HALCONの扱うデータ形式の一つに、XLD(Extended Line Description)という形式があります。XLDは、サブピクセル精度の点列から成るデータです。これによって、画像中のエッジや線成分を極めて高精度に取得することができます。さらに取得したXLDデータはその特徴量を用いて容易に扱うことが可能です。
ここではHALCONに用意されている線成分を抽出するオペレータを用いて、血管検査を行う事例を紹介します。
血管を写した画像です。今回の事例では、画像中の血管部分を抽出し、その幅を高精度に計測することが目的です。
HALCONでは画像中の線成分をサブピクセル精度で抽出するオペレータが用意されています。今回の事例のように曲線が複雑に絡み合っている画像であっても、HALCONでは"lines_gauss"というオペレータを1つ実行するだけで、左のように画像中の線成分を抽出することが可能です。
抽出した線成分はすでに幅の情報を持っているため、あとは一つ一つの線ごとに平均幅を計算するだけで左のように線成分(血管)ごとの幅を取得することが可能です。
このように、通常複雑な処理が必要な検査であっても、HALCONでは数行のプログラミングで非常に容易かつ高精度に計測を行うことが可能です。