知らないと損する!二次元コードの基本と業界別活用ガイド

2025.06.05

二次元コードは、従来の一次元コードに比べ、格段に多くの情報を格納できる便利な技術です。本記事では、二次元コードの基礎知識から代表的な二次元コードの種類を紹介し、活用メリットを詳しく解説します。

二次元コードの基礎知識

現代社会において、スマートフォン一つで情報にアクセスできる二次元コードは私たちの生活に欠かせない存在となりました。単なる白黒の模様に見えるこのパターンには、膨大な情報が含まれており、決済やチケット、マーケティングなど様々な用途で活用されています。本記事では、この便利なテクノロジーの基礎知識について解説していきます。

そもそもバーコードって何?

バーコードとは、太さや間隔の異なる線(バー)やスペース、セル(白黒の点)のパターンによって情報を表現する機械可読コードです。商品識別や在庫管理に広く使用されており、バーコードスキャナーで読み取ることで、商品情報を瞬時にデジタルシステムに取り込むことができます。

二次元バーコードとは?一次元バーコードとの違い

一次元バーコードはJANコード(ジャンコード)とも呼ばれており、一般的な縞模様のバーコードのことです。8桁もしくは13桁の数字と、縦線と間隔のみで情報を表現しています。最初の2桁は国番号、次の7桁が事業者番号、次の3桁が商品番号、最後の1桁は読み誤りがないかをチェックするコードです。
一方、二次元バーコードは横方向と縦方向の両方にデータを詰め込むことができます。2つの方向に情報を記憶できるので、数千文字というより多くの情報を格納できます。

「二次元バーコード」と「二次元コード」の違い

実際には、「二次元バーコード」と「二次元コード」はほぼ同じ意味で使われることが多いです。厳密には、二次元コードが上位概念で、二次元バーコードはその一種と考えられることもありますが、一般的には互換的に使用されています。

代表的な二次元コード

QRコード(Quick Response Code)

QRコードは1994年に日本のデンソーが開発した二次元バーコードの一種です。数千文字の豊富なデータを持つことができ、特にURLやテキスト、連絡先情報などの保存に優れています。主にモバイル端末で使いやすく、スマートフォンやタブレットで簡単に読み取ることができ、多くの方が日常で目にしてるかと思います。
QRコードは誤り訂正機能が高いため、破損しても読み取れる可能性が高いです。この機能により、広告、店舗のチラシ、商品パッケージ、交通機関の乗車券など、さまざまなメディアに利用されています。

データマトリックス

白黒の正方形ドットで構成され、肉眼では見づらいほど小さな部品にも印刷できるのがデータマトリックスです。QRコードと似ていますが、より小さな数ミリ四方の小さなサイズでも正確に読み取れるため、医薬品や小型電子部品の管理に重宝されています。
英数字で最大2,335文字、数字のみなら最大3,116文字のデータを格納可能で、強力な誤り訂正機能もあるため、製造業での部品トレーサビリティにも役立ちます。

PDF417

PDF417は、1991年に開発されたコードで、横長の長方形状が特徴です。複数行のデータを縦方向にも保存でき、データ量が多い場合に非常に有効です。また、誤り訂正機能が非常に強力であり、コードが部分的に損傷していても情報の復元が可能です。特に公的文書や重要書類での利用が多く、セキュリティ性と信頼性が重視される分野で活用されています。また、運輸業界や物流、航空業界で利用されており、荷物のラベルや航空券、IDカードなどによく使用されます。
スマートフォンでの読み取りも可能ですが、専用のスキャナーでより確実に読み取ることができます。

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二次元コードの特徴と業界別の活用メリット

二次元コードは、その優れた特徴により製造業から物流、食品業界まで幅広い業界で革新的な変化をもたらしています。本記事では、二次元コードの基本的な特徴と、業界ごとの具体的な活用事例について詳しく解説していきます。

二次元コードの基本的な特徴

①データ記録容量が大きい

先に述べたように、二次元コードの最大の魅力は、従来の一次元バーコードと比較して圧倒的に多くの情報を格納できることです。
一次元バーコードが数十文字程度しか記録できないのに対し、QRコードでは最大数千文字の英数字を一つのコードに収めることができます。これにより、商品名、価格、製造日、製造場所、成分情報、取扱説明、連絡先など、従来は複数のラベルや書類に分散していた情報を一元化できます。

②データ密度が高い(ラベルの小型化を実現)

二次元コードは限られたスペースに大量の情報を詰め込める高いデータ密度を実現しています。
この特性により、従来は大きなラベルが必要だった情報管理が、数センチ四方の小さなスペースで完結します。特に小型製品や精密部品では、製品自体にコードを直接印刷することも可能で、ラベルの剥がれや紛失といったリスクを回避できます。
データマトリックスコードでは1mm角という極小サイズでも読み取り可能で、医療機器や電子部品といった小型製品への適用が進んでいます。また、印刷コストの削減、保管スペースの節約、輸送効率の向上など、様々な経済効果をもたらします。

③エラー修正(データの復元)ができる

二次元コードには強力な誤り訂正機能が組み込まれており、コードの一部が汚れたり破損したりしても正確にデータを読み取ることができます。
従来の一次元コードでは、一部の損傷で全く読み取れなくなってしまうケースが多々ありましたが、二次元コードの誤り訂正機能により、信頼性の高いデータ管理システムを構築できるようになりました。この堅牢性が、重要な品質管理や安全管理の分野で役立っています。

