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低価格で導入しやすい産業用3Dカメラ「Basler Stereo mini」とは?特長・用途・選び方を解説

2026.09.04

「対象物の高さや奥行きを測定したい」「ロボットピッキングに3Dカメラを使いたい」「物流現場で搬送物の位置や形状を認識したい」など、製造・物流現場では3次元情報を活用するニーズが増えています。
一方で、「3Dカメラは高価」「システム構築が難しそう」と考える方も少なくありません。
そこで注目したいのが、Basler社の小型ステレオカメラ「Stereo mini」です。
Stereo miniは、2台のカメラで撮影した画像から対象物までの距離を算出する3Dカメラです。産業用途を想定しながら、導入しやすい価格を実現しています。
本記事では、3Dカメラの基本からStereo miniの特長、深度光学フィルターの違い、用途、6機種の選び方まで分かりやすく解説します。

Basler Stereo miniとは?


Basler Stereo miniは、2台のカメラで同じ対象物を撮影し、左右の画像の「ずれ(視差)」から対象物までの距離を算出するステレオ方式の3Dカメラです。
人間が左右の目で物体を見ることで立体感を得られるのと同じように、2台のカメラで対象物を見ることで距離を計測します。
3Dカメラなら、高さ・奥行き・距離といった「深度(Depth)」情報を取得できます。
そのため、

  • 対象物の高さ・奥行きの把握
  • ワークの位置・姿勢認識
  • 搬送物の形状・位置認識
  • ロボットピッキング

などに活用できます。

Stereo miniの特長

1. 近距離から長距離まで対応

Stereo miniには、50 mmと95 mmの基線長を持つモデルがあります。
基線長とは、左右2台のカメラの間隔のことです。一般的に基線長が長いほど、遠距離での距離計測に適しています。
Stereo miniでは、約0.25m ~ 10mの撮影距離に対応しており、0.26m~3mに特化した近距離モデルや0.31m~10mに特化した中~遠距離モデルまであります。これにより、近距離の物体認識から、遠距離計測が必要な物流・搬送設備等、用途に応じてモデルを選択できます。
近距離の物体認識から、物流・搬送設備などの中~長距離の3D認識まで、用途に応じてモデルを選択できます。

2. 約90°×65°の広い視野角

Stereo miniは、深度方向で約90°×65°の広い視野角を備えています。
一度に広い範囲を撮影できるため、コンベア上のワークや物流現場の荷物など、複数の対象物をまとめて認識する用途にも適しています。

3. カメラ内部でDepth処理

Stereo miniは、カメラ内部にDepthエンジンを搭載しています。
左右の画像から距離を算出する処理をカメラ側で行うため、ホストPC側の処理負荷を抑えながらDepthデータを取得できます。

4. pylon SDK・GenICamに対応

Stereo miniは、Baslerのカメラソフトウェア「pylon」およびGenICamに対応しています。
pylonを利用することで、RGB画像やDepth Map、Point Cloudなどのデータを確認でき、カメラの評価やアプリケーション開発を進めやすい点も特長です。

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深度光学フィルターの違い

Stereo miniを選ぶ際に、迷いやすいのが「深度光学フィルター」です。
Stereo miniには、モデルによって以下の3種類があります。

フィルター特徴
フィルターなし光学フィルターを使用せず、可視光情報も用いることができる
IR-pass可視光 をカットし反射光、外乱光、ハレーションを抑制
Visible suppression深度計算に影響する可視光を抑える

Stereo miniは、内蔵の赤外線パターン照明を照射することで、対象物側に照明による模様ができるようにします。その模様を特徴点として2台のカメラの視差情報を計算することでDepth情報を取得しています。

そのため、太陽光や照明などの周囲の光が強い環境では、環境光がノイズになって深度計算を悪化させる場合があります。
深度光学フィルターは、このような外部光の影響を抑えるためのものです。

※可視光:人の目で見ることができる光の波長域を指します。
 約400~750nm程度の波長域で、例えば、450nm付近は紫~青色、750nm付近は赤色に 相当します。

※赤外光:可視光よりも波長が長く、人の目では見ることができない光の総称です。
 約750 nm~1 mmの波長域を指します。
 目には見えない一方で、物質による光の反射・吸収の違いを捉えられるため、
 産業用カメラでは、特に850 nmや940 nmなどの近赤外光が、
 可視光では捉えにくい情報の撮像や検査に利用されています。

