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特許取得の「パラレル縞投影」専用CMOS 徹底解説
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「MotionCam-3D」には、Photoneo社が5年の歳月を費やして研究開発した「パラレル縞投影」を行うための専用CMOSが内蔵されています。この自社開発CMOS素子の動作ロジックを徹底解説します。
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ベースは「レーザー縞投影」
Photoneo社はレーザーを使用して縞投影を行うことにより、他に類を見ない広視野・深い撮像距離を兼ね備えた3次元スキャナ「PhoXi Scanner」シリーズを開発し販売中です。
レーザーによる縞投影では、下図のように、内蔵した直線レーザーをミラーで走査しながら視野範囲内を照射します。走査しながらレーザーが明滅を繰り返し、その間カメラのシャッターを開きっぱなしにすることで縞パターンの撮像を行います。この走査を短時間で繰り返すことで、3次元情報生成に必要な縞パターンを複数生成することができます。(レーザー縞投影に関する詳しいより解説はこちら)
「MotionCam-3D」は、専用CMOSを使用することにより、このレーザー縞投影をより高速に実行します。
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3x3ピクセルで1セットの独自設計CMOS
ではどのようにしてレーザー縞投影を高速化しているのか?
その答えは、「MotionCam-3D」のCMOS素子の特殊な制御構造にあります。本CMOS素子は、3✕3ピクセルで1ブロックの構造をとっており、9つの各ピクセルごとに、独立した露光制御を実施することができます。この構造がパラレル縞投影の鍵となります。
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受光素子側の制御で縞画像を複数生成
「PhoXi Scanner」と「MotionCam-3D」の違いを説明した図を下記に示します。
「PhoXi Scanner」は、縞画像の生成のために何度もレーザースキャンを繰り返し、走査のたびに画像の撮像を行います。
一方で「MotionCam-3D」は、たった1回のスキャンだけを行います。たった1回だけレーザーを点滅させずに走査し、その間に3x3ピクセルの1ピクセルごとが独立して縞画像を生成します。
こうした特殊な露光制御が可能な専用CMOSの開発によって初めてレーザーが1走査で済む高速な縞投影が実現されました。
この技術を「パラレル縞投影」と呼び、Photoneo社が特許を取得しています。
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