SCADA/IIoTソフトウェアプラットフォーム zenonとは
製造現場のIIoT化の実現において、現場の装置やPLCと、MES(製造実行システム)などの上位システムとの連携がうまくいかない、というような課題をお持ちではないでしょうか。この連携がうまくいかないことで、例えばMESからの作業指示を紙媒体で出力し、指示書もとに作業員が装置やPLCへ手作業で操作をするというような、IIoTとは程遠い状況になってしまいます。『zenon』は、そんな課題を解決するためのソフトウェアプラットフォームです。
zenonを装置やPLCとMESなどの上位システムの間に導入することで、製造現場と上位システムとをデジタルに接続し、人を介さずにMESからPLCまでのシステムの垂直統合を実現することが可能となります。このように、人のオペレーションをシステムに統合する「人とシステムの一体化」を実現することがIIoT化への第一歩となります。
zenonのデータインテグリティ対応機能
zenonは医薬品・自動車・食品/飲料業界を始めとして、様々な業界の製造現場でご活用いただいておりますが、中でも近年大きな広がりを見せているのが医薬品業界です。医薬品業界では、GMP省令の改正や、相次ぐ不正製造の発覚などにより、改めて、データインテグリティへの関心が高まっています。zenonは、データインテグリティ対応を実現するための各種機能を取り揃えており、医薬品の製造現場における課題の解決に貢献します。
zenonを構成する全てのモジュールはFDA 21 CFR Part 11等の規制が求める基準を満たしており、監査証跡やユーザー管理機能をベースとして、アラーム管理・レシピ管理・レポーティングといった各種機能を活用し、医薬品の生産現場におけるデータインテグリティ対応を実現します。
1. 監査証跡
データインテグリティを実現する上で欠かせないのが、監査証跡の機能です。FDA 21 CFR Part 11等の規制では、装置に対する様々な操作について、「いつ・誰が・何を・どこで(どの端末で)・なぜ実施したのか」という情報が、改ざん不可能な形式で記録されている必要があります。zenonでは、この要求をプログラミングレスで実現できる標準機能を提供しています。
2. ユーザー管理
装置に対する操作で、「誰が行ったのか」を記録していくには、ユーザーの情報が必要になります。また、作業者・管理者・品質管理部門などに対して、操作に対する権限を設ける上でも、ユーザー管理は重要な機能になります。
FDA 21 CFR Part 11等の規制においては、ユーザー管理に対して、例えばパスワードの取り扱いなどに要件がありますが、zenonではこの要求に対しても、すべてが設定のみで実現可能です。
3. 時系列データベース・レポーティング/帳票
データインテグリティ対応のためには、製品がどのような条件下で製造されたのかをトレースできるように、生産中の装置の様々な実測値を、漏れなく、瞬時に、改ざん不可能な形で記録していく必要があります。zenonではこの要求を、Historianと呼ばれる時系列データベースを活用することで、設定のみで実現可能です。
また、監査の際には、収集したデータを元に、必要な情報を素早く提示できる必要があります。zenonではこれらの情報を、フォーマット化されたレポート・帳票の形で、参照したい期間を指定するだけで自動的に集計・出力することが可能です。
4. レシピ管理
製造における装置の設定値の管理するために、レシピ機能がよく用いられます。このレシピを装置のPLCで管理していると、作業者によって変更されたとしても、変更履歴や変更理由が残らなくなってしまいます。
zenonの提供するレシピ機能は、上述の監査証跡やユーザー管理機能と組み合わせることで、レシピ変更に対する記録や、ユーザー権限でのレシピ変更制限による改ざんの予防を行うことが可能です。
5. 外部システムとの連携
最近では、ラインや工場全体で統一されたユーザー管理・データ管理を行うために、Active DirectoryやSQLサーバーとの連携も求められることが多くなってきております。zenonでは、こちらも設定のみで連携することが可能です。
医薬品業界向け展示会での活動
zenonは、昨年12月に開催されたインターフェックス東京、および今年3月に開催されたインターフェックス大阪で、弊社ブースにて展示し、zenonを活用したデータインテグリティ対応ソリューションを実機デモでご紹介いたしました。
デモ内容のイメージは、以下の動画からもご覧いただけます。
また、zenonは興和株式会社機械部様および第一実業株式会社様の提供する医薬品業界向けソリューション「FIDIUS」における情報管理システムのプラットフォームとしてご採用いただいており、インターフェックス大阪においては、興和株式会社機械部様の取扱製品である生体認証ツール「Nymi Band」とzenonの連携による非接触ユーザー認証のデモも展示いたしました。
国際医薬品開発展2022 (CPhI Japan)出展のご案内
2022/4/20-22で開催される「国際医薬品開発展2022」においても、弊社ブースにてzenonを出展いたします。
本展示会に置いても、zenonを活用した医薬品製造業向けデータインテグリティ対応ソリューションのデモを展示いたしますので、ぜひ会場へお越し下さい。
お問い合わせ
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