ラインセンサの納期でお困りはありませんか?
Chromasens社はカラーラインスキャン技術に特化したカメラ/照明メーカーです。本号では、Chromasensの特別な照明技術とカラーラインスキャン技術が実現する外観検査のソリューションを紹介しますが、ラインスキャンカメラの深刻な供給不足も聞こえるようになってきています。Chromasens社のカメラは現時点でまだ比較的安定供給が可能ですので、ラインスキャンカメラの納期でお困りの方は是非お問い合わせください。
三色照明+Tri-linear:一回のスキャンで複数の照明方式の画像を取得!
Chromasensのラインセンサは全てTri-linearのカラーセンサとなっており、RGBそれぞれ別々の感度を持っています。これにより非常に質の高いカラー画像を取得することが可能ですが、色そのものが必要ない場合には、この3chを照明方式ごとに割り当てることも可能です。
このTri-linearのラインセンサと組み合わせて使用する照明として、同軸(青色LED)、ドーム(赤色LED)、暗視野(緑色LED)を1つに組み合わせた特殊な照明の用意があります。これを同時に常時照射しながらスキャンすることで、それぞれの照明方式のモノクロ画像がR画像、G画像、B画像としてワンスキャンで取得することが可能です。通常であれば各照明ごとに検査ステーションを設けることになり、カメラ台数が増えるとともに装置サイズも大きくなってしまうところを、このソリューションであればカメラも1台で装置サイズもコンパクトになります。
三色照明による外観検査の自動化:研磨加工痕上の打痕検出
この三色照明+Tri-linearソリューションの使いどころとして一つ挙げられるのが、研磨加工面の検査です。研磨後の加工面の検査は、研磨痕と実際の欠陥の区別が難しく、画像処理で検出が難しい課題の1つです。
研磨後の加工面に対して3色照明で撮像した画像を下に示します。いずれの画像でも研磨痕も欠陥も映っていますが、チューブ照明では欠陥が暗く映る一方で同軸署名では明るく映るなど、欠陥の見え方が各照明ごとに異なるのが確認できます。これらの画像の画角は全て等しくなっていますので、例えばそれぞれの画像の差分をとる、といったことも特別な補正をすることなく可能です。この3つの画像を用いて簡単な演算をすることで、右のように欠陥箇所だけを浮かび上がらせた画像を作成することが可能です。これであれば研磨痕に左右されず、簡単なしきい値処理だけで欠陥のみを検出することが可能です。