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IEC 61131-3:コントローラーソフトウェア資産のオープン化
国内では、PLCのプログラミング言語としてラダーダイアグラムが広く普及しています。
しかしながら、このラダー言語をはじめとしたPLCプログラミング言語において、各コントローラーベンダーごとの独自仕様が言語に盛り込まれているために以下の課題がありました。
・他ベンダーのコントローラーへソフトウェアを移行する際の工数が大きい
・ソフトウェア技術者のノウハウ蓄積もベンダー依存が強くなってしまう
この課題を解決するために生まれたのが、PLCのプログラミング言語標準規格「IEC 61131-3」です。IEC 61131-3ではラダー言語を含めた5言語を国際標準規格として定義しました。これによりIEC 61131-3に準拠したコントローラーを利用すればベンダー依存することなくソフトウェア資産を蓄積することが可能になりました。
ソフトウェア資産を効率活用できるIEC 61131-3はすでに欧米をはじめとして世界的な生産現場標準となっており、多数のセンサー、コントローラーが導入されることが必須となるIoT、Industry 4.0の実現に向けても欠かせないものとなっています。
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OPC-UA, 各種フィールドバス : コントローラー通信規格のオープン化
IoT、Industry 4.0の実現に向けて、コントローラーが他の機器と「つながる」ことの必要性は増す一方です。
ドイツ発祥のIndustry 4.0では、PLCよりも上位のシステム(SCADA、生産管理システムなど)との通信規格として「OPC-UA」が推奨標準規格として定められました。現状ではEthernetをベースとして様々な通信プロトコルが上位システムへの通信に利用されていますが、今後はOPC-UAに集約されていくことは間違いありません。
下位システム(リモートI/O, サーボドライブなど)への通信においても大きな変化が起きています。この下位システムの通信に関しては、とりわけ日本ではCC-Link, SSCNET, MECHATRO-LINK, EtherCAT, Modbus, EtherNet/IPなど多種多様にわたる通信規格(フィールドネットワーク)が利用されています。一方で、世界的にみるとこのフィールドネットワークはEtherCATやPROFINETなどのオープンな主要通信規格に集約されつつあります。日本にもその流れは着実に波及しており、最近ではトヨタ自動車もEtherCATを全面的に採用することを発表しました。(参考記事 MONOist : http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1604/27/news071.html)。
今後増々フィールドネットワークのオープン化も加速していくと予想されます。