■IR-passフィルター

IR-passフィルターは、可視光をカットし、赤外光を透過させるフィルターです。

Stereo miniが使用する赤外光を選択的に取り込むことで、赤外線パターンを利用したDepth計測に適した光環境を作ります。
可視光をより強く遮断したい場合に適したフィルターです。

■Visible suppression

内蔵の赤外線パターン照明がありますが、可視光領域の外乱光の影響でハレーションしてしますと適切な深度計測ができません。一方で可視光の波長で模様が見えるものについては、それを頼りにDepth計測を行うことができるため、完全に可視光をカットすることが適切でないケースがあります。
Visible suppressionフィルターは、可視光を抑制しながら、赤外光を透過させるフィルターです。

可視光を完全に遮断するのではなく、赤外光によるDepth計測に必要な光を確保しながら、可視光の影響を低減します。赤外光を利用したDepth計測と、可視光の抑制を両立するフィルターです。

Stereo miniの主な用途

Stereo miniは、特に以下のような用途に適しています。

■ロボットピッキング

対象物のX・Y方向の位置だけでなく、高さ方向の情報も取得できるため、ロボットが対象物をつかむ位置の認識に活用できます。

■物流・搬送物の認識

コンベア上の荷物について、位置や高さ、形状などを3次元で認識できます。
例えば、
荷物の位置・高さの認識
搬送物の形状認識
コンベア上のワーク検出
パレット上の荷物認識
などに活用できます。

■工場内の物体認識

「ワークが正しい位置にあるか」「対象物の高さが想定範囲内か」など、2D画像だけでは判断しにくい対象物の立体的な位置関係を認識できます。
**「高精度な3D計測までは必要ないが、対象物の立体的な情報を取得したい」**という用途にも適しています。

6機種から選べるStereo mini

Stereo miniには、USB3.0モデルとGigEモデルを合わせて6機種がラインナップされています。

※実際の選定では、撮影距離だけでなく、必要な深度精度、対象物の反射、照明環境、フレームレート、設置環境なども考慮する必要があります。

Stereomini製品ページはこちら

USB3.0とGigE どちらを選ぶ?

Stereo miniにはUSB3.0とGigEの2種類のインターフェースがあります。
どちらを選ぶかは、カメラとPCの距離やケーブル長、I/Oを使用するかどうかなどを考慮して決めます。

USB3.0モデルは、1本のUSBケーブルでカメラへの給電と画像データの転送を行えるため、専用の給電機器を必要とせず、PCとシンプルに接続して使用できます。
一方、GigEモデルは、Ethernetを利用して接続するため、USB3.0と比べて長い距離での通信に適しています。また、PoEに対応しているため、LANケーブル1本で画像データの通信とカメラへの電源供給を行える点も特長です。
さらに、GigEモデルはI/Oを使用できるため、外部機器からのトリガー入力や、カメラからの信号出力などをシステムに組み込みたい場合にも適しています。

そのため、選定の際は以下を目安にすると分かりやすいでしょう。

  • カメラとPCを比較的近い距離で接続する → USB3.0
  • カメラとPCを離して設置する → GigE
  • PoEで電源と通信を1本のLANケーブルにまとめたい → GigE
  • I/Oを使用したい → GigE

特に、工場や物流設備などでカメラを設備に組み込む場合は、設置距離・ケーブル長・電源供給方法・I/Oの使用有無を確認したうえで、USB3.0とGigEのどちらが適しているかを選択することが重要です。

まとめ

Basler Stereo miniは、2台のカメラで撮影した画像の「視差」から対象物までの距離を算出する小型3Dステレオカメラです。
高さ・奥行き・距離といったDepth情報を取得できるため、ロボット、物流、搬送、工場内の物体認識など、さまざまな用途に活用できます。
また、50 mm・95 mmの基線長やUSB3.0・GigEのインターフェース、深度光学フィルターの違いから、用途や環境に合わせてモデルを選択できます。
「3Dカメラを導入したいけれど、まずは低コストで評価したい」という方にとって、Stereo miniは検討しやすい選択肢です。
3Dカメラの導入・評価をご検討中の方は、ぜひこの機会にBasler Stereo miniをご検討ください。

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