め、GigE/USB/5GigEインターフェースを搭載したカメラもリリースしております。
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