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建築廃材のソーティングにおけるハイパースペクトルイメージングの活用
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ハイパースペクトルイメージングで、カラーカメラでは判らなかった廃材の素材判定が可能に!
産業廃棄物処理場では、破砕機やバリスティックソーター等で大まかに素材毎に分別を行った後、人が手作業で分類しなければならない選定ラインが存在します。近年では作業者への負担や人件費等の負担から、自動化の必要性が声高に叫ばれる一方で、中々自動化が進みませんでした。
廃材のソーティングの自動化を困難にする最大のハードルは「様々な材質の廃材」が「色・形・大きさ等、どんな状態で流れてくるか」が判らず、従来のカラーカメラや、狭域スペクトルの近赤外カメラだけでは、素材の判定ができないことでした。
しかし、近赤外ハイパースペクトルカメラ「SPECIM FX17」やスペクトル解析技術を用いることで、より細かなスペクトル情報を元に、素材の判定、分類をリアルタイムで行うことが可能になりました。
ハイパースペクトルイメージングを用いて素材を分類するには、以下のステップで処理を進めていきます。
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「SPECIM FX17」によるスペクトル情報の取得
「SPECIM FX17」では、撮像対象のピクセル毎に900nm - 1700nmのスペクトル情報を取得することができます。プラスチックや木材などは特定の波長を吸収するため大きな特徴が現れます。一方で、コンクリートや石についてはプラスチックや木材と比較して、大きな吸収を示す特徴は現れないものの、表面状の粒子の大きさ等から、スペクトル特徴を取得することができます。
今回は、廃材ソーティングに多く登場するこれらの素材のスペクトル情報取得、分類を実施し、以下の様な素材毎のスペクトル情報を取得しました(一例)。
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Perception Studioによるスペクトル解析、素材毎の分類
FX17で取得したスペクトル情報を元に、それぞれの素材を分別グループに仕分けていくために、スペクトル解析と分類を行います。
スペクトル情報より素材ごとに分類を行うためには、ケモメトリックス(計量化学)の手法を利用して分類を行いますが、非常に高度な計算方法が必要となります。しかしながら、ハイパースペクトル解析ソフト「Perception Studio」を利用すれば、スペクトル情報を元に、分別グループへの分類をマウス操作のみで簡単に行うことができます。
上記の図では、コンクリート、石、プラスチック(PS, PVC, PMMA)、ダンボール、木材を「瓦礫」「プラスチック素材」「紙」「木材」のグループへ分類し、RGBカラーに変換して表示しています。
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Perception Coreを利用したによるスペクトル解析、素材毎の分類
さらに「Perception Core」を利用することで、これらグループ毎のRGBへの色変換した画像を、リアルタイムでGigE Visionフォーマットで外部へ出力することができます。この結果はHALCONのような画像処理ライブラリで処理することができ、素材、大きさ、形を算出し、ロボットや外部出力機器に制御司令を行うことができます。
この他にも、SPECIM FXシリーズやPerception Studioを利用することで「従来の画像処理では見れなかった、判らなかった」異物検査、素材の検査をインラインで行うことが可能です。リンクスではワークの送付、持ち込みによる試験評価を積極的に行っております。
試験評価の依頼や、製品の詳細なお問い合わせについては、下記お問合せフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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