お役立ちコラム

価格だけじゃない!中国製AMRメーカーの実力と導入で注意すべきポイント

2025.07.02

お役立ち情報

価格だけじゃない!中国製AMRメーカーの実力と導入で注意すべきポイント

近年、物流や製造現場でAMR(自律走行搬送ロボット)の導入が加速しています。
特に中国製AMRは「低価格」なだけでなく、性能面でも大きく進化し、近年注目を集めています。しかし、導入時にはいくつかの注意点も存在します。
本記事では、中国製AMRメーカーの実力と、導入で押さえるべきポイントを詳しく解説します。

この記事の執筆者
LINX

株式会社リンクス

リンクスは世界の最先端技術を国内に提供するテクノロジープロバイダです。工場等の自動化において30年以上の経験を培ってきた豊富な経験を活かしお客様に最適な製品をご提案します。
AMR導入による倉庫・製造現場の自動化をご検討の際は、まずはリンクスへお気軽にご相談ください。

なぜ今、中国製AMRが注目されているのか?

かつてAMRは高価な欧米製が主流でしたが、近年は中国製AMRが選ばれる場面が増えています。価格の安さだけでなく、技術や信頼性が大きく進化していることがその背景にあります。
ここでは、中国製AMRがなぜ今注目されているのか、その具体的な理由を詳しく見ていきましょう。

価格メリットだけじゃない「性能面での進化」

中国製AMRはコストメリットが魅力ですが、近年はナビゲーションの性能や安全機能など、性能面でも大きく向上しています。複雑な搬送ルートにも対応し、従来は高価な欧米製品が中心だった領域でも、中国製が有力な選択肢となってきています。

中国製ロボット産業の成長と世界的な実績

中国のロボット産業は、この数年間で目覚ましい成長を遂げ、AMR分野を牽引しています。この急速な成長の背景には、「中国製造2025」に代表される中国政府の強力な産業育成政策があります。
ロボット産業は国家戦略の重点分野とされ、研究開発への大規模な投資や補助金制度が設けられました(※1)。さらに、国内の人件費高騰やEコマース市場の拡大による物流需要の増加が、企業の自動化・省人化ニーズを強く刺激したのです。

結果として、中国は世界最大の産業用ロボット市場となり、国際ロボット連盟(IFR)のデータでは、2022年の新規導入台数が26万7726台と、世界シェアの50%以上を占めています(※2)。
その中でもAGV/AMRの世界市場においては、中国市場が世界シェアの約4割を占める最大の市場となっています(※3)。この市場は2030年までに約220億ドル規模に拡大が予想されており、米国、ドイツ、英国とともに中国は、2030 年までに年間 35 万台以上の移動ロボットの需要が見込まれ、市場を牽引するトッププレイヤーとしての地位を確立しています。(※4)。

もはや中国製AMRは「安かろう悪かろう」ではなく、高性能で信頼性の高いグローバルな選択肢として確立されているのです。

引用元
※1 株式会社Biz-Part「【産業動向】中国ロボット産業の市場動向」
※2 International Federation of Robotics (IFR) “Record of 4 Million Robots in Factories Worldwide”
※3 矢野経済研究所「2023年版 世界AGV/AMR市場の現状と将来展望」
※4 LogisticsIQ “AGV-AMR Market”

国内企業でも導入が進む理由とは

日本国内でも、人手不足の深刻化や、生産性向上といった喫緊の課題から、AMRの導入が進んできており、その中でも価格優位性や技術面での進化を理由に中国製AMRの採用が進んでいます。
特にコスト意識の高い現場での導入事例が増加しており、さらに多くの中国メーカーが日本市場への参入を強化しています。
国内企業でも安心して導入できるようなサポート体制が整いつつあることも、導入が進む大きな理由となっています。

中国製AMRは国内企業でも導入が加速している

中国製AMRメーカーの実力とは?

中国製AMRは「安いだけ」というイメージを持たれがちですが、実際には技術面でも大きな進歩を遂げています。搬送精度や操作性、製品ラインナップの充実度も、近年では他を凌駕するレベルに達しています。
ここでは、中国製AMRメーカーの実力を4つの視点から紹介します。

ナビゲーション技術

例えば、中国製AMRであるiRAYPLE AMRは、SLAMやコードを活用した高精度ナビゲーションを実現しています。また、それらをソフト一つで簡単に組み合わせて使うことができる「ハイブリッドナビゲーション」という機能を標準で搭載しています。
状況に応じて複数のナビゲーション方式を切り替えることができるため、普段はSLAMを使いつつ、精度が求められるエリアだけコード式などにすることで、メンテナンスコストを最小限に抑えながら運用することが可能になります。

