今回は、リンクスのエンベデッドビジョンソリューションの1つである【光学カスタム開発】の事例を紹介します。
エンベデッドビジョン事例 ⑤
お客様: ピック&プレース装置を開発されているお客様
アプリケーション: 対象をピック&プレース
実現したこと: 狭隘部でのピック対象の状態検査を実現
従来の装置システムの課題に対するチャレンジ
課題
・ピック&プレースにおいて、ピック直前とピック直後に状態を監視したい
・状態監視に加えて画像検査項目も追加したい
・設備環境は極めて狭いスペースに限られる
今回取り組んだ技術的チャレンジ
・通常のエンベデッドビジョンコンポーネントでは大きすぎて入らない
・エッジデバイスに部品有無・方向判別といった検査項目を搭載
すでにある設備に対してビジョンを追加しようとするときに、通常のビジョンシステムでは大きすぎて設置できませんでした。また、一度に4個(4か所)のピック対象の状態を検査してピックするためには、4台のカメラを搭載する必要がありましたが、カメラセンサーを一列に4台並べるような幅もありませんでした。
高速にピック&プレースを繰り返していく装置において、画像処理には、性能に加えて圧倒的なスピードが求められました。
リンクスのエンベデッドビジョンソリューション
光学構造設計技術
お客様が直面した課題に対して、ピック&プレース装置内部のピック部の可動域やピック対象の位置などを精査し、リンクスの持つ光学構造設計技術を応用しました。
まず撮像部の設計においては、4台のカメラを1列に並べるスペースがないために、2列とし、それぞれ2台ずつカメラを高密度に配置しました。ピック対象との距離に応じてレンズを設計し、2台のカメラはレンズを通して通常通り受光し、もう2台のカメラは、ミラーによって1回折り返された光を受光するようにしました。そこへ、見たい場所を的確に照射するLED照明を設置しました。
また、画像処理部には、『HALCON for embedded devices』を導入しました。画像処理ライブラリHALCONは機能性、高速性、安定性に優れており、PCベースだけでなく、エンベデッドベースの環境においても使用できます。要求処理時間内に、対象の有無 / 方向違い / 異形 といった状態の検査を行うことができました。HALCONは豊富な機能を有しており、ピック&プレース装置のニーズに対して、今後もさらに機能拡張を予定しています。
豊富な画像システム開発経験に基づくアイデアとそれを実現できる光学構造設計技術によりお客様の課題を解決
リンクスのソリューションにより、要求仕様をすべて満たすことができました。光学カスタムや画像処理、SoC基板からIO基板まで、すべてをワンストップで提供させていただきました。
エンベデッドビジョンのことならリンクスへ
今回紹介したエンベデッドビジョン事例では、構想立案から開発・設計、製造、量産までワンストップによる全面支援、そして、光学構造設計技術や画像処理技術といったビジョンシステムのコア技術により、装置に付加価値を生み出せることをご紹介しました。
今回の事例とはまったく異なるタイプのピック&プレース装置についてもエンベデッドビジョンシステムを導入する構想立案から伴走させていただきました。
さらにスペースの制約が厳しく、ピック対象の近くにエンベデッドビジョンシステムを設置することはできませんでした。そこで、ミラーを2か所に設置し、カメラは、ミラーにより2回折り返された光を受光するように設計することで解決しました。
我々リンクスは、マシンビジョンに関する豊富なノウハウと、鍛え抜かれた組込機器開発技術を融合し、これからの時代に最適なエンベデッドビジョンソリューションを提供します。
エンベデッドビジョンについては、リンクスにご相談ください。
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