画像処理ライブラリHALCON Progress Editionの最新バージョン23.05が、5/23にリリースされました。ディープラーニング機能には、物体の数をカウントするDeep Countingが追加されました。また、既存ディープラーニング機能(Deep OCRの文字領域検出、3Dグリッピングポイント検出)がネットワークの学習にも対応しました。その他、HDevelop上で使用できるユーザー独自の関数をより簡単に作成することができるようになりました。(HALCON Progress Edition23.05のダウンロードはこちらから)
Deep Counting
多数の物体を高速かつロバストにカウントし、その位置を検出することができる機能Deep Countingが新登場しました。ディープラーニングを活用しているため、従来のパターンマッチングでは難易度の高かった反射の多い金属や、ガラス瓶のような透明体にも対応しています。事前に少量のテンプレートを登録するだけで、画像から簡単に対象物を発見することができるため、製品の員数検査や在庫管理にご活用いただけます。
Deep OCR – 文字検出領域学習機能
Deep OCRは、方向やフォントタイプに依存せず、安定した文字読み取りを可能とします。Deep OCRでは、「文字領域の検出」と、「文字の読取」、両方にディープラーニングテクノロジーを用いています。HALCON最新版では、これまでの「文字の読取」だけでなく、「文字領域の検出」も、自身でトレーニングできるようになりました。特に、コントラストが低くノイズの多い画像で 大幅な改善が見込めます。
3Dグリッピングポイント学習機能
ばら積みピッキングアプリケーションを支援する3Dグリッピングポイント検出が、ネットワークの学習にも対応しました。このトレーニング機能は、特に低解像度のセンサー、例えばタイムオブフライトカメラを使うような場合に有効です。さらに、アプリケーション固有の課題、例えばデパレタイズのような物体が密着しているようなときにも有効です。
トレーニングに必要なアノテーション作業は、Deep Learning Toolを使用して簡単かつ効率的に行うことができます。(Deep Learning Tool 23.04のダウンロードはこちらから)
Easy Extension Interface
HALCONには、HDevelop上で使用できる関数を、独自に作成する機能が存在しています。しかし、これまでは作成に多くの準備が必要で、手順が少々複雑なものでした。HALCON最新版では、C#ソースコードをVisualStudioでビルドするだけで簡単に関数を作成できるようになりました。.NET Frameworkの標準的なライブラリを組み合わせることもできるため、従来よりも柔軟に独自関数を作成できます。
様々なコア機能の追加・改善
最新バージョン23.05ではディープラーニング機能のみならず、従来のルールベース処理など様々な機能についても精力的に改善を行っています。
- ・新たなハンドアイキャリブレーションメソッド’stochastic’の追加によるキャリブレーション精度の向上
・1D/2Dコード読み取り機能の改善(DotCodeの読み取り性能向上、GS1コードのルールチェック機能、等)
・開発環境HDevelopの使い勝手向上
現在Progress Editionをご利用いただいている方は、最新バージョン23.05を無償でアップデートいただくことができます。この機会にぜひお試しください!
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