◆ハイブリッドナビゲーション機能詳細はこちら

SLAM

SLAM方式

周囲の環境情報をベースに
自己位置推定しながら走行

コード

コード方式

特定の位置にあるコードで
自身の位置を認識しながら走行

テクスチャ

テクスチャ方式

床面のテクスチャをベースに
自身の位置を認識しながら走行

ラインナップの豊富さ

iRAYPLE AMRは、搬送重量別に多彩なモデルを展開しています。
潜り込み式のAMRからAGF(無人フォークリフト)まで揃えており、軽量物搬送から大型パレット搬送まで、対象物や運用方法に応じて最適なモデルを選ぶことができるようになっています。
また、走行エリアや拠点によってニーズが異なっているようなケースでも、システムを大きく変えずにハードだけ入れ替えることができ、入れ替えにかかるコストを抑えつつ横展開もしやすいメリットがあります。

◆iRAYPLE AMRラインナップページはこちら

iRAYPLE AMRラインナップ

制御ソフト

iRAYPLE AMRの制御ソフトは、使いやすさを重視して作られています。
直感的で使いやすいインターフェースを備え、現場担当者でも容易にマッピングやルート作成、タスクの発行といった操作・設定が可能です。
また、オープン性が高くAPIもフルに公開されているため、上位システムとの制御も自社で構築できます。
また最大500台のフリートコントロール機能もあり、シンプルな構成で高いコストパフォーマンスを発揮することができます。

◆制御ソフト詳細はこちら

性能と安定性

iRAYPLE AMRはコストパフォーマンスが高いだけでなく、その性能と安定性において、世界のトップレベルに肩を並べています。
耐久性やエラー発生率も十分なレベルに達しており、高い信頼性を実現しています。低価格ながらも現場で十分に活躍できる実力を備えています。

◆走行性能詳細はこちら

iRAYPLE AMR

関連製品AMRトータルソリューション iRAYPLE AMR

優れたコストパフォーマンスと最適化されたソフトウェアが、
さらにスマートな物流を実現

不安を解消するには?導入前に確認すべき4つのポイント

中国製AMRに興味はあっても「本当に大丈夫だろうか」と不安を感じている方は多いでしょう。事前に確認すべき4つのポイントを押さえれば、その不安は十分に解消できます。
ここでは導入前に確認しておくべき具体的な対策をご紹介します。

1. 販売代理店のサポート力

中国製AMRの導入を成功させるには、信頼できる販売代理店を選ぶことが不可欠です。メーカーとの直接対応は言語の壁やレスポンスの遅さが懸念されるため、日本国内で迅速に対応してくれる販売代理店の存在が重要になります。
また、代理店が単に製品を販売するだけでなく、導入前のコンサルティングから、設置、運用トレーニング、そして導入後の保守まで、一貫したサポートを提供できるかを確認しましょう。
代理店とメーカーのトップ同士が日本国内からの課題や要望を密に議論していたり、メーカーのエンジニアが国内代理店のオフィスに常駐しているなど、メーカーと代理店の信頼関係が強固であるとより安心です。

メーカーと代理店の信頼関係が強固であるとより安心

2.部品供給やメンテナンス体制の明確化

長期間安定してAMRを使用するためには、部品供給がスムーズであることが重要です。海外製品の場合、修理や消耗部品の入手に時間がかかることもあるため、国内在庫の有無やメンテナンス体制を事前に確認しましょう。

3.法規制や安全基準への適合状況

AMRを導入する際には、日本の法規制や安全基準への適合状況を必ず確認する必要があります。特に、ISO 3691-4といった安全に関わる規格や、電波法などの国内法規をクリアしているかどうかが重要です。不明な点があれば、導入を検討しているメーカーや販売代理店に積極的に質問し、明確な回答を得るようにしましょう。
安全基準を満たさない製品の導入は、事故や法的問題に繋がるリスクがあるため、慎重な確認が求められます。

4.事前の現場適合性評価

中国製AMRはコスト面で魅力ですが、自社の現場環境に適合するかどうかを事前にしっかり検証することが重要です。可能であれば、デモ導入やPoC(概念実証)を実施し、搬送ルートや環境に問題がないか確認してから本格導入を進めましょう。
これにより、導入後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな運用へと繋げることができます。実際の運用イメージを掴むことで、より具体的な課題が見えてくることもあります。

中国製AMRを成功させる導入の進め方

中国製AMRを導入し、効果を最大限に発揮させるためには、現場に合わせた適切な導入プロセスが重要です。事前準備を怠ると、期待した効果を得られない場合もあります。ここでは、導入を成功させるための実践的な進め方を解説します。