業界別の二次元コードの活用メリット

■製造業

在庫管理と配送追跡
二次元コードを活用した倉庫では、すべての商品や保管場所に貼られたコードをスキャンするだけで、リアルタイムの在庫状況が把握できます。
また、倉庫内のあらゆるモノの位置情報がデジタル管理されることで、倉庫自体の最適なレイアウト設計にもつながっています。

品質トレーサビリティ*
製品にQRコードやデータマトリックスコードを付与することによって、部品や製品のトレーサビリティが確保されます。これにより、製品の品質管理や不具合発生時の原因追及が簡単になります。
*トレーサビリティ(Traceability)・・・「追跡可能性」を意味し、製品やサービスがどのような経路を辿ってきたかを記録し、遡って追跡できる仕組みのこと。

メンテナンスの最適化
機械や設備にQRコードを貼り付け、そのメンテナンス履歴や次回のメンテナンス予定を管理することができます。

部品供給の最適化
製造業の部品供給チェーンでも、QRコードを使った効率化が進んでいます。部品の入荷から使用まで、すべての動きを二次元コードで追跡することで、ジャストインタイム方式の精度が飛躍的に向上し、必要な部品が必要な時に、必要な量だけ供給するといった体制を整えることができます。

■物流・運輸業

配送精度の向上
従来の手書き伝票や目視確認と比較して、荷物の追跡が正確になり、配送ミスを大幅に削減できます。QRコードには配送先情報、荷物内容、特別な取り扱い指示などが含まれ、配送員が正しい荷物を正しい場所に届けられます。
また、荷物が各拠点を通過する際にQRコードをスキャンすることで、リアルタイムで配送状況が更新され、顧客は正確な到着予定時刻を把握できます。
他にも、冷凍品、危険物、精密機器など特別な取り扱いが必要な荷物について、温度管理や取り扱い注意事項をQRコード内に含めることで、品質保持と安全性を確保できます。

作業時間の短縮
従来の手作業による仕分けと比較して、作業時間を大幅に短縮できるようになりました。QRコードのスキャンにより、荷物は自動的に適切な配送ルートや車両に振り分けられます。
また、手書きの配送伝票の確認や入力作業が不要になり、人的ミスを防ぐと同時に、配送先情報をリアルタイムで収集・分析することで、最適な配送ルートを自動計算し、燃料コストと配送時間を同時に削減できます。

リアルタイム追跡
荷物の現在位置、配送予定時刻、配送完了通知をリアルタイムで提供することで、顧客の不安を解消し、再配達率の削減にも貢献します。

■食品業界

食品安全の確保
原材料の生産者、収穫日、加工工場、流通経路、販売店まで全ての情報をQRコードで管理することで、食中毒などの問題発生時に数時間以内に原因を特定し、影響範囲を限定できます。
また、冷凍・冷蔵食品については、生産から消費者の手に渡るまでの温度履歴をQRコードに記録し、品質保持と食品安全を確保できます。

消費者信頼の向上
原材料に含まれるアレルゲン情報を正確に表示し、アレルギー患者の安全を守ると同時に、製造者の責任リスクを軽減できます。
その他、農家の写真、栽培方法、使用した肥料や農薬の詳細、収穫時期などを透明に公開することで、消費者との信頼関係を構築し、プレミアム価格での販売につながることもあります。

在庫回転の最適化
商品ごとに賞味期限をQRコードで管理し、先入先出(FIFO)を確実に実行することで、食品ロスの削減に貢献します。また、賞味期限が近づいた商品について、自動的に割引価格を設定し、廃棄ロスを収益に転換できます。
他にも、過去の販売データを残しておくことで、天候、イベント、季節要因を分析して需要を予測し、適切な仕入れ量の決定に役立てることが可能です。

■自動車業界

部品管理の精密化
自動車1台あたり2-3万点の部品それぞれにQRコードを付与し、調達先、製造日、品質検査結果、使用車両などを完全に管理できます。これにより、特定の部品に不具合が発見された場合、該当する車両を数時間以内に特定できます。
万が一リコールとなった際にも、問題のある部品が使用された車両を即座に特定し、オーナーへの連絡、部品交換、修理対応を効率的に行えます。従来数週間かかっていた対象車両の特定が、数時間で完了します。

メンテナンス履歴管理
車両のVIN*とQRコードを連携させ、購入から廃車まで全ての整備記録、部品交換履歴、事故歴を蓄積できます。これにより中古車の適正価格設定や、購入者への正確な情報提供が可能になります。
*VIN・・・Vehicle Identification Numberの略。車両識別番号のことで、自動車1台1台に割り当てられる世界共通の固有識別コード。17桁の英数字で構成されている。

まとめ

二次元コードは、従来の一次元バーコードに比べて格段に多くの情報を格納でき、特にトレーサビリティを実現するために、様々な業界で活用範囲を広げています。二次元コードの基礎知識をしっかりと理解し、メリットを最大限に活用していきましょう。

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私たちのビジョン

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私たちリンクスは世界中から最適な技術を探し出し、組み合わせ、究極の生産効率を実現することで日本の国力を再び上げることを目指しています。

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