MVTec Software HALCON マシンビジョン構築ライブラリ HALCON

HALCONは2,000もの高機能な関数群を自在に組み合わせることで、効率的な画像処理システムを構築できる先駆的ツールです。
開発工数を大きく削減できる優れた開発環境が付属し、作成したスクリプト型プログラムは、 C++、VB、C#コードへ自動変換することで、容易にアプリケーションに組み込めます。

HALCON Progress Edition新機能

  • HALCON Progress Editionでは、コアな画像処理機能の高機能化や、開発環境の更なる改善に加えて、ディープラーニング機能が標準搭載されています。既存のルールベース画像処理に加えて、よりよい生産性向上を実現するディープラーニング機能を、ぜひご活用ください。

マルチラベル画像分類

  • 1枚の画像を複数のクラスに同時に分類する「マルチラベル画像分類」が新たに追加されました。従来はこのようなアプリケーションを、オブジェクト検出やセマンティックセグメンテーションで実現していました。新機能マルチラベル画像分類を活用することで、マウス操作によるラベリングの工数を大幅に削減することができます。また、クラス分類を行う際の推論速度は、画像分類と同等の数ミリ秒オーダーを実現しています。

  • タイプの分類 欠陥の分類 2つのモデルの学習が必要 2つのモデルによる推論が必要 図:画像分類を使用した場合

    左図は、錠剤のタイプと欠陥を分類するアプリケーション例です。錠剤のタイプは3種類あり、それぞれに欠陥としてクラック・コンタミの2種類が発生する可能性があります。従来の画像分類では、モデルを錠剤のタイプ用と欠陥用の2種類に分ける必要があったため、2回分のモデル学習が必要となり、アプリケーション実行時にもモデルを切り替えて2回推論を実行する必要がありました。マルチラベル画像分類では、3つのサンプルに対して、タイプと欠陥の種類を同時に分類することが可能となります。

縞投影による3次元形状復元

  • 縞パターン投影を使用した、新たな3次元形状の復元手法が追加されます。プロジェクタから複数枚の縞パターン画像を投影し、2Dカメラで画像を撮影するだけで、簡単に3次元点群データ(3Dオブジェクトモデル)を取得することができます。2Dカメラとプロジェクタ間のキャリブレーションには、HALCONに含まれるサンプルプログラムと2Dカメラ用のキャリブレーションプレートをご活用いただけます。

  • 縞パターンを使用した手法として、これまでもデフレクトメトリという機能を提供していました。デフレクトメトリは、金属などの鏡面反射オブジェクトの表面の傷やへこみを2D画像から検査する手法でした。対して、新手法の対象は拡散反射オブジェクトで、3次元点群データを出力するため、傷やへこみの深さ情報までを計測することが可能となりました。

形状ベースパターンマッチングの高速化

  • 処理時間比較のグラフ 従来バージョンに対する命令セットごとの処理時間比較
    ※効果の度合いは検索オペレータのパラメータ設定に依存

    CPUの並列演算命令セットを活用した場合の、形状ベースマッチングの検索速度が向上しました。HALCONがサポートするIntelCPU向けのAVX2命令、AVX512命令、ArmCPU向けのNEON命令の3種類で、最大50%の高速化を実現しています。

    並列演算命令セットの使用設定はデフォルトで有効となっています。対象となる命令セットに対応したCPUをご活用いただいている方は、HALCONをバージョンアップするだけで効果を実感することができます。アライメントや有り無し検査などのスピードが要求されるアプリケーションを開発いただいている方にご活用いただけます。

コア機能の追加・改善

  • 不規則な交互パターンをもつ Data Matrix ECC 200 の読み取り性能を向上させるパラメータが追加されました。また、バーの太り細りなど印刷品質に問題のあるスタック型のGS1データバーの読み取り性能がよりロバストになりました。