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インダストリー4.0とは?課題点や実現のポイントを解説

「インダストリー4.0」とは、ドイツ政府が提唱したことで世界的に知られるようになった言葉で、「第4次産業革命」と訳されます。2000年代の情報革命までを第3次産業革命と位置付けているわけですが、これまでとどのようなポイントが違うのでしょうか。そして、どのような企業にも関係ある話なのでしょうか。ここでは、インダストリー4.0の概要、課題になりやすい点や実現の際に押さえておきたいポイントについて解説します。

インダストリー4.0とは?

インダストリー4.0とはドイツ政府が提唱している概念で、IoTや人工知能、ロボットなどを駆使し、より効率的な産業を実現する取り組みのことです。日本語では「第4次産業革命」と呼ばれます。

蒸気機関に代表される産業革命を第1次、大量生産が可能になった第2次、コンピューターによる情報革命が起こった第3次を受けた次の段階が「第4次産業革命」と定義されているのです。

総務省によるインダストリー4.0の説明では、その目的は「エコシステムの構築」であるとされています。市場・顧客のニーズに対して製品を作って供給する、というプロセスが製造業の基本ですが、これを「スマートファクトリー」を中心としてより円滑なものに再構築していくことで、新たな付加価値を生み出すこと。これが、インダストリー4.0が目指すものの本質です。この付加価値の具体例としては、従来はつながっていなかった工場の機械同士がつながることや、全ての情報がリアルタイムで共有されることによって、より無駄なく(低コスト)より迅速に生産を可能にする、といったことが挙げられます。

そして、こうしたコンセプト実現のため、ドイツ政府が旗振り役となって、産官学の連携が強力に推進されている点もインダストリー4.0の特徴と言えるでしょう。

なお、上記のような「エコシステムの構築」は、具体的にはサプライチェーンの「全体最適化」を意味します。この実現のために重要なのは「標準化」です。各業務プロセス・設備を連携させるために、情報のフォーマットやシステム、インターフェースなどを標準化する必要があり、日本でも規格化の動きが進んでいます。

 

インダストリー4.0の核となるスマートファクトリーとは

さらに円滑で効率的な製造業のエコシステムを構築するインダストリー4.0において、核となる存在がスマートファクトリーです。

スマートファクトリーとは、製造装置に人工知能(AI)を導入したり、IoT技術で製造装置間あるいは工場間をネットワークで結んだりして、「自律化」・「見える化」されたより効率の高い生産システムを構築することを意味しています。これは、単に生産を効率化するというだけではなく、サプライチェーン全体を最適化することで製造業全体としての競争力を高めるという目的もあります。

インダストリー4.0の中心となるスマートファクトリーの実現にはIT技術の活用が必須で、具体的にはエッジコンピューティングやマシンビジョンなどの要素技術があります。これらの要素技術、特にハードウェアは信頼性が高く低価格なものが販売され始めています。

スマートファクトリーについての詳細は、「モノづくりを革新するスマートファクトリー -概要とメリット、導入時のポイントを解説」をご覧ください。

インダストリー4.0実現に向けた課題

インダストリー4.0は構想段階から実現段階へと進みつつありますが、現実にはなかなか進んでいません。次にその課題について考えてみます。

課題点1.大手と中小企業間の格差

製品の最終組み立てを行う大企業は技術力や資金力もあり、インダストリー4.0の流れにうまく乗れるでしょう。しかし、特に下請けである中小企業は、資金や人材の面から同じようにうまくはいきません。

この現状は、業界での影響力の強い大企業がリーダシップをとって解決していくことが求められます。また、インダストリー4.0の実現のための中小企業向け融資制度や、インダストリー4.0に関する啓蒙活動も充実させる必要があるでしょう。

課題点2.人材教育の問題

人材教育の問題もあります。インダストリー4.0では、本来の仕事のスキルに加え、データ分析の能力が必要です。インダストリー4.0で求められる多様なニーズに、短いスパンで対応した製品を生産するためには、従来は熟練技術者だけが保有していた技術や知見が、全社で共有される必要があります。

また、熟練技術者の数は減少しており、技術の継承が問題となっています。そこで、熟練技術者の知見をデジタル化して人工知能に学習させることで、知見の一般化や継承が可能になると考えられています。このように、人間の知見を人工知能に代行させることもインダストリー4.0の具体的な一部です。

課題点3.セキュリティの問題

セキュリティの問題も見逃せません。インダストリー4.0の要素の一部であるIoTでは、装置間・工場間をネットワークで結びます。専用回線を用いたネットワークという場合もありますが、多くの場合インターネットが使用されるでしょう。

しかし、インターネットにつながるということは、従来は工場内で完結していたネットワークが外部に開放されるということでもあります。これは、サイバー攻撃のリスクが増えることを意味しますが、もしも工場がサイバー攻撃を受ければ、その国の経済にダメージを与える可能性すらあります。インダストリー4.0ではネットワークへの依存度がより高くなるので、セキュリティ対策に特に重点的に取り組む必要があります。

インダストリー4.0実現のポイント

ポイント1:できるだけスモールスタートを心がける

現状では、インダストリー4.0実現のために必要な機器やシステムの価格は急激に下がってはいるものの、イニシャルコストがかかることは事実です。そこで、本格的な導入の前に、影響が軽微な部分から、例えば、製造装置の一部のみIoT化するなど、スモールスタートで開始するのがよいでしょう。

ポイント2:適切なプランニング・現状分析・議論を行う

実際にプロジェクトが動き始める前に現状の分析を行いながら、プランニングをできるだけ現場レベルから詳細に行う必要があります。そして、関係部署・関係者で議論を行いましょう。インダストリー4.0の目的は全社的な全体最適なので、各部署間で意思を統一して足並みをそろえることが大切です。

ポイント3:装置コストを下げる

近年、エンベデッドシステムのような組み込み型のエッジデバイスが販売され始めています。これらのエッジデバイスは可用性・信頼性が十分にありながら、スタンドアローン型のエッジサーバーに比べて価格が安いという特徴があります。装置メーカーにこれらの採用を促すのもあり得るでしょうし、逆に装置メーカーとしてはエッジデバイスの採用がセールスポイントとなる場合も考えられます。エンベデッドシステムを導入することで様々製造現場での課題に低コストで対応可能となることが装置メーカーのセールスポイントとなるのです。

エンベデッドシステムについての詳細は、「エンベデッドシステムとは―メリットや導入時のポイントを解説」をご覧ください。

エッジデバイスについての詳細は、「エッジデバイスとは?概要とエンベデッドシステムとの関係性について解説」をご覧ください。

 

エンベデッドシステムの導入はインダストリー4.0を実現する選択肢のひとつ

以上、インダストリー4.0について述べました。

インダストリー4.0はスマートファクトリーを中心とした概念で、とりわけ製造業における劇的な効率化を目指すものです。日本でも徐々に事例が出始めていますが、本記事でも見てきたようにさまざまな課題も存在しています。ただ、特に労働力不足の課題を考えれば、インダストリー4.0を実現することは、製造業が生き残るために対応していかねばならない内容であるとも言えるでしょう。情報収集を怠らず、自社でもスモールスタートでできる部分から変革を始めていきましょう。

また、インダストリー4.0の核、スマートファクトリーを支える技術のひとつであるエッジデバイスは低価格化が進んでおり、以前よりも検討しやすくなっています。

インダストリー4.0の実現に当たっては、エンベデッドシステムの導入が選択肢のひとつです。リンクスでは、エンベデッドシステムを通じてインダストリー4.0の実現を目指しています。エンベデッドシステムのことで分からないことがあればぜひご相談ください。

 

 

 

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