新光電気工業様は、半導体パッケージの開発・製造のリーディングカンパニーです。
同社では、製造品の外観検査に画像検査装置を導入しており、約20年前からHALCONの導入を進めておりました。
また、AI導入に関してもいち早くトライを進め、10年以上前から現場へのAI導入を検討し、単なる技術導入に留まらない「現場改善」を追求されてきました。
主要製品

HALCON AIでベリファイ作業の自動化を実現

新光電気工業様では、製品品質の確保を目的として自動外観検査装置を導入されており、その仕組みの中でHALCONを活用されています。高解像度なラインセンサーや高さ画像を取得するセンサーなども利用し、高度な外観検査を実現してきました。
この外観検査装置が良品判定したものはそのまま出荷されますが、不良を流出させないために、非常に厳しいパラメータ設定をしています。そこで従来は歩留まりを上げるために、仮不良品と判定したものは検査員によるベリファイで最終仕分けをしていました。
このベリファイ作業の自動化に大きな効果を発揮したのが、HALCON AIでした。
AIの自動化率は30%などからスタートし、100%の自動化を達成した品種もでてきています。
AI検査導入におけるリアルな課題と工夫
ベリファイ工程では、様々な見え方の画像を分類していきます。一見同じ分類で対応できそうに見える場合でも、実際には異なる分類が必要となるケースがあり、最終的なOK・NG判断に影響を与えます。
たとえば、次の画像に示す通り、色や形状の違いに見える場合でも、同社で求められる判定境界は複雑であり、不良モードも10種類以上に及びます。
これらを正確に分類することにAIが力を発揮していますが、新光電気工業様ではこのあいまいな境界を確実に判定するために、様々な工夫をしております。

AI導入の工夫
学習方法の工夫:NG画像を事前にルールベース画像処理で水増し
AIの課題として、画像枚数が十分に集められない、ということがあります。
そこで、学習用画像のN増しにHALCONルールベース機能を活用されています。
学習用画像に対して、回転や反転、許容される明るさ・色調の範囲内での画像変換を行うことでデータを拡充しています。この前処理による学習精度の向上に、HALCONのルールベース処理が活かされています。
このような工夫には現場でどのような欠陥が発生する可能性があり、良品としてもどのようなばらつきが生じるか、という情報を正確に把握していることも重要な点です。

判定方法の工夫:「信頼度」の利用による段階的な自動化
性能が高い分類モデルが作成できる検査でも、100%の分類精度を求めることは難しいことも多いです。そこで、HALCONの画像分類機能における「信頼度」というスコアを利用し、分類の確からしさを判定にも活用しています。これにより信頼度の高いものは自動化、低いものは従来通り人によるベリファイを行うという運用が可能となりました。特にAI導入初期段階では、いきなり100点を目指さず、自動化できるところから対応していくことで技術の導入が進みました。

学習結果の見える化の工夫:ヒートマップの活用
更に、判定時にAIが画像のどこに着目して判定したかを可視化する「ヒートマップ機能」を活用しています。また、「分布外検出(OOD)」機能を利用することで、AIがまだ学習していない「未学習の不良モード」を把握し、効率的な精度向上に繋げています。


現場が主役となるAI運用に向けて開発を継続中
その他にも、AIと検査員の判定を比較するクロスチェックツールや、類似製品間でAI分類モデルを共用する仕組みを自社開発しています。これにより、現在では品質保証部をはじめとする現場担当者自身がAIの学習を行い、量産への適用を拡大しています。






















