- 課題: 深い穴の深度 / 高いピン形状の高さ計測
穴やピンの深度や表面の形状検査を考えた場合、様々な課題に直面します。
光切断などの三角測量系の3次元計測では、斜めから光を照射する必要があるため、細長い穴の底面には光が届かず計測を行うことができません。正反射を捉える干渉計測では計測自体は可能ですが、一般的な干渉計の計測深度は数100µmであるため、たとえば数㎜といった穴やピンの計測には使用することができません。ポイントレーザー計測で一点のみの高さをとることはできますが、形状自体を見たい場合には意味を成しません。
- ソリューション: heliInspect の分割取り込み
heliInspect は、その高速性から、干渉計測にも関わらず非常に長い計測レンジで使用することが可能です。対象物の測りやすさにもよりますが、どのような対象物でも2mm程度のスキャンレンジを確保することは難しくありません。しかしながら、今回の課題は2mmのスキャンレンジでも不十分ということになります。
例えば垂直に立った1cmの穴やピンを計測する場合には、中腹の情報は有用ではなく、ベース面とトップ面付近のみあればよいことになります。このような場合、heliInspect の分割取り込み機能を用いることで、1度のスキャンでベース面とトップ面をスキャンし、その高低差を計測することが可能です。
heliInspect で撮像できる最大フレーム数は512フレームですが、分割取り込みでは、この512フレームを任意に2つに分けることが可能です。たとえば、ベース面付近で1mmでスキャンを行い、その後8mmの間隔を空けて、トップ面付近で1mmスキャンすることでトータル10㎜のスキャンを行う、といった設定が可能です。
分割取り込みを用いて4mm程度の電子部品のピンの高さ計測を行った結果を下記に示します。これほどの深度の高さ計測を行っていながら、干渉計測をベースとしているため、精度は100nm程度が実現されています。数10mmのピン/穴深度計測をサブミクロン精度で、かつ高速に面計測できるのは heliInspect だけです。
CASE適用事例
分割取り込み機能を用いた穴深度 / ピン形状の高さ計測
2016.01.25
半導体/IC
heliotis