真冬の高速道路や山道など、ノーマルタイヤ規制が発令されることがあります。従来は、目視検査員が1つ1つ検査を行っておりましたが、多くの人員が必要であること、長時間の拘束時間という課題を抱えていました。そこで、西日本高速道路エンジニアリング四国様は、通行車がスタッドレスタイヤを装着しているか否かを自動で検査する装置を開発されました。
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの見え方の違い
検査する対象は乗用車だけでなく、トラック・軽自動車など様々な車種のタイヤを検査しなければなりません。さらに、屋外での検査になるため、撮影条件も一定でなく、通常のルールベース処理では実現が困難になります。西日本高速道路エンジニアリング四国様では、精度向上の取り組みの1つとして、スタッドレスタイヤ、ノーマルタイヤ、飛沫や雪の付着による判別不能クラスという3つのクラスを定義することで誤判定を防止しています。
HALCONディープラーニングの活用により精度の大幅向上を達成
ディープラーニングに取り組む前の結果を左図に示しています。ノーマルタイヤや判別不能画像を、スタッドレスタイヤに誤認識してしまう状況が発生していました。
そこで、約13,000枚のタイヤ画像を用いてHALCONディープラーニングをトレーニングしたところ、判別精度が向上し、更にノーマル・判別不能をスタッドレスに誤認識する「未検出」0を実現しています。
実現場での検証結果
本システムは、すでに福知山・大分・千代田に導入されており、実現場でも未検出0を達成しております。HALCONディープラーニングにより、目視検査が必要な台数を1/3に低減させることに成功しております。加えて、これまで発生していた渋滞の緩和も実現されました。これらの結果を受け、HALCONディープラーニングの本格的な採用が決定されています。