リンクスは、2023月12月14日より、SCADA/IIoTソフトウェアプラットフォームの最新版「zenon(ゼノン) 12」の国内での提供を開始します。
「zenon 12」では、新たなWeb配信機能であるWeb Visualization Serviceの実装や、プラグアンドプロデュースを実現するための規格であるModule Type Package (MTP)に対応するための機能が追加されています。さらに、新たにLinux OSをサポートし、より幅広くzenonをご活用いただけるようになりました。他にも、OPC-UAサーバーでの情報モデルへの対応、SQL連携機能の高速化、一部の通信プロトコルにおけるセキュリティ強化、開発環境の操作性向上など、これまで培ってきた、開発環境の使いやすさや豊富な標準機能群といったzenonの特長を、さらに強化しています。
zenon 12の新機能は下記の通りです。
製品名:「zenon 12」
提供開始日: 2023年12月14日
提供形態: Webサイトよりダウンロード
リンク:https://linx.jp/download/zenon_installation_guide_12/
【zenon 12更新内容】
■Web Visualization Service
Web Visualization Service (WVS)は、zenonの新たなWeb配信機能です。WVSを用いることで、zenonのプロジェクトをHTML5ベースで配信することが可能で、PCやタブレット、スマートフォンなどの様々な端末から、追加のソフトウェアのインストールなしで、Webブラウザを介してzenonの画面を閲覧・操作できます。
これまでも、zenonではWeb Engineと呼ばれるHTML5ベースのWeb配信機能を提供しておりましたが、WVSはWeb Engineと異なり、zenonプロジェクトのWeb配信用変換処理やInternet Information Service(IIS)へのデプロイが不要で、より簡単にWeb配信をご利用いただけます(Web Engineは、今後のバージョンでも継続してご利用いただけます)。
■MTP Studio
MTP Studioは、NAMUR(ドイツのプロセス産業におけるオートメーション技術使用者協会)によって策定された、プラグアンドプロデュースに続くモジュラープラントエンジニアリングの規格であるModule Type Package(MTP)に対応するための機能です。MTPを活用することで、生産工程を構成する各装置をモジュールとして取り扱うことが可能となります。これにより、ニーズに応じた様々な製品を生産するための工程を、モジュールの柔軟な組み合わせにより実現することが可能となり、製品の市場投入までの時間やコストを大幅に削減することができるようになります。
MTP Studioでは、VDI/VDE/NAMUR 2658における下記の機能に対応しており、MTPファイルの作成から、設定、検証、制御までのステップを補助する機能を提供しています。
■Linuxへの対応
zenon 12より、Service EngineがLinuxでの動作に対応しました。高価なWindowsベースの産業用PCだけでなく、小型で安価なRaspberry Piなどのデバイスでもzenonを実行することが可能となり、小規模なデータ収集やプロトコル変換のためのゲートウェイとしての利用など、zenonをより幅広くご活用いただくことができるようになります。
現段階では、以下の機能をご利用いただくことが可能です。
データ取得: PLC等との通信機能
- 三菱電機: MCプロトコル (MELSEC A/Qシリーズ)
- オムロン: EtherNet/IP (NJ/NXシリーズ)
- シーメンス: S5/S7シリーズ
- CODESYS
- OPC-UAクライアント機能
- Modbus
- BACnet
- ・・・
- データ記録: ヒストリアン/アラーム/イベント履歴リスト
- データ処理: ソフトウェアPLC機能 (zenon Logic)
- データ交換: OPC-UAサーバー機能 (Process Gateway)
■データ収集機能(ドライバー機能)の拡張
下記のドライバーにて、機能拡張が行われました。
- 3S_v3
- BACnet
- EUROMAP63
- IEC870
- BECKHNG
- GENERICNET
- Jetter file storage
- LOGIX_ODVA
- Modbus Energy
- MBUS32
- OMRON_EIP
- OPCUA32
- S5TCP32
- S7TIA
- S7TCP32
- SNMPNG32
- stratonNG
- VASS
また、ドライバー設定ファイルをXML形式でエクスポート/インポートできるようになり、プロジェクト間での移動をより簡単に行うことが可能となりました。
■データ交換機能(Process Gateway)の機能拡張
Process Gatewayにて、新たにSNMPv3のプロトコルに対応しました。
また、OPC-UAサーバー機能において、外部OPC-UA情報モデルの使用や、非暗号化接続の制限が可能となりました。