幅広い分野で導入が進むディープラーニング

約2年前にディープラーニングによる画像分類機能をリリースして以来、HALCONの開発元であるMVTec社は、ディープラーニング機能の拡張と使い勝手の向上を進めています。これにより、自動車、電気電子、FPD、パッケージ外装、医薬、物流など、幅広いマーケットでHALCONディープラーニングが活用されるようになりました。開発ライセンスだけでなく、ランタイムライセンスでの導入がすでに進んでおり、単なる評価検証でなく、実際のラインや検査機でディープラーニングが活用されていることが分かります。

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今回は、食品業界におけるHALCONディープラーニングの具体的な活用事例を紹介させていただきます。


マルハニチロ様:冷凍食品外観検査

冷凍食品の大手であるマルハニチロ様は、品質検査の精度向上のため、えびグラタンの検査を皮切りに、ディープラーニングの活用を進めております。えびグラタンは、すべての容器にえびが入っているのが適切な状態なのですが、御覧の通り通常のルールベース画像処理で判断するのは非常に難しく、目視判定に頼っているのが実情です。

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そこで、マルハニチロ様は、えびが無い不良品を検出するために、えび領域を抽出するセグメンテーションネットワークを作成しました。入力画像に対してセグメンテーションを行うことで、えびである信頼度が一定以上の領域を抽出できます。この領域に対してブロブ解析を行い、えびらしき領域を抽出できれば「えび有り」の良品、そうでなければ「えび無し」の不良品と判定します。

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17万枚の画像で評価したところ、えび有りを正しく「えび有り」と判定した精度は99.9%、えび無しを正しく「えび無し」と判定した精度は99.5%と、非常に高い精度で判定できています。また、判定処理も15msec程度と非常に高速であり、全数検査を十分実現できる速度となっています。


山口油屋福太郎様:「めんべい」検査性能の更なる向上

山口油屋福太郎様の「めんべい」は、福岡土産として非常に有名な商品です。このめんべいの品質検査に、HALCONディープラーニングを活用いただいております。
欠陥として、ひび割れや欠けといった大きな形状変形は、ルールベース画像処理で判定できますが、これに加え、手袋の付着や焦げ、異物の付着などが、極まれに発生することがあります。また、「ネギ味」「マヨネーズ味」など、複数の品種があり、下地が異なる中で、単一の画像処理アルゴリズムで検査を行うことは困難です。そこで、ディープラーニングによるセグメンテーション機能を使って、付着物の検出を行っています。

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ディープラーニングとルールベースの組み合わせにより、新製品リリース時にも短時間で調整が完了するシステムを実現しています。
実際の装置は、弊社のシステムインテグレーションパートナーであり、ディープラーニングにも造詣の深い美和電気工業様、および、コンテック様(札幌市)との連携により開発されました。約1000枚の画像で検証したところ、判定精度99.9%を達成しております。

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今回紹介した食品業界の事例のように、正解の形が定まらない物品の検査は、ルールベース画像処理で解決することが難しいことがあります。このような課題の解決に、HALCONディープラーニングは力を発揮します。


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