現場に合った仕様確認

AMRの導入を成功させるには、まず現場に合った仕様確認を徹底することが重要です。
搬送物の種類、重量、サイズ、搬送ルートの特性、床面の状態、既存設備との連携など、具体的な現場の状況を詳細に確認し、それに最適なAMRのモデルや機能を選定します。この段階で曖昧な点が残ると、導入後のトラブルや非効率な運用に繋がる可能性があるため、念入りな確認が必要です。

自社内の運用フローと適合性を見極める

AMRは単独で稼働するだけでなく、既存の生産・物流運用フローの中に組み込まれて機能します。そのため、AMR導入によってどのような業務プロセスの変更が必要になるか、既存システムとの連携は可能かなど、自社内の運用フローとの適合性を事前に見極めることが重要です。
運用フローの再設計が必要な場合は、導入前から計画を立て、スムーズな移行を目指しましょう。

「価格以上の価値」を得るために

中国製AMRは価格競争力に優れていますが、「価格以上の価値」を得るためには、単に安さだけで選ばないことが重要です。前述のサポート体制、国内拠点、法規制への適合、そして導入前の徹底した適合性評価などを怠らないことが肝要です。
これらをクリアすることで、初期投資を抑えつつ、高性能かつ安定したAMRを導入し、長期的な視点で最大限の効果を発揮させることができます。

中国製AMRを選ぶなら「安さの裏側」まで見極めよう

中国製AMRは、価格だけを見て選ぶと失敗するリスクがあります。重要なのは「安さの裏側」にある性能、サポート、信頼性をしっかり確認することです。ここでは、購入を検討する際に最終的にチェックすべき重要なポイントを整理します。

価格は魅力だが、性能・信頼性・対応体制も重要

中国製AMRの最大の魅力は、その価格競争力にあります。しかし、導入を検討する際には、価格だけでなく、性能、信頼性、そして導入後の対応体制もしっかりと見極める必要があります。
安さだけを追求し、これらの要素が不足している製品を選んでしまうと、結果的に運用コストの増加や生産性の低下を招く恐れがあります。

導入前に不安を解消できる体制があるかが鍵

中国製AMRを安心して導入するためには、導入前に抱える不安を解消できる体制があるかどうかが非常に重要です。
具体的には、製品に関する技術的な質問に明確に答えられるか、トラブル発生時のエスカレーションフローは確立されているか、など、ユーザーの疑問や懸念を払拭できるようなサポート体制が整っている販売代理店を選ぶべきです。

実力あるメーカーと信頼できる販売経路が成功のカギ

中国製AMRの導入成功の鍵は、実力あるメーカーの製品を選び、かつ信頼できる販売経路を通じて購入することです。優れた技術力と豊富な実績を持つメーカーの製品は、高い性能と安定性を保証します。
そして、適切なサポートとアフターサービスを提供する販売代理店を選ぶことで、導入から運用、そして将来的な拡張まで、安心してAMRを活用できるでしょう。

iRAYPLE AMR

関連製品AMRトータルソリューション iRAYPLE AMR

優れたコストパフォーマンスと最適化されたソフトウェアが、
さらにスマートな物流を実現

リンクスは国内ユーザーにも安心してご利用いただけるAMRシステムを提供します

工場の自動化において30年以上の経験を培ってきた株式会社リンクスでは、iRAYPLE AMRを取り扱っています。

iRAYPLE AMRは、その優れた車両性能だけでなく、オープン性が高く使いやすいコントロールソフトの開発にも力を入れております。

また、2025年6月より、安定・長期供給を実現したiRAYPLE AMR「日本ユーザー向け」仕様モデルの販売を開始しました。
本モデルは、日本市場における「安定した製品を長く使いたい」というユーザーニーズと、海外メーカーの「常に最新の仕様を投入する」というグローバルな開発サイクルとのギャップを解消するため、リンクスがiRAYPLE AMR開発元のHuaRay社と継続的に協議を重ねて実現した特別モデルです。

◆詳細はこちら

東京の本社では実機を見ることができるデモルームもあり、気になる動作なども直接ご確認可能です。
AMR導入に関するご質問やご相談がありましたら、まずはリンクスまでお気軽にお問合せください。

この記事に関連する製品
iRAYPLE AMR

AMRトータルソリューション iRAYPLE AMR

優れたコストパフォーマンスと最適化されたソフトウェアが、さらにスマートな物流を実現。
複数のナビゲーション方式をルートごとに設定可能で、走行環境、停止精度などの条件に応じて、常に最適な方式で走行。
まずはその性能をご確認ください。