画像処理ライブラリHALCONは、その機能性、高速性、高い安定性をご評価いただき、幅広いお客様にご利用いただいております。

過去に紹介させていただいたお客様事例:
  ●川田工業殿、TOWA殿
    ⇒LinX Express Vol.218
  ●日産自動車殿、サツキ機材殿
    ⇒LinX Express Vol.219

本号では、最新のHALCON活用事例をご紹介します。

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川崎重工業株式会社殿:双腕スカラロボット「duAro」

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川崎重工業殿は、全く新しいコンセプトの双腕スカラロボット「duAro」を開発しました。duAroの構造は人の動作範囲・必要領域をシンプルに実現しており、現状の作業工程をそのままに、作業員一人のスペースに設置可能です。

このduAroには、画像処理ライブラリHALCONが標準採用されています。
川崎重工業殿はこれまでもロボットに2次元・3次元の画像処理機能を搭載し、お客様のニーズに答えてきました。ロボットビジョンの重要性は日増しに高まっており、今後の重要なキー技術になると考えられています。duAroはビジョンとの連動を前提としており、カメラ用ケーブルがアーム内を通る構造を採用しています。また、そのカメラを利用して、作業台とロボットとのキャリブレーションが簡単に実行できるようになっています。

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duAroのビジョン技術活用例を紹介します。

FPCハンドリングセル:
ハンドアイカメラによる文字認識


FPC基板のロード・アンロード作業に加え、文字領域の検査を実現しています。




リード線被覆剥き&挿入セル:
ハンドアイと固定カメラによる認識・確認


リード線をトレイから取り出し、被覆をはがしてコネクタに接続する作業を、ビジョン機能と両手操作で実現しています。



リード部品配膳セル:
ハンドアイカメラによる部品位置認識


小物部品の配膳工程における位置決めからのピッキング作業を実現しています。





株式会社エヌテック殿:ハンドリング技術と画像処理技術の融合

エヌテック殿は、顧客生産工程のニーズ(高速化・無人化・高品質化)を満たす搬送・包装・検査システムを開発し、提供し続けています。
高速性、確実性および精度が要求されるシステムの実現に、画像処理ライブラリHALCONをご活用いただいており、ここでは2つのシステムを紹介します。

顔合わせ装置

円筒容器の製造工程では、消費期限の印字などの前に容器を決まった向きにそろえる必要があります。この工程は「顔合わせ」と呼ばれます。エヌテック殿は、容器のデザインを選ばず確実に顔合わせできるシステムを開発、販売しています。
ボトルを側面から撮影した画像と、事前に準備した全周360°の画像を、それぞれ平面に引き延ばしたうえで高速にマッチングすることにより、ワークの回転角度(位置情報)を検出します。検出した角度から、目標とする指定の角度になるよう、バーチカルコンベアでワークを把持し、左右ベルトの速度差によって容器を回転させ、ワークの向きを揃えています。 

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自動微生物検出判定装置

恒温槽で培養を行い、培地層内に生成された微生物コロニーを短時間で検出する装置です。検体(シャーレ)を投入した後、ストック棚への移載→検体情報の読み取り→菌検査→シャーレの取り出し口までの移載を自動で行います。
シャーレ蓋に印字された検体データは、同心円上に刻印された文字を極座標展開して直線上に並べ、サポートベクターマシンによる文字認識を行うことで読み取っています。その後、菌の検出を行いますが、計測困難なシャーレ外周部に対しても極座標展開してから検査することにより、高精度な検査を実現しています。

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