川田工業株式会社様:次世代産業用ロボット 「NEXTAGE」
生産現場にロボットが活躍する場が増加の一途をたどる昨今において、川田工業株式会社様のヒューマノイドロボットNEXTAGEは、「ヒトと共存し、従来の産業用ロボットや専用装置とコラボレーションする」というユニークなコンセプトを持ったロボットです。
NEXTAGEの画像処理エンジンとしてHALCONを採用いただいており、このコンセプトの一助を担っています。
NEXTAGEは、双腕型のロボットとなっており、頭部に画像認識用のステレオカメラ、双腕のそれぞれの手先にハンドカメラが搭載されています。これらのカメラから取得した画像に対して、HALCONのステレオビジョンやマッチングなどの機能が用いられています。
頭部に搭載したステレオカメラは、作業台などに配置したクロスマークを認識して対象物(ワーク)との3次元的な位置関係を把握するのに用いられます。これにより、ロボットとワークの位置関係がずれても、再度ティーチングする必要がなく作業を継続することが可能になっています。
また、双腕に搭載されたハンドカメラは、ワークの詳細な位置情報の取得などに用いられます。これにより人間が得意とする細かな作業を置換することに成功しています。NEXTAGE活用事例:グローリー株式会社様/釣銭機サブアセンブリ工程
グローリー株式会社様の埼玉工場では、NEXTAGEが実ラインにて運用され、人間とロボットが共存した新しい形の生産ラインが構築されています。
釣銭機のサブアセンブリの工程に複数台のNEXTAGEを配した自動化ラインは、「人間が行う作業をそのまま置換する」という従来の産業用ロボットとは異なる発想で構築されています。両手を用いて両面テープの剥離紙を剥がしたり、幅広ベルトの形状を整えて組み付けたりといった、従来はヒトの繊細さ・器用さが求められていた作業を高いレベルでこなしています。
画像認識を活用して構築されたフレキシビリティの高い生産ラインが次世代工場への期待として評価され、2012年には「第5回ロボット大賞」にて次世代産業特別賞を受賞しています。NEXTAGE: プラグインによる機能拡張
NEXTAGEではクロスマークの認識や平面状のワークの認識、トレイに整列されたワークの認識などの使用頻度の高い画像処理機能を標準搭載しています。
これらの標準機能に加えて、ユーザー側で構築した処理をプラグインとして組み込める枠組みも提供しています。HALCONユーザーであれば、HALCONの開発環境"HDevelop"により画像処理のアルゴリズムを構築し、NEXTAGEのインターフェースに落とし込むことで、ユーザー定義の処理をNEXTAGEに実装することが可能です。ステレオ/ハンドカメラの情報とHALCONの2000近くの関数群を組み合わせることで、上記生産工程に見られるような非常に自由度の高いオペレーションを行うことを可能としています。